11 【~幕間尋問タイム~】草原茶会~新幹部の宴から持ってきた毒入りプリンを添えて~
幕間なので実がないです。
興味ないよーって方はこの後もう一話投稿するのでそちらの方を読んでください。
チカっと視界がぼやけ、次の瞬間には見覚えのない草原にいた。
んー……眠い! スキルの効果で夜は眠すぎる!
影は……よし! ついてきてない! これで戦わなくて済む!
「……ちっ……頭打ったせいで、いてぇ……んで? どこだココは」
「……この草原の匂い的に……魔王様の治める、領地内、緑領域ですね」
「匂いなんてわかるんだ……にしても草原……緑領域? だっけ、確か、魔王城の近くだったよね?」
「はい、確かにそうですし、徒歩でいけないこともないですが……とりあえず、アレをどうにかしないとですから」
ベルゼブブが指さした方向を見ると、草の上でぶっ倒れている、マモンがいた。
え? これ生きてるよね? 死んでないよね……?
「あー大丈夫だ。こいつは数日待てば起きる」
「あっそう……ほんとに大丈夫なの?……って聞いてない……」
私の心配する言葉には聞く耳を持たず、マモンをおんぶして、どこかへ行こうとしていた。
えっ、ちょっとま、どこ行く気!?
「どこ行く気なんですか? あなた方を魔王様のもとへ案内しなければ私たちの首が死ぬんですけど?」
「あ? んなもん知ったこっちゃねーわ……ただ、マモンが行きてぇって言ってんのなら、俺は少し待ってやる」
「そうですか、ありがとうございます。では少し、お茶会をしませんか?」
「え? なんでお茶会?」
「話を聞きたいことですし……それに、ベルフェゴール。あなた眠くて立ってるのも限界でしょう? お茶会は始めないでいてあげますから、さっさと寝てください。足手まといになるので――」
「あー……確かに……もう立ってるのも限界だわ。そんじゃ、おやすみー……」
視界がブラックアウト、夢の世界へと意識は沈んでいく――
◇ ◇ ◇
「――バナナが誘拐されたっ!!」
「……何を言ってるんですか? そういえば……バナナって確か……南国のフルーツでしたっけ、とっても美味しいんだとか……」
「――バナナの皮が誘拐されたんだっけ? あれ? あ、そうだ! ペンギンが誘拐されて、サメにぎゅうぎゅうにされたんだ!」
「――何寝ぼけたこと言ってんだ……? なるほど……頭が大丈夫じゃないのか……」
「は? 誰の頭が大丈夫じゃないって? この星一周回ってきてもっかい考え直して来たら?」
「急に辛辣になるなよ……」
やっと頭がすっきりしてきた。
だいぶ寝ぼけたこと言ったような気がするけどまーいっか。
で……これからお茶会をするんだっけ? スイーツとか出るかな?
「……はい、用意はできたので、座ってくださいね」
どこから取り出したのか、白いおしゃれなテーブルと椅子が三つ置いてあった。
そして、横には折り畳み式ベットが置いてあり、そこに寝ころばされているマモン。
「あ、そうだ、紅茶は何がいいですか?」
「普通のミルクティーでいいよー」
「オレもか? オレは何でもいい。つーか、それより、話が聞きてぇんだろ?」
「いいんですよ。私も紅茶が飲みたかったので、それに話はお茶とお菓子があった方が弾むでしょう?」
てなわけで、お菓子(ケーキやらマカロンやらスイーツ類)と紅茶をたしなみつつ、尋問……じゃなくてお茶会が始まった。
「では、あの影が何かは分かりますか?」
「あの影か? あぁ、アレは何もんか分かんねぇ、【強欲】スキルは情報系に割と特化してるんだが……この茶うめぇな……」
「…あぁ、それはオリジナルの茶葉を組み合わせて作った特製の紅茶ですからね、ところで情報系に特化とは?」
「あれでしょ? 自分が欲しいとか気になるとか、そんなことを思ったものだけ、詳しく知れる――的なやつでしょ? あ、そのプリンずるい」
「なるほど……なんでそんな詳しく知ってるんですか? あとこのプリン、新幹部の宴の時に拝借してきた、毒入りプリンなので食べない方がいいですよ。あ、美味しい」
えぇ……毒入りなのに何で食べれんの?
……まぁ、ベルゼブブだしいっか……にしても毒耐性……あった方がいいけど……まぁ……それはそれで……
「あ、そうだ私も一つ気になることがあって、グリードって、武器だよね? なんで実体化してんの?」
「ん? それはマモンの『願い』に答えた結果こうなっちまったってわけだ。『願い』は聞いてやらねぇと、すねるからな、アイツ……」
どこか懐かしさをにじませながら、遠くを見つめるグリード。
それにしても『願い』……ねぇ……? なんて設定してたっけな……?
ま、そのうち思い出すか!
疑問は放り投げ、お茶会の続きをする。
この後は、たわいのない会話や質問などが繰り広げられ、尋問ではなく、ただの会話になっただけなので割愛させてもらおう。
「これからどうするの? 魔王様に報告しに行く?」
「えぇ、それがいいでしょう。おそらく魔王城には入れるようになっているはずでしょうし……」
「へぇへぇ、オレも特に異論はねぇよ」
かくして4人は魔王城に戻ることにしたのであった――
◇ ◇ ◇
帰りはもちろん空飛ぶカード!
「レッツゴー! びゅーん!」
「は? ちょ、お前何を!?」
「はぁ……これが平常運転なので気にしない方がいいですよ……」
「面白かった!」
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いやー……なかなかのトラウマを植え付けられたイカれたゲームだったぜ……DDLC(ドキドキ文芸部)……