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仙龍創乱3  作者: 劉・小狼
第1章
11/136

 11

 蒐賽の配下の者から蒐賽からの手紙を受け取った老霍は

困った顔でその手紙を詠んでいた。


 「手紙の返事は?……」


 蒐賽の配下の者は困った顔をしている老霍に

手紙の返事を尋ねた。

 蒐賽の配下の者を見て、少し考え込んだ老霍は

意を決したかのように


 「良かろう! 蒐賽どのには承知したとお伝えくだされ!」


 と蒐賽の配下の者にそう言った。

 一方、その頃。孔游の沙隆の城では月影と孔游が

劉・小狼らのことでまだ揉めていた。


 「月影さまの言う事はわかりますが……

 この者を何の処罰をせぬまま、解放すれば、

統治にかかわります!」


 孔游が自分の玉座に座る月影にそう言い放つと

月影と孔游の良い争いを訊いていた水蓮は孔游らがいる部屋へと

飛び込んできて、


 「伯父さま。その方らは私を助ける為に街の豪商の息子を

傷つけたの……」


 と孔游にそう言った。

 孔游はそんな水蓮の言葉にびっくりした顔で

劉・小狼のことを見ながら


 「本当か?……」


 と言ったが劉・小狼らは孔游から顔を逸らした。

 そんな劉・小狼らのことを見ていた孔游の玉座に

座っていた月影は


 「その子(水蓮)が言ったことは本当じゃ……

その者(劉・小狼)らがその子(水蓮)を街の豪商の息子から

救うのをわしも見ておったぞ……」


 と孔游にそう言った。

 姪っ子の水蓮が劉・小狼らに助けてもらったことを聴かされ、

孔游はどうして良いのかわからず、困っていると


 「孔游さま。大変です!……」


 孔游の配下・狭嬌さきょうが慌てて、孔游らがいる

部屋の中へと駆け込んできた。

 孔游は自分らがいる部屋の中に入ってきた

狭嬌の尋常でない慌てように


 「ど、どうした?……」


 と慌てながら、狭嬌に訊くと孔游の前で立ち止まった

狭嬌は息を切らしながら


  「た、大変です。孔游さま…… 

蒐賽どのが1千の兵を率いて、こちらに向かって来ています!」


 と言った。


 「え? 何故、蒐賽どのが?…… 

蒐賽どのとは友好関係を結んでいるのに……」


 孔游は友好関係を結んでいる蒐賽が自分へと

兵を差し向けたことに驚いていると自力で自分を縛っている

縄を解くと劉・小狼は立ち上がると


 「おそらくは私らが目的かと……」


 と孔游らにそう言った。

 立ち上がった劉・小狼は傍に捕らわれの身の

関遼と張爛の縄を解くと真っ直ぐと目の前の

孔游を見詰めたまま、


 「全ての元凶は私らだからここから出て行きます!」


 と言い、関遼らと共にその場から立ち去ろうとした。


 「待ちなさい! 貴方らがここから立ち去っても

この地の災いは去りませんぞ! ここから立ち去るくらいなら、

我らに力をお貸しなさい。」


 月影は孔游の玉座から立ち上がると劉・小狼らにそう言い、

劉・小狼らを引き止めた。


 『えっ?……』


 劉・小狼らが驚いた顔で月影の方を振り返ると

月影を含め、その場にいる、全ての者が温かい眼差しで

劉・小狼らのことを見詰めながら、頷いていた。


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