第4章 22
劉・小狼らが舜炎帝と共に岩厳城に戻ってくると
堯閣帝が率いる軍勢は岩厳城のすぐ近くまで迫っていた。
堯閣帝の軍勢を見た途端、舜炎帝の側近の兵は
堯閣帝の軍勢と対峙するように堯閣帝の軍勢の前に出た。
舜炎帝の旗を見た途端、今まで勢い良く、
劉・小狼らの岩厳城に攻めかかろうとしていたが
その動きが途端に止まった。
「どうしたのだ? お前達。 早く、その城を
攻め落とさぬか!」
堯閣帝は動かなくなった兵にそう急き立てたが
堯閣帝の兵は進むどころか、舜炎帝の旗を恐れるように
後ずさりを始めた。
堯閣帝の兵が堯閣帝の命令を聴かず、
その動きを止めたのを見て、舜炎帝は岩厳城の城壁の上に
劉・小狼らと共に現れると
「今こそ、攻め込め!」
前線で堯閣帝の兵と対峙している舜炎帝が共に
連れて来た側近の兵にそう号令した。
舜炎帝の号令を聞き、側近の兵は3方に別れると
両脇と正面から一斉に堯閣帝の兵に襲い掛かった。
統制の取れた舜炎帝の側近の兵に崩れ、
統制が取れなくなった堯閣帝の兵は手も足も出ず、
撤退するしかなかった。
龍炎国の都に逃げ帰った堯閣帝だったが
劉・小狼と舜炎帝の動きは止まらなかった。
堯閣帝が龍炎国の都に逃げ帰ったことを知った
仮面の男【劉閣】は堯閣帝が逃げ帰った龍炎国の都に
軍勢と共に攻めかかった。
だが、仮面の男【劉閣】の軍勢も舜炎帝の旗を見ると
途端にその動きを止めた。
仮面の男【劉閣】も舜炎帝の旗を見ると
「これはやばい!」
途端に自らの軍勢を領地へと戻った。
龍炎の都を舜炎帝と劉・小狼の連合軍に取り囲まれた
堯閣帝は風の里(国)の仙鵠に助けを求めた。
堯閣帝の援軍要請に仙鵠は直ちに精鋭部隊を整えると
堯閣帝がいる龍炎国の都に向かった。
だが、仙鵠が龍炎国の都に辿り着くとすでに龍炎国の都は
舜炎帝と劉・小狼らの連合軍により、落城寸前だった。
『ここはもう無理だ!』
すぐに仙鵠は軍勢と共に自分の領地へと戻った。
仙鵠が大した戦もしないまま、退却して行ったのを見て、
『もはや、これまでか……』
堯閣帝は龍炎国の都の護り兵を残し、
一人だけで龍炎国の都から逃れ、仙鵠の領地へと向かった。
劉・小狼らは龍炎国の都に入城した。
劉・小狼らが舜炎帝の力を借りて、龍炎国の都を
手に入れたことで仮面の男【劉閣】は容易く、
劉・小狼らの領地に攻め入ることができなかった。
暫くは仮面の男【劉閣】は一先ずは状況が好転するまで
舜炎帝と劉・小狼らの側に付くことにした。
だが、仙鵠の領地に逃れた堯閣帝は仙鵠と共に
龍炎国の都を攻めようと企てていた。
だが、その企てを詠んでいた郭瑜は先手を打った。