第4章 26
空臣らの姿を見た郭瑜は
「助かりました! もしかして、あなた達が陰ながら、
私らのことを今まで助けていてくれたのか?」
と空臣に尋ねると
「ええぇ…… まぁ…… ですが、あの第3関にいる刹那は
正攻法では攻略不可能でしょう…… 何か、別の手を
お考えないと……」
空臣は郭瑜にそう進言した。
郭瑜は周辺の地図を見ながら、
「それはわかっているのだが…… 攻める手がなくて……
第4の関を手に入れることができれば……」
と言った。
郭瑜が第2の関で刹那がいる第3関を攻める
計画を立てている頃……
「さて、これからどうするか?」
刹那も取られた関所を取り戻すべく、思案をしていた。
だが、すぐに何かを思いついたのか、刹那は第3の関に
数人の兵を残し、手勢と共に何処かへと動いた。
攻める手が浮かばなかった刹那の手を探るために
張爛と趙燕に第3の関を攻めさせた。
だが、幾ら、張爛と趙燕が第3の関に近付いても
刹那の手勢も伏兵も攻撃を仕掛けて来なかった。
張爛と趙燕が第3の関に攻めかかろうと
近付いている頃……
刹那とその手勢は雷神丸と蒼琥が護る第1の関に
迫っていた。
それに気付いた護り兵が
「た、大変です! この関に敵が迫っています!」
慌てて、雷神丸と蒼琥のもとにやって来た。
刹那とその手勢を見た雷神丸と蒼琥は
「ど、どうしよう?……」
と慌てていると
「お、落ち着くのだ! まずは 雷神丸殿は
門を護ってください。 蒼琥殿は弓矢部隊を従えて、
門の上から敵を威嚇してください」
雷神丸と蒼琥の前に現れたのは劉・小狼の息子の劉亮が現れ、
雷神丸と蒼琥に的確にそう指示をした。
「さあ。一気に第1の関を取り戻せ!」
刹那は引き連れてきた軍勢にそう号令をかけ、
雷神丸と蒼琥が護る第1の関へと攻めかかろうとしたその時……
劉・小狼の息子・劉亮の号令のもと第1の関の門の上に
刹那らのことを待ち構えていた蒼琥が手勢と共に
「敵を殲滅せよ!」
と刹那らに向かって、矢の雨を降らした。
突然の抵抗に刹那が連れて来た軍勢らは混乱し、怯んだ。
「怯むではない。第1の関を取り戻せ!」
刹那は怯む軍勢らにそう号令をかけるものの、
軍勢らは混乱をし、怯んでおり、まるで使いものに
ならなかった。
「このままだと全滅をする!」
刹那は第1の関を攻め落とせぬと思うと軍勢と共に
第3の関に戻った。
刹那が第1の関に攻めてきたことを知った郭瑜は
第3の関を攻めるのを中止すると張爛と趙燕を
第1の関に向かわせた。
だが、張爛と趙燕が第1の関に駆け付けた時には
すでに刹那とその軍勢の姿はなかった。
完全に劉・小狼らは刹那、一人に翻弄されていた。
「また、あの者【刹那】にやられた!」
郭瑜は刹那、一人に翻弄される事に苛立っていた。
「ただいま、戻りました!」
何処かへと行っていた空臣が郭瑜のもとに戻ってきた。