第5章 3
仮面の男【劉閣】の脅威がなくなった劉・小狼らは
再び、風の里【国】の第4の関の攻略に取りかかった。
その頃……
空臣はやっと、刹那の配下の者と家族の者らが
監禁されている場所を突き止めた。
郭瑜から刹那の配下の者と家族の者らを救い出すよう
に命【令】を受けていた空臣は
「一気に救い出すぞ!」
手下の者らと共に一気に刹那の配下の者と家族の者らが
監禁されている場所に攻め入り、彼らを救い出し、
安全な場所に移した。
空臣らが刹那の配下と家族の者らを助け出したことを
空臣の手下の者の報告から知った郭瑜は
「一気に第4の関に攻めましょう!」
と劉・小狼にそう進言した。
関遼と張爛が手勢を率いて、第3の関を出て、
第4の関に攻めかかろうとするとそれを第4の関から
見ていた忌航は
「刹那。出番だ!」
近くにいる刹那に出陣命令を出した。
だが、前もって、空臣の部下から自分の家族と
配下の者らを助けたことを知って、
約束通りに劉・小狼らに寝返るために
「今回は忌航殿、自ら出陣しては 如何でしょうか?」
と忌航にそう言った。
忌航も刹那のことを疑っていたから
「よし! わし、自ら出陣しよう!」
と言い、第4の関の殆どの兵を連れ、
攻めてくる関遼と張爛に向かっていった。
関遼と張爛は前以て、郭瑜から指示を受けていた通りに
忌航の前で立ち止まった。
突然、自分の前に立ち止まった関遼と張爛を
忌航は怖い顔で睨み付けながら
『これは何かの罠か? 罠だといけないから
ここは刹那に援護をしてもらうか?・・・』
第4の関の中にいる、刹那に合図を送った。
合図を受け、第4の関の城門の上に現れた
刹那とその手勢は忌航の前に立ち止まっている
関遼と張爛に向けて、弓矢を構えた。
「やれ!」
刹那は手勢に合図をし、矢を放った。
だが、刹那の手勢が放った矢は全て、関遼と張爛の兵じゃなく、
仲間であるはずの忌航の兵らに降り注いだ。
忌航は降り注いでくる矢の雨を交わしながら
「刹那! 何のマネだ!」
というと刹那は自分らの放つ、矢の雨を懸命に交わす
忌航を怖い顔で睨み付けながら
「これから我は劉・小狼軍に付く!」
と言い放った。
驚く忌航は刹那を見ながら
「ち、血迷ったか! お前の家族と配下の者らが
どうなっても良いのか?……」
というと張爛は高笑いをしながら
「あいつ【刹那】の家族と配下の者らは 俺達が
すでに救い出したぞ! もはや、お前【忌航】に
勝ち目がないぞ! 降参しろ!」
と忌航に言った。




