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プロローグ

 一寸先は闇という言葉ある。未来の事はわからないという意味だが、それにしても予想できないにも程があるだろう。

目の前にドラゴンが現れるとは…

「は?」


 山本雄太はどこにでもいる社会人である。理系の大学院を卒業後大手の家電メーカーに就職。そのまま、開発職で順調にキャリアを積んでいた。

入社3年目で主査になり、6年目で主務になり、あと2、3年キャリアを積めば係長をまかせたいといわれていた。

その日はいつも通り起きて、いつも通り働いて、いつも通り残業をして、まぁ、要するにありきたりな一日だった。

仕事を21時頃に終え、通勤に30分ほどかかるアパートに向けて自転車を走らせていた時にドラゴンにエンカウントした。

うん、何を言ってるか分からないと思うが、俺も分からんので問題はないだろう。

そんで、ほぼ何もできないまま食われて死亡したらしい。らしいってのは後から聞いたから分かったんだけど。


 次の瞬間 意識は白い空間にあって、目の前に女がいて、目の前の女が女神だとか言い出した。

「あなたは、死にました。異世界へ行くことができますがどうしますか?」

それで、なんか異世界に行くことができるとか言い出した。いや、なんだか唐突すぎませんかと思ってると、心を読まれたのか。ものすごい勢いで女神とやらが、言い訳をしだした。長いので話を要約するとこういうことらしい。


いわく、自分が飼っていたドラゴンが目を離したすきに地球に逃げ込んで、それで逃げた先に偶然いた俺が食べられて死んだらしい。

いわく、ドラゴンが逃げたことに気が付いて、慌てて飼っていた場所に戻したが、その際、俺が食べられたことに気が付かず放置してたら、地球での死者数と魂の数が合わないことが発覚、そこでようやく俺がドラゴンに食べられて異世界に魂ごと転移したことに思い当たったらしい。

いわく、地球ではすでに50年の時が流れているため、今更地球に戻るのも人間的には微妙でしょうし、もとより、地球を担当している女神が嫌がるとのこと。

んじゃ、自分の担当する、異世界に転移させちゃえばと考えたらしい。

なんというかろくでもない話である。というか、ほぼ悪いの目の前の自称女神だよね。


 俺の方も最初の方は怒りがあったけど、最後の方は萎えてしまった。言い訳が長すぎるよこの自称女神。何よりこの手の輩は何を言っても無駄というのが、俺の社会人としての勘がいってる。


 自称女神に俺が地球で生まれ変わることができないのかと聞いたら。別にできるらしいが、再度、俺の魂を地球になじませるため、この白い空間と似た場所で50年間過ごさなければいけないらしい。

あと、地球の神は記憶の持越しを許さないので、あなたの自我は消えてしまいますよとの事。

ということで異世界行きを了承することにした。決して、自我が消えるのが怖いとかそういうんじゃないからね。うん。


 文明レベルは地球の中世ぐらいで剣と魔法がある世界だそうだ。

というか、目の前の自称女神が地球のファンタジー小説に触発されて作った世界らしい。

なんかろくでもない予感がひしひしするのだが、ちなみに転移に際し、特典をくれるとの事。


1.超絶回復

2.隠蔽

3.通神x3(女神と通信できる機能らしい。3回限定)


 あと、俺の地球での本来の寿命は83歳だったのらしいのだが、異世界の男の平均寿命は60歳との事。なので足りない23年は体を若返らせて、転移させてくれるんだと。

つまり、33歳引く23歳で、俺は10歳の状態で異世界に放り込まれるらしい。これはありがたいので黙って受け取っておく、33歳の姿で新しい世界に入っても、就職とかも難しそうだしな。そこらへんも一応配慮してくれたのか?

 まぁ、すでに俺の体自体はきれいさっぱり消滅しているので、目の前の自称女神が記録を元に

異世界に適用出来るよう俺の体を再構築するらしい。また、異世界の文字や言葉は普通に使えるようにしてくれるらしい。

 こちらからのお願いとして、何冊か本を持ち込めないかと聞いたらあっさりOKされた、なので元の俺の家にあった本のタイトルを適当に頭に浮かべたら、それをバックにいれて転移時に一緒に送ってくれるとの事。ちなみに水とおにぎりもサービスとか言って、ついでにつけてくれるそうだ。

 うすうす気が付いていたけど。この女神すごくいい加減だよね。今はその事が逆にありがたいけど、そもそも、ことの発端がこの女神のいい加減さのせいなので、素直に感謝できない。


「では、よろしいですか?」

自称女神が女神らしく問いかけてくる。

「一度、あなたを異世界に送れば、それ以降、私は物理的には干渉できません、なので、最初に転移させる場所は、あなたが生きるのに都合のいい場所を選びました。」

「それでは良い二度目の人生を!」

自称女神がそういうと目の前が白く光り、体が浮遊感に包まれた。

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