Aの話④
とっても遅くなりました。
そして短い・・
えーと、私は愛しのオリちゃん(少女時代)に会いに来たんだけど・・・たれ目って君、オリちゃんの弟のルイスだよね?
なんでドレス来てるの?!!
しかも男の子なのに可愛いとかなんなのーーーー?!!!!
そして部屋に置いてある観葉植物の陰からちらちらとオリちゃん(こっちは男の子の服着てるよ?!どういうこと?!!)が見え隠れしている。
なにこの状況?!えぇぇぇーーーー???
という心の声を顔に出さないよう必死な今王子な私。
「えーと・・・オリエッタに会いに来たんだけど・・君・・弟のルイスだよね?」
思わず聞いてしまったけれど、ルイスは「ひっ」と言ってさっきより涙を溜めてしまった・・
あぁぁぁ虐めてるみたいじゃんーーこんなかわいい子を泣かせるなんて(男の子だけど)私の主義に反する!!!
「あ、怒ってるわけじゃないよ。すごい可愛くて似合っているんだけど・・・どうしたのかなって?」
と、王子スマイル全開で優しい声で話しかけると
「かわ・・ぼ、ぼく・・・男の子なのに・・・オ、オーリが・・・ふぇぇ」
オリちゃんが無理に着せたのかな?
そういえば幼馴染(前世)も小さい頃、お姉さんに女の子の服着させられてたな。
ふふ、なんか思い出したら懐かしくなってきちゃった。
「泣かなくても可愛いから自信を持っていいと思うよ?」
「ぼく・・男の子なのに・・・可愛いとか・・・かっこいい方が良いのに・・・オーリは男の子の服でもかっこいいのに・・・」
なにそれ早くオリちゃんこっちに来て見せてよ!!
けど、とりあえず目の前のルイスだ!
こんなに可愛い子(男の子だけど)を放っておけない!!!
「ねぇルイス。可愛いに男も女も関係なんだよ?可愛いのは正義だよ!!!もう本気で可愛いんだよ?!自信をもっていいんだよ!!!!」
思わずルイスの手を握り締めて素で力説しちゃったけど、当のルイスはぽかんとしている。
「・・・可愛いのは正義?」
「その通りだよ!!私を信じて?」
「王子さま・・・オーリと同じこと言ってる・・」
そう言うとルイスは笑みを見せた。
涙を溜めた顔での笑顔って最強だわ~いやもうなんでこの子は男の子なの?!!
「私の事はアスでいいよ。うん。やっぱり笑顔の方がいいね!」
私も思わず笑顔になると、ルイスは顔を赤めながら
「あ、ありがとう・・アス様」
と・・・はぁぁぁぁ可愛い~~~!!!!
はっ!ダメダメ!!私の今日の目的はオリちゃんだったわ!
コホンと咳ばらいをし、オリちゃんの方に視線を向け
「ところで、そこの陰にいるオリエッタにもそろそろ出てきて欲しいんだけどな?」
するとびくっと陰から見える肩を震わせると、男の子の服を着たオリちゃんがゆっくりとこっちに向かってきた。