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きっと―僕が翔る―  作者: 紗都
3/3

ダメダメですか?

 炊飯器を開けてご飯をほぐし、冷凍庫から鮭を出してグリルで焼く。

 次に昨日網を探していた時に発見した、フライパンに仕切りがあり、3つのおかずが一度に作れるフライパンを取り出す。一番右でウインナーを焼く。真ん中で卵焼き。左でほうれん草とベーコンを炒める。

 今日は月曜日。学生じゃない人は仕事なのでお弁当を頼まれた。お弁当を作るのは久しぶりのことだった。何をいれて、何品作ればいいのかわからない。これが毎日続くとなるとレパートリーが思いつかない。あとシンプルに人が多い。大家さん、田辺さん、田城さん。あと2、3日したら学校もスタートするので二人増える。

「は~」ため息が出る。

 起きたばかりで寝癖まみれのボサボサヘアーの田城さんが入ってきた。

「今日朝ごはん。いいや」

 と冷蔵庫を開けて飲み物を取り出す。

「了解です。どうしたんですか?」

「うーん。なんかだるいんだよね」

「大丈夫ですか?」

「たぶん?私、元から体弱いからさ。よくあるんだよね」

「熱は測りましたか?」

「大丈夫。たぶんないよ」

「今日は休んだらどうですか?」

 顔を覗き込む。

「顔色悪いですよ」

 田辺さんに近づく。

 びっくりした顔をされ、

「近いわよ。離れて。料理焦げるよ」

 とデコピンをされる。

 この前のより痛くなかった。 

 料理に目を戻す。

 大体の料理は焦げてなかったが、真ん中の卵焼きだけは少し焦げてしまった。

「ほら、言わんこちゃない」

「大丈夫ですよ。まだ一層目ですから隠せます」

 卵焼きの二層目を入れる。

「へぇ」と気味悪く笑う。

「仕事はどうするんですか?」 

「行くよ。わかってないね。大人には体調が悪くても、無理してでもやらなくちゃいけない時があるの。私はダメダメでそこら辺いる人より下っ端なんだからやらなきゃいけないんだよ」

 と、お茶を入れたコップを持って行ってしまった。

 料理を再開をする。

 本当は力ずくでも止めた方が正解だったと思う。

 けどそこまですべきなのか。自分の立ち位置がわからない。

 それに田城さんの言う事も合っているんだと思う。無理をしてでも頑張らなくちゃいけない時があるんだと思う。

 その頑張りのお陰で夢が叶ったり大事な時間だったりするんだと思う。


 朝ご飯を作り終えて、住人を呼んだ。

「恩道さん。由美はどうしたんですか?」

 多地さんが不安そうな顔をして聞いてきた。

「田城さんはなんかお腹空いてないらしいです。あと、少し体調が悪いらしいです」

「もう、あの子たら。髪乾かさずに寝るから」

「でも、仕事は行くって言っていたんで大丈夫だと思います」

「恩道さんってもう少しものわかりいい人だと思ってた。あの子、頑張るのはいいんだけど頑張り過ぎなのよ。まあいいわ。止められないし。お弁当は食べやすいものにして。あと本当にヤバそうだったらなんとしても止めて」

「…わかりました」

 やっぱり間違いを選んだんだ。けど仕方ない。

「おい、若者。玄関においてある野菜を隣に届けてくれないか?」

「わかりました」

 大家さんは相変わらず『若者』と訳のわからない呼び方で呼んでくる。颯人になんでかと聞いたら『気分じゃない?』と適当に答えられた。

「あと今日の夕飯に呼んでおいてくれ。まあ言わなくても来る気がするが」

「わかりました。なんかごちそう作ったほうがいいですか?」

「いや、普通でいい。肉じゃがとかでいいだろう。ただ藍翔の顔をみたいだけだ」

 少し偉そうそうだった。

 大家さんは和尾さんのこともまるで住人のように大事にしているみたいだ。ただの美形のニートのようにしか思えないがそれなりの事情をかかえているみたいだ。

戸村「肉じゃがか。昨日の残ってるものはどうするんですか?」

大家「お前の店で売ればいいだろう?」

戸村「え?メニューにないものなんて売れませんよ。しかも素人の物なんて売れません」

多地「お客さんも常連さんが多いんでしょ。たまには違うもあっていいじゃないの?」

 声のトーンが少し尖っていた。

戸村「霞ちゃん酷くない?だいたいうちに来る客は俺のカレーを食べに来てるんだよ。飽きないから来てくれるんだよ」

多地「そうなの?知らなかった」

戸村「知らないなら言わないでよ」

大家「戸村がダメなら隣の家にあげればいいか」

 と独り言のようにポツリと言った。

 それに数人の住人が

「賛成」

 口を揃えて言った。

 どうやらここの住人はなんだかんだ仲いいらしい。 


 朝の一通りの家事が終わった。

 ソファで休憩する。

「ねぇ、大丈夫そうだった?あの子は?」

 と多地さんが浮かない顔をして聞いて来た。

 そんなに心配なら自分から声をかけてみればいいのに。

「わかりません。朝台所で顔を合わせた以降見てなくて」

「そう」

 とそれだけ言って自分の部屋に帰った。いつもの猫背姿がより曲がっているように見えた。

 気持ちを切り替え、

「隣の家行くか」

 立ち上がって、玄関に鍋を持っていく。

「この2つを一人で持って行くのはきついな」

 野菜は思ったよりあり、ダンボール一箱にギュギュに入っていた。

 でも、一人で行った。

 

 隣の家のピンポーンを押す。

 すぐにドアが開いた。

「お。新人くんだ」 

 子犬のような笑顔で出迎えてくれた。

「これ何?」

「鍋と野菜です」

「一人で持ってきたの?重くない?」

 鍋を持ち上げられて、靴箱の上におかれた。

「いえ、大丈夫です」

「そう、なんかスポーツやってたの?」

 次にダンボールを取られ床において、「ありがとう」とお礼を言われた。

「はい、一応サッカーを」

 嘘だ。10年くらいしっかりやってた。

「へぇ。いいよね。サッカーってもうやらないの?」

「はい。疲れるんで」

 これも嘘。そんな理由ではない。

「そうか。結構汗かくスポーツだよね」

「失礼します」

 逃げた。

 家に帰った。

「おかえり。早かったわね」

 多地さんがちょうど玄関にいた。

「早い方がいいと思いまして」

「そう。あれ一人で運んだの?」

「はい。力はあるんで平気です」

 手洗いをするため洗面所に向かう。

「私に片方頼んでもよかったのに」

 と独り言が聞こえたが無視をした。



 一息を部屋でつく。

 ベットに横になり目を瞑る。

 この家に来てから緊張して全然夜眠れていない。

 環境はいい。不気味で眠れないわけではない。ただ落ち着かない。こんな日々がどのくらい続くのだろう。

 深呼吸する。

 すると眠りのスイッチが入った。

「トントン」

 ノックの音が聞こえる。

「はい」

 起き上がってドアを開ける。

 すると名倉さんがいた。

「電話なってる。出てくれない?」

「わかりました」

 部屋を出て一階に向かう。

 電話くらい自分ででろよ。そう思うけど家で一人でいる時は固定電話は全て無視していた。どうにかしようと誰かに頼るのは褒めるべきだろう。

 電話を取る。

「もしもし」

『あ、もしもし。こちら株式会社須藤宅配の竹本ですけど』

「はい」

 声が震えている。

 電話の中から慌ただしい音が聞こえる。

『あのそちらの家に田城由美って住んでますよね』

「はい」

 少々早口だ。 

『田城さんが倒れました』

「…え」

 倒れたって。

『先ほど救急車によって花森病院に運ばれました。意識はあります。怪我もしていません』

 大丈夫。じゃないじゃん。止めろよ。バカ。

「わかりました。すぐ向かいます」

 電話を切った。なんか言っていた気がするけど切った。今猛烈に腹が立っている。

 自分の部屋に戻って上着とショルダーバックを取る。

 そして、一階に向かいながら上着を羽織り、バックをかける。

「名倉さん。あの、田城さんが倒れて病院にいるみたいだから向かいます」

「はい」

「大家さんに伝えといてください。あと昼のご飯や夜ご飯は弁当のおかず用の作り置きがあるのでそれを活用してください」

「わかった」

「では、行ってきます」

「…」

 玄関で靴を履いて家を出た。



 病院に着いて受付で部屋番号を教えてもらい向かった。

 部屋の前に立つと深呼吸をした。

 心臓がバクバクしていた。

 着くまでずっと走りたかった。交通手段として使ったバスの中で必死に足を叩いてなでて落ち着かせていた。

 病院とか本当は大キライだ。

 人と喋るのが苦手だ。受付の時、冷静を装ったが、何個か言葉を噛んだ。

 ノックをした。

「はい。今あけますね」

 男の人の声がした。上司だろうか。

 戸が開けられた。

 男の人はびっくりした顔をしていた。

「こんにちは。先ほど電話をいただきました。恩道です」

「あ、え?大家さん?」

「いいえ。大家はあとから来ます」

「あ、住人の方」 

「はい」

 沈黙。たぶんこの人も人見知りなのだろう。

「あ、すいません。入りますよね。ごめんなさい」

 俺にお辞儀をして中に手招きした。

 ベットで横になり田城さんは眠っていた。

「椅子。どうぞ」

 彼から椅子をもらう。

 お礼とお辞儀をして椅子に座る。

「様態はどうですか?」

「あ、様態ですね」 

 慌ただしい。どうやらこの人は上司ではなく部下のようだ。きっと面倒なことだから押し付けられたのだろう。

「貧血と寝不足らしいです」 

「貧血、寝不足」

 バックの中からメモ帳とペンを取り出しメモる。

「勉強熱心ですね」

「いえ、こうなったのは自分のせいでもあると思うのでメモして何かできることを探しているんです」

「自分のせい?」

「はい。止められなかったんで。見過ごしてしまったんで」

 そしたら彼は一瞬笑顔になり、真顔に戻って

「僕もです」 

 え?

「僕も見逃しました。朝会った時から気付いていたんです。でもまさかこうなるとは思わなくて」

 泣き出した。

「いつも通りあいさつして仕事を開始しました。途中こぼした。『大丈夫じゃないかも。ヤバイな』という独り言も見逃しました。そんなに仲良くないから」

 同じだ。

「田城さんはいつも一人なんですよ。一匹狼みたいな感じで、金髪だし目つきの怖い。近寄りがたい。でもいい人だってわかってるんです。悪い人ではないって」

 同じだ。

「手を差し伸べるべきだったなのにやらなかったんです」

 涙がポタポタと落ちている。

 ティシュを渡す。

「ありがとうございます」

 受け取り必死に涙を抑えるが、涙は止まらない。

「他の人も見て見ぬ振りをしていたから。同じようにした。どうにかできたかもしれないのに」

「何ができたんですか?」

「え?」

 驚いた顔してこちらを見ている。涙が引っ込んで赤くなった目はとてもマヌケだった。


 その数分後、大家さんが来た。

「おい、若者。何をしている?」

 怒った顔でこちらを見ている。

 来て、そうそう言うことはそれかよ。田城さんは眼中にないのか。

「大家さんですか?」

 彼が大家さんに声をかける。

 俺が若者と呼ばれていることに対しては何も思ってないようだ。

「由美。大丈夫か?」

 田城さんは寝ていて反応がない。

 そういえば言っただろうか?もう一回、大丈夫って聞いただろうか。

「帰れ。あとスケッチブックを持ってこい!」

 冷静だったがちょっと声が大きかった。

「はい?」

 何をするんだ。スケッチブックで。

「いいから。チンタラしてないで出てけ」

 顔が俺を睨んでいた。

 俺は病室を後にした。というより怖くて逃げた。



 家に帰ると多地さんが待ち構えていた。

「あのさ、大人に大事を言わないで出ていく若者がどこにいるんだよ」

 大家と怒った顔が似ていた。また逃げたくなった。

「すいません」

 多地さんも家にいることを忘れていた。

 台所に行くと田辺さんがいた。

「早いですね」

「今日は初めだから挨拶だけで終わったんだ」

「そうですか」

 愛想がない返事をしてしまった。

 けど、田辺さんは変わらずにこにこだった。それが痛かった。

 自室に荷物をおいてリビングに向かった。

「飯!作ってくれない?それが終わったら由美に着替えを持っていてあげて」

 鋭い目が光っている。

「わかりました」

 台所に立つ。

「肉じゃがでいいですか?」

 住民に聞いているのに誰も「うん」とも「いい」とも言わず、ただ数人が頷いた。

 ジャガイモと人参を洗う。

 ジャガイモの皮をむく。

「手伝うよ」

 田部さんが腕まくりをしながら近づいてきた。その優しさを素直に受け入れた。人参の乱切りを任せた。

 ジャガイモを乱切りにする。

 玉ねぎはくし切り、豚肉は一口サイズにカットする。

 鍋に軽く油を入れる。豚肉を炒める。

「ジュ~」

 いい音が響き渡る。

 それなりに焼けたら野菜もいれる。

「いいね。おいしそう」

 温かい目で田辺さんが鍋を覗いている。

「早いですよ」とツッコミを入れる。

 全体に油がまわったら砂糖と水を加える。

「ちょっと見てもらっていいですか?」

「え?いいけど」

 少しだけ田辺さんに任せる。

 その間にボールに醤油、酒、みりん、和風だしを入れて混ぜる。混ぜ終わったらそれを鍋の中に入れて少し混ぜて弱火で煮込む。

「もう完成?」

「いえ、今から20分から30分煮込みます」

「なが…」

「すいません」

「いいよ」

「時間経ったら火を止めてください」

 と、言いながらエプロンを脱ぐ。

 田城さんの部屋に入る。

 部屋は汚かった。たくさんのキャンバスとたくさんの画材たち。

 本当に絵に命をかけていたんだなと感じる部屋だった。

 ほとんどの絵が描きかけだった。

 ある一枚の桜の絵。桜自体はキレイだが、地面は少し汚かった。

 唯一片付いている机。そこには分厚いスケッチブックがあった。気になって開くと日記のように絵が書かれていた。付箋が貼ってあるところを開く。昨日の日にちが書かれ、霞さんが縫い物をしている絵だった。そして、少し言葉が添えてあった。『カスちゃんはスゴイ。私と歳はさほど変わらないのに私はいつもダメダメだ。』一昨日のページを開く。そこにも『ダメダメだ』と書かれていた。見るたび心がチクッとした。めくっていくと俺が来た日のページに辿り着いた。絵は俺のぎこちない笑顔だった。『新しい住人が来た。緊張しているようだった。作ってくれたご飯は美味しかった。彼も私と同じ人と比べていた。ダメダメじゃないのに』俺はそれを見てスケッチブックを閉じた。

 結局何も持たずに田城の部屋を出た。

 自分の部屋に行き上着を着て田辺さんの着替えが入った袋を持って玄関に行く。

「ご飯たべないの?」

 田辺さんが心配そうに聞く。

「はい。先どうぞ」

「了解、いってらっしゃ~い」

 そっと微笑む笑顔に心の中で『行ってきます』といい家を出た。


 病院に着いて田城さんの病室に向かった。

 ノックをする。

「はい」

 元気はない田城さんの声が聞こえた。

「失礼します」

 ドアを開けた。

「あ、恩道くん」

 少し驚いている様子だった。

 椅子に座った。

「体調、大丈夫ですか?」 

「大丈夫。最近夜ふかしし過ぎたのかな?なんて」

 浮かない顔をしている。

「大家さんからスケッチブックを頼まれたんです」

「え?そうなの?頂戴」

 笑顔だ。本当に絵を愛しているんだなと感じた。

「もってきてないです」 

「え?」

 びっくりした顔になった。

 意外だったのだろう。今まで反抗しないでビクビクしていた人間が違った行動を取ったことに。

「なんで持ってきてないの」

 怒った顔をされた。

「あ、多地さんから頼まれた着替えは持ってきました」

 着換えが入った袋を机の上におく。

「ありがとう。けど、なんでよ」

 俺を睨んでいた。怖かった。けど、もう逃げる気はなかった。

「田城さんの絵見ました。上手ですね」

「え?見たの?ってことは入ったの?この野郎」

 デコピンをされた。

「はい。見た上で持ってこないことを選びました」

「は?」

 目をそらして腕組みをし始めた。

「絵、本当に好きなんですね。部屋の八割絵に関わることでびっくりしました」

「言ったでしょ?駆け出しの画家だって」 

「はい。覚えてます。だから俺は田城さんの最高傑作をみたいです」 

「じゃあ持ってきてよ。練習しないと休んでられない」

「それはできません」

「なんでよ」

 俺をもっと怖い目で睨みだした。

「今は休まないと。正直、部屋においてあったキャンバスの描きかけの絵上手くなかったです。それ自分でもわかってるんですよね。満足いかないからどんどん増えていて」

「何が言いたいのよ」

「本当は怖いじゃないですか?自分はダメダメだからこれ以上駄目になるのが怖くて止められないじゃないですか?」

 俺は少し怒って言った。

 そしたら黙ってため息をされた。

 少し沈黙が流れた後、

「その通りよ。ダメダメだから私。頭もよくなければ度胸も才能もない。ただ絵を書くのが好きな人間なの。本当ダメダメだよね」

「…そうですね」

「慰めるんじゃないの?」

「同じですから。ただまっすぐに頑張れるのは羨ましいと思ってます。結構バカなやり方ですけど」

「バカって」

「体調管理しないと出発地点にも立てませんよ。絵って、体調とか気持ちってのるものでしょ」

「…わかった」

 そう言ってくれた。怒りは収まったようだ。

 俺は少し微笑んでから帰った。 


 

 数日後。田辺さんが帰ってきた。

「ただいま」

「おかえりなさい」

 由美さんは重たい荷物を持ちながら部屋へと入っていく。

 数分後。勢いよく部屋から由美さんが出てきた。

「ねぇ、あんたこれ書いたの?」

 びっくりした顔と怒った顔のハーフ顔でスケッチブックの絵を見せていた。

「はい。それなりに凝ったんですよ。1時間はかけました」

 ニヤリとしながら答えた。

「…。生意気ね。でもこれ私でしょ」

 予想とは違いニコニコしていた。

「けど、言葉は真面目過ぎね。『早寝早起き。少しの運動。一緒に頑張りましょう』て、なめてるの?」

「いいえ。舐めてません。まずそうですし」

 冗談あり気の嫌味たらしい顔で言ってみた。

「このやろう」

 いつものデコピンをされた。

 部屋へと戻る後ろ姿は笑っていた。

 俺は部屋の掃除を再開した。

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