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波の音と白浜と

作者: 篝火

この時期の海には誰もいない。ただ、私を除


いて。波打ち際ギリギリまで車を寄せ、潮が


引いていくとともに私は濡れた砂を歩き始め


る。潮風が私のすみずみまで包み込むよう


に吹き、ワンピースを翻し、なびかせ、心地


よく音がなる。私の長い髪が、踊るように跳


ね広がる。車が小さくなるまで歩くと、一つ


だけぽつんとあるテトラポットに腰を掛け


た。海から見える夕陽があまりに綺麗で、毎


日この夕陽を見ては、涙をポツリと流してい


る。

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