第4章 23
龍炎国の都の周辺の防備を関遼らに任せ、
郭瑜は劉・小狼を伴い、元風の民の軍勢が
開墾した村に訪れた。
「これはすばらしい村じゃ……」
見事に開墾された土地に劉・小狼が感心していると
「これは劉・小狼様と郭瑜様ではありませんか?……」
村の中から一人の男・空臣【くうしん】が現れた。
突然、自分らの村にやって来た劉・小狼と郭瑜に空臣は
「どうしました?……」
と郭瑜らに聴いてきた。
「じ、実は?……」
郭瑜は仙鵠が再び、不穏な動きをしている事に
空臣に伝えた。
郭瑜から再びの仙鵠の不穏な動きの事を聴いた空臣は
少し驚いた顔をしたものの、すぐに冷静な顔で
「で…… 我らにどうしろと?」
と劉・小狼らにそう言った。
郭瑜は険しい顔をしながら
「貴方らを前線に置き去りにした仙鵠殿に
復讐はしたくはありませんか?」
と言ったが空臣は村にいる、元風の民の軍勢らを見ながら
「いいえ…… 我らにもうそんな気持ちはありません!
ですが、劉・小狼様らが我らの力を必要とあれば、
ご協力を致しましょう!」
と言った。
それを聴いた劉・小狼は
「郭瑜。もう良い! この者らはここで平和に暮らしておる。
邪魔をするのではない! 帰るぞ!」
というと郭瑜と共に空臣らの村から立ち去った。
劉・小狼と郭瑜が龍炎国の都に戻ってくると
すでに戦の準備が整えていた。
先陣を関遼と張爛とし、その後を趙燕らで固め、
本隊を劉・小狼が指揮をし、全体の統率指揮を
郭瑜と龐悦に執らせた。
舜炎帝と孫嘉を龍炎国の都に残した。
「さあ。イクゾ!」
劉・小狼の号令と共に仙鵠と堯閣帝がいる
風の里【国】へと向かって、出陣した。
劉・小狼らの軍勢が風の里【国】へと入る為の
第一の関所を攻撃をしようとしたその時……
ぎいぃぃ……
という音と共に風の里【国】の第一の関所は開いた。
風の民の里【国】の第一の関の門が開いている事に
不振を抱いた龐悦は
「これは何かの罠かもしれません?」
と進言した。
確かに怪しいと思った郭瑜は
「……なら、偵察してみましょう!」
と言い、第一の関に偵察兵を向かわせた。
暫くすると、偵察に向かった兵が
劉・小狼らのもとに戻ってきた。
偵察の兵が言うには
「護りの兵はすべて、牢屋に捕らわれています!」
と言った。
風の里【国】の第一関に入った劉・小狼らは
「次の第二の関をどうやって、攻めましょう?」
と話し合った。
考えた郭瑜と龐悦は正攻法で第二の関を攻めるのは
危ないと
「二手に分かれて、第二の関を攻めるのが宜しいかと……」
と龐悦が劉・小狼に進言すると続けて、郭瑜が
「関遼殿と張爛殿にその役を任せるのが最適だと……」
と更に進言した。
関遼と張爛だけでは不安だった劉・小狼は補佐役に
蒼琥と雷神丸をそれぞれを付け、第二の関へと向かわせた。