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EVOLNOA  作者: 虚構人


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プロローグ


真っ暗な部屋に1人の男が椅子に座らされ縛られて拘束されている。頑丈に固定され、目は隠されている。


 部屋の温度が低いのか身体が震えている。


「…ふぅふぅ」


 声は低く震えており段々と吐息は荒い呼吸に変わる。どれくらいの時間、縛られているのかは分からない。


「…………」


声を出そうとしたのか口を開いたがすぐに閉じてしまう。


 この部屋には男を縛っている椅子以外に何も無い。周りに誰かがいる訳でもない。窓、扉、通気口など全くない──完全な密室だ。


「……帰りたい」


ふと男から声が漏れた。


「……」


この状況で寝息が部屋に静かに響く。どうやら寝てしまったようだ。縛られている状態でも睡眠は可能なようだ。


◆◆◆


それから数時間が流れた。状況は変わっていない。まだ男は寝ている。


 すると、この部屋の外から軽い音が微かに聞こえた。同時に男が目を覚ます。音は近づいてきている。だが少したら音はピタッと止んだ。


男の頬から汗が流れる。緊張による焦り、もしくは恐怖か。と、その時だ──


ドカーン!!


とてつもない爆発音と衝撃が走り、椅子ごと身体が跳ね上がった。耳鳴りがして、周囲の音が聞こえなくなる。


何か叫んだ気がしたが、自分の声は聞こえなかった。


粉砕された壁の向こうから煙が流れ込み、目隠しの奥まで白く染まる。その奥で、人影が浮かび上がる。


やがて人影は1人の人間に変わる。


 その人間は目の前の縛られた男をじっと見つめる。何すぐに駆け寄り縛られた男の拘束を一つ一つ解いていく。


男は目の前が見えないのか恐怖で声が出ないが、解放されていくのは体が軽くなっていくので感じている。


そして最後に目隠しが外された。目隠しが外されると男は目を見開いた。


 視界の先には女の子が立っていた。


男は言葉を失ったように固まる。そして


「久しぶり…父さん」


女の子はそう口にした。男はそのまま娘を抱き寄せた。

強く腕を回しながらも、どこかためらうような手つきだった。同時に声が溢れる。


「ありがとう……ノアっ……っ」


ノア、娘の名前だ。


男はそのまま娘を離さなかった。ノアも離れようとはしなかった。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


数分してノアは男の腕をほどき、一歩引く。すると、壊れた壁の方から大きな音がした。ノアは壁の方へ一瞬見るとすぐに振り向き口を開く。


「さて、感動の再会はここまでだよ。まだ”安全”ではないからね」


男はその言葉に一瞬驚くがすぐに頷いた。


「あぁ、まずはココから出ないとな」


 男は立ち上がり軽く身体を捻る。ノアはバックパックから上着を取り出し男に渡した。


「コレは……」


そう言いながら受け取った上着は、想像よりもずっと重かった。


 厚手の布地は冷たく、だが不思議と安心感がある。

風を通さず、簡単には破れそうにない。肩と肘には補強があり、内側には道具を仕込めそうなポケットがいくつもあった。


「今着てるものは、使えないよ」


ノアの一言に男はきている服を見るが確かにボロボロになっている。


 続けてノアはバックから取り出し男に渡した。そして


「私は外の状況を見てくるから準備できたら上がってきて」


ノアはそう言って、先ほどの壁の方へ消えていった。男はノアの向かった方をよく見る。そこは上へと続く階段がある。どうやらここは地下らしい。


男はすぐに着替え始め、渡された物資を見た。


「わざわざ運んでくれたのか…」


それは医療用品や着火具に加え、護身用の銃と弾薬が含まれた、生存対応の装備一式だった。その中に名札があった。そこには


 ナード・ガース


と書かれていた。


「……」


男の名前だ。男はそれを強く握りしめポケットにしまう。


 そしてナードは一呼吸するとすぐに部屋から出て、階段を駆け上がった。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆

一章


 依頼を受けた時点では、引き返す事ができた。少し迷ったがそれでも男は依頼された目的地へと足を向けた。


道中でその男──ナードは時折周りを確認する。


通り過ぎていく建物は全て半壊状態で、いつ崩れてもおかしくない。そんな所をナードは一歩一歩進んでいた。


外はとっくに暗くなっており懐中電灯で照らす道だけを慎重に進む。依頼主の情報だけでは簡単に考えていたがその目的地に向かう途中で必ず通らなければならない施設がある。


その施設内の地下こそが目的地だった。


「はぁはぁ……」


少し休憩して瓦礫が積まれいい感じに屋根となっている所で一呼吸をおく。すると施設の輪郭が辛うじて確認できた。


(もうここまできてたのか……)


そしてもう少し歩くと大きな壁が建てられていた。施設を囲む壁だろう。懐中電灯で照らすと僅かだが光が反射している。

前日まで雨が降っていたのか分からないが施設を囲む壁に雨水が滲んでいた。


壁沿いにそって歩いていく。

 

 壁に手を当てながら進んでいるとパッと手が離れた。すぐに手の方を懐中電灯で照らす。


そこには入り口ではないが、壁に人1人が入れるほどの穴が空いている。ナードはその穴のすぐ下を確認する。そこには足跡があった。人の足跡だろう。


ここでその穴の周りを照らすナード。


すると乱暴に《✖️》と壁に描かれていた。


(ここはダメだな)


ナードはまたすぐに歩き出した。進む度に入れるほどの穴があったがその全てに《✖️》と描かれていた。


ナードの表情はどんどん悪くなる。


時折、壁を懐中電灯で確認する。マークがあるかの確認だろう。ふと、ナードはピタッと足を止める。


懐中電灯で照らす先には《○》と描かれてあった。だが壁に穴は空いてない。ナードは注意深く側面を確認する。


よく見ると壁にヒビが入っている。元々、至る所にヒビは入っていたが、このヒビは○と描かれている所からヒビが伸びていた。


ナードはそれが分かると腰から短柄のピッケルを抜き、○の位置に合わせてカンッと少し強く叩く。


「……よし」


見事にヒビの入っていた箇所だけが崩れそれは綺麗な四角い穴となった。それも丁度ナードぐらいの人間が入れるほどの形だ。


(すごいな……どんな調整したら、こんな綺麗になるんだ?)


ナードは少し関心深くその穴を見ると、ハッとして足元を気おつけながら施設内へと入っていった。


それから少し進むと施設の全貌が見えた。何事もなく施設の前まで来たナード。


(やっぱり施設内部が本命か……だとしたらここからが本番だな)


施設は他の建物と同じく半壊していた。壁は所々ヒビが入っており崩れかけている屋根を見れば内部の状態も大体は予想ができる。


ナードは崩れている所から半壊施設へ侵入した。が、すぐに足を止める。


 内部は外と変わらず真っ暗だ。床は湿った草木に覆われているが踏みしめた感覚は金属のように硬い。ヒビ割れた所から生えているんだろう。


照らす周りの壁はツタが伸び施設内部は植物に侵食されているかのようだ。


それでも懐中電灯を頼りに慎重に進むしかない。


宜しければ指摘などあればお願いします。SFって結構難しいので、読みにくいとかあれば、ぜひ!

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