表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仙龍創乱3  作者: 劉・小狼
 第5章
117/136

 第5章 13

 突然、自分らの前に現れた幼き少年の事を見詰めたまま、

固まった郭遼と蒼琥だったが


 「別に何もしてないよ…… おじさん達はちょっと食材を

この街に買いに来ただけさ」


 郭遼は咄嗟に誤魔化すように幼き少年にそう言った。


 「へぇ~、そうなんだ…… 食材ならここいらより、

向こうの通りの方が良いよ!」


 幼き少年は疑いの眼差しを郭遼と蒼琥に向けながら、

向こうの通りを指差した。


 「そうなんだ…… じゃあ、行ってみるよ!」


 郭遼はそう言い、蒼琥と共にその場を後にしようとした。


 「ちょ、ちょっと君達……」


 ちょうど、近くを通りかかった龍炎国の都の守備兵が

幼き少年のもとから立ち去ろうとする郭遼と蒼琥を呼び止めた。

 蒼琥は顔を強張らせ、


 『み、見つかったか?……』


 と思い、腰に隠し持っていた小剣に手をかけようとすると


 「おじさん達、こっちだよ!」


 幼き少年が郭遼らの手を引っ張り、その場から走り去った。


 『え? なに?……』


 郭遼は一体、何が起きたのか、一瞬、わからなかった。


 「ここまで来たら、大丈夫! ここいら辺、あんな兵が

多いからおじさん達、気を付けてね!」


 幼い少年はそう言うと、郭遼らをその場に残し、

人通りの多い通りへと戻っていった。


 暫くすると、蒼琥の配下の者らが情報を集め、

郭遼らのもとに戻ってきた。

 戻ってきた蒼琥の配下の者らから報告を受けた

郭遼は龍炎国の都内の地図を見ながら


 「なるほどなぁ…… 武器や食料などは北東の

この建物内にまとめて、置かれているのか……

 だが、警備兵の数が半端じゃないのか……

 さて。どうしたものか?」


 と腕組みをして考え込んでいると


 「それなら、食事休憩の交代の一瞬の隙に建物内に侵入し、

中にある食料を燃やしたら?」


 と突然、幼き少年の声が聴こえた。


 『え?……』


 郭遼が驚いた顔で辺りを見ると蒼琥の配下の者らの間に

さっきの幼き少年がいた。

 郭遼がまた突然、現れた幼き少年に驚いていると

幼き少年は郭遼らの前の龍炎国の都内の地図を見ながら


 「……だけど、守備兵の交代は早いから

建物内に侵入するのは難しいかなぁ……

 でも、この辺りで騒ぎを起こせたら、

騒ぎの隙に建物内に上手く、侵入できるかも?」


 と郭遼らが侵入しようとしている建物がある

少し南側を指差しながら、呟いた。

 ハッと我に返った郭遼は幼い少年が指差した所を見ながら、

傍にいる蒼琥に


 「少年が指差した所で騒ぎを起こせるか?……」


 と訊いた。

 蒼琥も幼い少年が指差した所を見ながら


 「小規模でよければ……」


 と答えた。

 郭遼は蒼琥の配下の者ら、数名に幼き少年が指差した所で

騒ぎを起こすように命令をした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ