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4話~ミナスタシア視点~

屋敷の食堂に3人の女性が集まって、話をしていた。


「やばいわね」

お嬢様がつぶやく。


「やばいですね」

メイドが言う。


「・・・・」

もう一人、秘書風の女性はさっきから黙ったままだ。


「ミナお嬢様、やばいとか言いながら、顔がにやけていますよ。」


「ほう、そういうエレナこそ頬が緩みっぱなしだが。」


「私はいつもこんな顔ですよ。」


「いやいや、長年の付き合いの私には分かる、そんなに緩んだエレナを見たのは王都で甘味を食べた時以来だな、いや、それ以上だ」

どこぞの名探偵のごとくビシッと指を立てる。

「まぁ、あの笑顔を見ればそうもなるか、私は男神ながみが降臨したのかと思ったぞ」


「そうですね。私はショタコンではないのですが、あの笑顔を見たとき、自分の中の新たな扉が開くかと思いましたよ。私じゃなければ、色々我慢できなかったでしょうね。」


「・・・・」


「まぁ、その話は置いといて、これからどうするかだな。」


「どうするかとは?」


「もちろん、ユータの事だ、あの風貌、おそらく東の方の国の出身だろう。しかし、この国の言葉は完璧に話せる。」


「間者か奴隷と言った所ですか?」


「間者はないだろうな、あの容姿では目立ちすぎる。」


「では、奴隷ですか?」


「親が奴隷か、あるいは幼いころに売られたか・・・、一応、筋は通るんだが・・・」


「腑に落ちませんか?」


「ユータの持ち物が気になってな」


「見たこともない容器に入った水と食べ物、それに本と鞄、金貨5枚ですか。」


「特に本と金貨だな。本は私には理解できない言葉で書かれていたし、金貨は旧聖貨だ、5枚あれば3年は暮らしていけるぐらいの価値があるものだぞ、それに ヤマートだったか? 家名持ちという事は貴族という事だろう。」


「東の方の国は戦乱続きと聞きます。そこから逃げてきたのでは?」


「うーむ、それでは言葉が完璧に話せるのがなぁ・・・」


「結局分からずですか?」


「うむ、それで、そこら辺をそれとなくエレナに探ってほしいのだ、その為の世話係にしたのだからな」


「それは構いませんが、本当に私が世話係でよろしいのですか?」


「む、どういう意味だ?」


「ユータ様は現在、腕と足を骨折してますからね。手水場とか、体を拭くのとかですね。私は一向に構いませんが、ジュルリ」


「おい、エレナ、お前、変な事考えてないだろうな。」

ミナがガタッと椅子を引いて立ち上がる。


「考えてませんよ、ジュルリ」


「その、ジュルリをやめい。」


「冗談ですよ、ミナお嬢様、先ほども言いましたが、私はショタコンではありませんからね。」


「・・・・」


「わかった、一応、そこら辺は信じてる。長い付き合いだしな。」

「あとは、本家への報告をどうするかだな。」


「今の段階だと、けが人を保護しているだけですから、必要がないと思いますが」


「そうだな、そちらはとりあえず、保留にしてくれるとありがたい。」


「かしこまりました。」


そう、メイドが返事をして、女性達の会話は終了した。


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