表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/13

02 王国で勇者面倒って言ったらつかまっちった☆

「――よく来たな。異世界の勇者どもよ」


デブいおっさん(サイズが合っていない王冠を乗せている)が目の前にいる。

こいつが私たちを召喚したやつだ。

名前は……何だったかな……


「余の名前はババッテ=ゴルディベン125世であり、ゴルディベン王国の国王である。それでは君たちにはこれから、勇者として世界で戦っていくためのスキルと身体能力の訓練をしてもらおう」


そうだ! ババッテ=ゴルディベンだ! でもスキルと身体能力の訓練?……面倒……

というわけで挙手。


「なんだそこの、珍妙な格好をした女」


珍妙て……確かにジャージは不思議だとは思うけどさ……

珍妙は酷くないか? じゃなくて!


「――勇者とか面倒なのでパスで♪」


「―――は? なんだと……?」


え? なんかまずいこと言っちゃった?

……まあ当たり前か。面倒だから勇者やらないなんて。

というか、クラスメイト達が睨んできてるんだけど何で? 私になんか私怨でもあんの?


「おい、衛兵! 今すぐそこの魔王の手先を連れていけ! 牢獄にな! 見張りをしっかりつけろよ!」


えー……まじか……正直に言っちゃたら、こんな反応に……設定してたな。

まあ、衛兵ごとき――というかここらにいる奴ら全員私のスキルにかかれば一瞬で倒せちゃうけど、それはなんかつまらないので。


けど、両腕つかんで足を引きずっていくって……地味にかかとが痛くなることするなぁ……あのー? マジで痛いんですけどー?


ガシャン!


「ほら、お前の処置は後で決まるからおとなしくするんだぞ!」


「にゃーん」


問答無用で牢屋の中に投げ入れられる。

痛いなぁ……全く……かかとも痛いし……とりあえず、ここから脱出するのが優先……


「――ステータス『睡眠』を消費、代わりに個体名……名前は……ベルフェゴールでいいや、に破壊の力をもたらせ」


小声で、スキルを使うための言葉を言うと、両手が赤黒く染まる。

この両手は、触れたものをすべて破壊していく、私のスキル【怠惰】の権能だ。

スキルについての解説をしたいのは山々なのだが、今は脱出することが優先のため、今度にしよう。


「衛兵さーん。これ私ってどうなるんですかねー?」


「さぁな? 知らんぞ――ぐはっ!? 貴様……な、にを……」


牢屋の鉄格子を左手で壊し、ちらりと見えた衛兵の鎧に右手を触れさせると鎧が崩壊していき、衛兵は倒れる。

大丈夫。殺してはいないから。うん。さすがに殺すのには抵抗あるしね?


「なんの騒ぎだ!」


「あ、やっべ、敵が増えちった☆ ま、全員相手するのも面倒だし――ビバ逃亡!」


せっかく開けた牢屋の鉄格子からではなく、牢屋の中の壁の石レンガを破壊し外に出る。

牢屋の場所は一階のため痛みなどは感じずに脱出することが出来た。

とりあえず、市民に紛れ込もう。

服装は……あ、いつの間にか変わってる。


先程まで黒ジャージだったのが、スキルを使ったことでなのかは知らないが、露出多めの絶対防御が施された服装だった。

動きやすくてなおかつ装飾はあまりないため、着やすそうでいい感じだ。

まさに引きこもりの思考を把握した服装だ……じゃなくて!


「ステータス『覚醒』を消費。個体名ベルフェゴールに創造の力を」


今度は逆に手が青白く光る。

手のひらから浮き出した魔法陣から黒の布作られる。その布をローブ代わりに身にまとい、さっさと王国を脱出しよう。


そういえば、ベルフェゴールの由来は怠惰の悪魔である。

うん。自分の性格に適してるし。種族も大罪スキル【怠惰】を手に入れた瞬間悪魔になってたし。

そんなことを考えながら私は城門に向かっていくのであった。


                  ◇ ◇ ◇


城門でひと悶着あったが無事に、国外へと出ることが出来た。

これからどうしようかな……うーん……そういえばもうこのゲームの主人公が私なら、シナリオが破綻してるんだよな……


私が作ったゲームでは、勇者として主人公が活躍して、最後に魔王を倒すのだが……


「この見た目はおかしいんだよな……主人公の見た目とラスボス前の幹部……アスタロトの見た目が混在してる……」


スキルを使ってからどうも様々な部分が混ざり、魔族と人間の混じったような見た目になっている。

まぁ、見た目ぐらいならいじれるんだけどね。

んー……ちょっと怖がらせそうだし見た目ぐらい変えちゃおっかな?


「てなわけで、変身っ☆」


という事で、今の私は完全に無害な人間の姿である。

武器も持ってない丸腰だし。

武器に関してはスキルで召喚できるから問題ないけどさ?


「――んーじゃあ、魔王の配下にでもなっちゃおうかな? あそこ楽しそうな組織に設定してたし」


そんなことで、今から目指すのは、魔王城『ジェノサイド・ダークネス・インフェルノ・キャッスル』というトンデモ中二ネームをつけた城だ。

ここで察しただろうが、私はいまだに中二病を患ってるぜ☆(高2のくせに……)


「ま、とりあえず魔王城に向かいますか!」



そんな感じで私は魔王城に向かっていくのだった――


これ徒歩で行くの辛いんだけど?




今、分かっていて、開示できるところまでのスキル【怠惰】の詳細


大罪スキル【怠惰】

表向きの効果:ひたすらに眠くなる。

さらに眠らなければ弱体化する。


本当は…?

眠れば眠った分だけ強くなる。

創造と破壊に優れた力を持っている(例でいうと記憶にあるものを再現したり、一定の物に破壊の力を乗せることで物体を破壊したり)

特殊パラメーター『怠惰』でさらにさまざまなことが出来る。


ついでに、表向きの効果があるのは、スキル【観察眼】というスキルを読み取ることのできるスキルから守ったり、大したことないと思わせるため。


創造の力と破壊の力については長くなるので、次話に書きます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング https://livdir.xsrv.jp/narouantenna/naroubanner.jpg
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ