01 神に与えられしスキルを授かる(ゲーム世界に転移した)
「……よく寝た……今は……12時? じゃない過ぎてる……」
現在時刻十二時(ちょっと過ぎ)。
現役高校生が起きていい時間ではないが、不登校児の私――瑠堕 莉愛が起きるのは基本的にこの時間だ。
私には両親がおらず、孤児院暮らしだったが、孤児院のパソコンを使わせてもらい趣味で適当にフリーゲームを作っていたら以外に大好評で、商品化。
そして、大量のお金が孤児院に入ってきて、そのお金で今では、一人暮らし用の家がそれぞれにあるほどのお金を儲けることが出来た。
その後も、フリーゲームを作って今では一生引きこもっていても暮らせるほどのお金が手に入った。
今日は、私の作った新作フリーゲームの配信日だ。
ゲームの内容は主人公が異世界にクラス転移し、そこで勇者として戦っていく実にありがちな王道の物語だ。
「さて、さっそく公開しよう!」
意気込みながら、パソコンの前に座り、ゲームの公開ボタンをクリックする――
クリックした瞬間に画面が白く染まったままフリーズする。
あれ? 壊れた?
「あれ? おかしいな……データとか飛んでないよね……?」
再起動ボタンを押してみるも動かない。
これ完全に壊れてるな……スマホの方で公開中止のことお知らせしよう。
そう思った時、PCの画面が青白く光り始め、そちらに意識を向けた瞬間――
「これで全員がそろったようじゃな。我はこの世界の創造主――お前らのところで言う神というものだな」
――え?
あれ、そうだ私は……パソコンの光に当たって、画面の中に引きずり込まれて……
そして現在。白い空間に来ていた。
周りには、20人ほどの人がいた。えっと……クラスメイト……かな(多分)?
目の前には白い筋骨隆々のおっさん――自称神だ。
「さて、君たちを集めた理由は異世界で世界の危機である魔王を倒してきてほしいのだ。現地の人間では太刀打ちが難しく、巨大な力を持つ異世界人が必要になるのだ」
は……え? いや待って? このセリフは……いやでもあり得ない……漫画やラノベじゃあるまいし……偶然でしょ。ゲームのセリフとまんま同じなのも……
というか話の流れ的に拒否権なしで、私たちは異世界に勇者として召喚されるらしい。
えー……? 私勇者に確実に向いてないって……
性格は怠惰で、やる気の起きることもしくは、趣味しかやらない。見た目は可愛くもカッコよくもない。胸囲に関してはまな板並みだ。
さらに今の服装は動きやすさだけを追求して、ジャージ(黒)
こんな勇者がどこにいますかね?
「そんなわけで、君たちには世界の理の力、【ユニークスキル】を授けようではないか! 目の前にある本にはこの世界のスキルがすべて表記されている。そのスキルの表記の中から光っている物を見つけ選ぶがよい! しかし、神の理を破るスキル『大罪スキル』が輝いていたものは即刻私に言え」
……これは……この話の流れと目の前に出現した一冊の分厚い本で確定した。
ここは私の作ったゲームの世界だ。それに大罪スキルも……
この時主人公は、ユニークスキル【勇者】を選択するのだが……
実は私は裏ルートを設定していた。
勇者ルートと魔王軍ルート。
名前の通りどちらの陣営に所属するかで結末の変わる形にしようと思ったのだ。
しかし、魔王ルートは軽く設定とかマップを練ってデータを消した。
そうすると公開しようとした日時に間に合わなくなるからという理由で。
……でもここはゲームの世界じゃない……それなら、私の設定したスキル以外のスキルが選べるのでは――?
パラパラと本をめくっていくと、最後のページにいつの間にか到達していた。
……そのページだけは禍々しく危うげな雰囲気を漂わせている。
意を決してページを開くと、赤と黒で禍々しく彩られたページだ。
「――っ!」
その文字列の中に、黒く、妖しく輝いている文字――
「大罪スキル……【怠惰】……」
効果を確認できたため、効果を確認する。それは私の性格と相性のいいスキルだった。
自称……いや神を盗み見る。別のやつに質問をされていて気づいていない。
軽く、文字に触れた。
それだけで、このスキルは私のものになる。
そうして誰にも悟られずに私は自分のゲーム世界で、神の禁忌に触れる危険なスキルを入手したのだった――
◇ ◇ ◇
「さて、皆が、スキルを集めたようだな。ならば、さっそく皆を支援してくれる王国に召喚しよう。
それでは、達者でな」
足元に出てくる、魔法陣。
それが私たちを包み、王国とやらに飛んでいく――
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