Aの話①
しばらく放置していましたが、始めました。
目の前にサラサラ金髪碧眼の美少年がいた。
ふと目が覚めて、何故か異様に重い頭を押さえながら無意識に部屋にある洗面台へ向かい鏡を見たらこの状況だった。
んんん?
この美少年はどちら様?
首を傾げると私の動きに合わせて美少年も動く・・・
???(ジタバタしてみる)
!!!!(変顔してみる)
・・・・・・・・・・・・・・
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーー?!!!!!」
これが叫ばずにいられるだろうか・・・いや無理だ。
な、な、な、なんで???
焦っていると部屋の扉が強く叩かれ、外から慌ただしい声が聞こえて更に焦る。
「殿下?!アスルトル殿下?!!いかがされましたか?!!!」
殿下?
この美少年?
いや、私?
「な、なんでもない!夢を見ていたみたいで驚いて声を出しちゃっただけです!!!」
焦りに焦って思わず出した声はまさに少年の声だった。
「そうですか。本当に何事もないのでしょうか?」
「だ、大丈夫です!ごめんなさい!!」
「っ!そんな・・・殿下にそのようなことを・・・申し訳ありません!!」
殿下って偉い人?子供だけど?謝ったらダメなの?
他の人が焦っていると自分は落ち着くって本当なんだな・・・とか思いながら
「き、気にしないで!」
出た言葉は全然落ち着いていなかったんだけれど・・・うぅ
「・・・分かりました。何かありましたらお声かけ下さい。」
「う、うん。」
焦った―いやもう本当に焦ったわー絶賛まだ焦り中なんだけど、少し落ち着け私!
何がどうなっているの?!!
えーまずはこの美少年が私?
ふと視線を下に向けると見慣れないいかにも子供な身体をしている・・・手も小さい。
当たり前だけど、程よくあった胸もぺったんこだよ・・そりゃそうだ少年だし。
なんとなくこの美少年(私)としての記憶もあるようだけれど・・・私は何をしていたんだっけ?
私は日本生まれの日本育ちの女子高生で・・・家族は父、母、兄と私。
あ、そうそう女の子たちに囲まれて、女の子を愛でるのが大好きな私は幸せな日々を送っていたはず。
それで、確か修学旅行先でバスに乗ってて・・・なんかすごい音と衝撃が来て・・・・
まさか事故った?!
私死んだ??!!
で、この美少年に生まれ変わった??そんな馬鹿なーーー!!!!
声を出すとまた人が来るかもしれないから頭を抱えて悶えるしかない・・・
うぅ・・短い生涯だった。
一緒にバスに乗っていたクラスメイト達はどうなったんだろう?
女の子たちは無事だといいな。
お父さん、お母さん・・・お兄・・はまぁいいや。
先に旅立ってしまった娘でごめんね・・・
そんでこの旅だった先の美少年(私)だ。ややこしいな。
さっきの人は『アスルトル』って呼んでた。
んー?どっか聞いたことがあるような?
この美少年(私)の記憶だと、この国の第2王子で今は10歳。そういえばこの前、婚約者が決まったとか言ってたな・・・王子さまは子供なのに大変だーまぁ今私なんだけど。
第1王子の兄は非常に優秀でこの美少年(私)とは6歳差。苦手?というかなんか複雑な感情を持っているっぽい?
まぁ優秀な兄がいると比べられちゃうよねーしかも男兄弟だし、可哀そうに。
ちょっと待って?
なんかこの設定どこかで?
て!!
これ、私がパッケージに描いてあった悪役令嬢に一目ぼれして、初めて買った乙女ゲーの王子様の名前と設定?
え?え?そうだ。確か婚約者の名前は『オリエッタ』だ!悪役令嬢だ!
すると・・・この美少年(私)はいずれ会うヒロインに攻略されて、婚約者をないがしろにして婚約破棄した挙句に国外追放して結果、死に追いやるポンコツ王子じゃないかぁぁぁぁぁ?!!!!!
なんだとーーー!!!許せん!!!!
というかそうなると、漫画とかでよくある異世界転生したってこと?
いやいや、まさかそんな・・・しかもこんなポンコツ王子(男)だなんて・・・
・・・・・・・
よし!寝よう!
きっと私は気を失うかして夢を見てるんだ。
うんうん。
まだ外も暗いし、眠ればすっきりするに違いない!
そうと決まれば私は子供にしてはやたらと広いベッドに飛び込んだ。
うんうん。よく眠れそうだな~おやすみなさーい。(現実逃避)