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仙龍創乱3  作者: 劉・小狼
 第5章
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 第5章 17

 「出城を作った後はそこから少し離れた小城に

奥方(水蓮)を迎えるのです……

 さすれば、必ずや奥方(水蓮)から情報を得ようと

北方の商人に化けた白尾と言う者が出城にやってくるでしょう!

 そこを小狼さまが軍勢をもって、その男を捕らえ、

処刑をなさるのです」


 龐悦は劉・小狼にそう。告げた。

 劉・小狼は少し不安げな顔をしながら


 「そんなことをしたら、北方のあの者【仮面の男(劉閣)】が

黙っておらぬのでは?」


 と龐悦が聞き返した。


 「それなら、大丈夫です! すでに手は打っていますから……

 ただ、問題なのは……」


 龐悦がそう言葉を濁すと


 「小狼さま!」


 劉・小狼と龐悦の後ろから劉儀を引き連れた郭瑜が

慌てて、馬を飛ばし、現れた。

 龐悦は劉・小狼と共に近付いてくる郭瑜を見ながら


 「奴【郭瑜】の動きを封じないと我らの計画は

不意になります」


 劉・小狼に囁くと何事もないようににこやかに

微笑みながら


 「どうなされましたか? 郭瑜殿」


 自分らのもとにやって来た郭瑜らにそう声をかけた。

 郭瑜は息を切らしながら


 「都に戻ったら、小狼さまが龐悦殿と出城建設のための

視察に出られたと訊いたので…… 劉儀殿と共に後を

追いかけてきました」


 劉・小狼と龐悦にそう言うと劉・小狼は郭瑜の傍にいる

僧侶の劉儀を見ながら


 「劉儀さま。お久しぶりです!」


 と劉儀に挨拶をした。

 劉儀は劉・小狼と龐悦のことを疑いの目で見詰めながら


 「郭瑜殿の誘いを受け、しばし、小狼殿のもとで

お世話になることにしました!」


 というと劉・小狼はさっきまでの険しい顔とは違い、

穏やかな表情で


 「そうですか…… 劉儀殿。早速ですがこの辺に

北方を攻める為の足がかりとなる出城を造ろうと思うのですが

どこが良いと思いますか?……」


 周辺を指差しながら、劉儀に尋ねた。

 劉儀は劉・小狼らと龐悦のことを疑いの目で見詰めまま、

劉・小狼が周辺を見ながら


 「あまり、都から離れると補給路を断たれる

恐れがありますから…… まずは都から近い所に

全ての拠点となる出城を造るのが宜しいかと……」


 と劉・小狼に進言した。


 「わたしもそれが宜しいかと……」


 郭瑜も劉儀の意見に同意するかのように強く頷いた。

 郭瑜は辺りを見廻し、


 「ここなら、近くの新犠しんぎという城の近くに

出城となる砦を築くのが宜しいかと……」


 と劉・小狼に進言した。

 劉・小狼も辺りを見廻し


 「うむ…… 二人で相談し、拠点を築くが良い! 

わしは一旦、劉儀殿と都に戻る!」


 というと劉儀と共に龍炎国の都に戻った。

 龐悦と二人きりになった郭瑜は


 「龐悦殿! 何をお考えですか!

今、我が軍が北方の者らと事を構えるのは

得策ではないでしょうが!」


 と強く龐悦を叱責した。


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