愛
「今日は体を拭いてねるっす。お湯と布は用意しておいたので使ってください。」
なるほど、これが風呂とシャワーの代わりなのね。
俺は上半身を脱ぎ体を洗った。この文明だと、こういう感じなのか。
「ええっ。」
俺の前でニケも体を洗い始めた。まるで俺などいないかのように。
この国の文化なのか。それとも何かのセックスアピール??
俺は汗を拭いて横になった。
「お休み」
ひょっとしてこの国は男は女の家に泊まるとセックスオーケーとかないよな。なんで今まで気が付かなかったんだ。俺は急に怖くなる。この世界の女たちは今日一日でわかったように狂暴なんだ何をされるか分かったものではない。
「おやすみっす」
ニケはくるっと犬のように丸くなって眠る。杞憂だったのだろうか。この世界のルールを俺は知らなすぎる。明日から街を色々見て回ろう。俺は未婚指輪を見つめた。未婚指輪か……。
「ニケ。」
「どうかしましたか?」
「床で良いのか。なんか悪い気がするんだけど。」
「慣れてますから平気です。」
「俺が悪い気がする。ベッド広いから一緒に寝ないか。」
「えっ」
ニケは耳をピクンと動かしてこっちをみる。
「ええっそんな。」
かッと顔を赤くしてこっちを見るニケ。下着の胸の部分を隠しながら首を横に振る。
「恥ずかしいっす。」
「ニケは付き合ったことないのか?」
「無いっす。」
俺はベッドに座りポンと横をたたく。
「とりあえずここ座んなよ。」
「いいんですか」
そういうと恐る恐る横にちょこんと座るニケ。下着から見える胸は意外と大きいDカップ位ありそうだ。小柄なのに立派なものを持ってらっしゃる。
「ベッドも小さくないし一緒に寝れると思うんだけど。」
「ええっでも。」
「俺じゃ不満か?」
「とんでもないっす。自分が恥ずかしいだけっす。」
「男の人とか初めてだし。」
「そうなのか。じゃあ一緒に寝よう。」
「わけわかんないっす。」
「いいから。」
俺はそう言って奥にずれてニケを手前に寝かせる。二人寝るスペースはギリギリある。
「緊張してるな。」
「はい」
「今日は止めてくれてありがとうな。」
「なんでお兄さんはそんなに優しいんですか?」
「俺がそんなに優しいか??」
「今まで出会った男性は、チビとか雑魚とか、金よこせとしか言ってくれなかったっす。」
この世界の男はどんな倫理観をしているのだろう。基本持てるので調子に乗っているのだろうか。
「俺は普通だけどな」
そういってニケを抱きしめる。
「ええっ」
「嫌か?」
「いっ嫌じゃ無いっすけど……。」
「じゃあいいじゃん」
俺もニケと同じだ。日本で女性とデートまで行っても、生理的に無理とか、スペック低すぎとか言われてたもんな。なんかそんな自分と重ねてしまい。ニケに親近感を感じてしまう。
「胸触ってもいいっすよ・・・・・。」
「いいの?」
「ケンタさんならいいっす。」
俺はそっと胸に手を伸ばした。彼女の胸は想像した万倍も柔らかく優しかった。
「どうです?」
「すごく柔らかい。指が吸い込まれるようだ。」
「なっ」
「ニケこっち向いてくれよ。」
「こうすか。」
クルっと回ってこっちを向いたニケと目があう。目が大きくて可愛らしい。顔が赤い少し照れているんだろうか。
「照れてる?」
「……。」
「ケンタさん。私に……。」
カアっと顔が赤くなる。
「そんな急に……どうした。」
「ニケに愛を頂けないでしょうか?」
愛をいただく?どういう意味だ?
「愛をいただくというのは……。この国ではどういう意味なんだ。」
「つまりその、まぐわいというか……駄目でしょうか。」
「嫌とかそういうのではなくて、なんかこう早いというか。本当にいいのか。」
目を背けコクリとうなずくニケ。日本人も異世界人も愛を求めている、そこだけは変わらないんだな。
「愛……か……。」
俺はそのままニケの唇を奪う。最初ニケはブルッとしていたが俺をぎゅと抱きしめる。俺も抱きしめ返す。ニケの体温が体から伝わってくる。
「あったかい。」
「幸せっす。今までで一番幸せっす。」
「大げさだな。」
「自分は一生こんな幸せないと思ってました。」
「大げさだな」
「ホントっすっよ。」
俺たちはお互いの体をなで合いながら一晩過ごした。
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