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パンゲア書記  作者: 武蔵野紫村
第一部 旅の始まり
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10話 実験と修行

中王国に来て数日、ルーはメルキオールとその弟子アロタが行う実験を見学していた。

「にしても錬金術は凄いですね」

「そうでしょ。感動するでしょ?」

お前が言うのかという目線をアロタに向けながらメルキオールが言う。

「これまでの蓄積があったからだよ。先日も話したけど、魔法を使って実験する仕組みを作ったのは〝聖賢〟様のおかげだよ」

〝聖賢〟とはかつて、神に祝福を受けた英雄の一人だ。類い稀なる頭脳を持ち、人類の技術をあらゆる分野で推し進めた人物だった。本人はしきりに自身の成果については神に授かった祝福のおかげだと言っていた。それを見て周囲の人物は彼を神聖なる賢者という意味を込めて〝聖賢〟と呼ぶに至った。

「それにしても、ここに来てから勉強になることばっかりですよ」

ルーは、自身が勉強が好きということもあって、メルキオールとアロタに話を常に聞かされていた。特に錬金術と魔力や、歴史上の人物についてはかなり詳しくなっていた。

そこへ、来客が来た。物々しい雰囲気である。その男は見た感じ下っ端の官僚という出で立ちであった。

「メルキオール殿、至急ルーという若者を連れて練兵場に来るべし!これは国王様からの命であります!」

綺麗な姿勢を作りながら男が言った。

「僕!?」

メルキオールが驚いた顔で官僚の男に振り返る。

「はい、なんでも、ルーとかいう若者は右も左も分からないだろうから連れてこいと」

大きい溜息をつきながら、メルキオールはルーを見る。

「はあ…そういうことだからルー君、行こうか」

「は、はい…」

見るからに肩を落とし、嫌々という雰囲気であったが、外出する準備をしている。

「アロタ君、後は任せたよ…10分毎に記録しといてね…」

「分かりました、いってらっしゃいませ」

アロタは手慣れた様子で、記録用の紙を取り出す。

メルキオールとルー、そして官僚の男は共に練兵場に向かうのであった。


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