表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パンゲア書記  作者: 武蔵野紫村
2章 集う
29/56

29話 強敵と援軍

追撃をしてこない。

コロッソのその余裕が、更にルーの神経を逆撫でする。

立ち上がり、努めて冷静にルーは聞いた。

「誘拐した三人はどこにいる…」

「彼らには寝てもらっていますよ」

そういいながら、奥を指差す。

「僕になんの用だ。それに彼らには関係ないだろ」

「いえいえ、ありますよ。彼らにはあなたをこうして誘き寄せる餌として役に立ってもらいました。あなたは前回仕留め損ないましたから。あれから監視をつけ、様子を伺っていました」

舐めた真似を…

ルーはコロッソに向かい走る。右足を踏み込み、砕けた拳を振るう。

コロッソは左の掌を向け、受け止めようとした。

当たる直前にルーは腕を逸らし、右足を更に強く踏み、右肩からコロッソに突っ込んだ。

「タックル!」

木箱に座っていた男は立ち上がり、目を見張りながら言う。

コロッソは衝撃を消し切れずよろける。

顔を上げたコロッソの口元には笑みが消えていた。殺気も強まっている。

殺気は鋭く、ルーの全身を刺すように放たれている。

「本当に面倒なくらい育ちましたね。ですが、もう終わらせます」

そう呟き、右の掌を顔の前に置く。

すると、掌から、細長い何かが徐々に出てくる。

刀身を出し切った所で、コロッソは柄を握る。レイピアだった。

ルーはあまりに危険だと判断し、咄嗟に後ろに飛び退ける。

しかし、気付いた時には、腹部に三ヶ所の穴が空いていた。

喀血し、膝を突く。

レイピアには血が付着していた。

速すぎる…何も見えない。

魔族の本気を感じ、顔が青ざめる。

「では、ごきげんよう」

口角を吊り上げ、コロッソが呟いた瞬間だった。

「ごきげんよう」

後ろから声がした。

振り替えると、そこにはアレキサンダーが立っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ