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ポテチの小話

作者: くろかぜ

バリバリ、バリバリ。

ポテトチップスを食べている。

新発売の火災報知器味だ。

珍しい名前だが何て事はない、ただカラいというだけの話だ。

と思いながら食べ進んでいると……。

なにか大きな固まりに触れた。

掴み出してみると火災報知器だった。

なぜこんなものが入っているのかは謎だったが

ともあれ口に運んでみる。

がりっと音をたて齧り取ると、ポテトチップそのものだった。

こんな造形ではあるが食えるらしい。

中身を食べ尽くした袋をゴミ箱に押し込んだ。

翌日。

目を覚ました布団の上で、

仰向けになって天井を眺めていると、火災報知器が目についた。

食べたい。欲が湧いてきた。

のそりと起き上がり椅子を踏み台に天井から取り外すと

早速ひと齧りする。

硬くて食べられそうにないが、意外にあっさりいけた。

歯応えはポテチそのものだ。ガリガリ。味も。

カラくてうまい。ほんのりわさびが効いてるようだ。

もっと食べたくなり、近くの量販店まで買いに行く。

意外と機種が多い。国産だけでなく中国、アメリカ、インド製のものまである。

国産は既に食べたので、中国、アメリカ、インド、スイス産のものを各国一つずつ買うことにした。

帰宅するなり袋から中国製のものを取り出して口に運ぶ。

辛味とラーメンの味だ。

次にアメリカだが、これは肉、たぶんステーキの味、

続くインドはカレーライス、スイスはなるほど、時計の味だった。

2日後、ポテチをトイレで出したせいか

火災報知器に対する食欲は失せていた。

今はポテトチップス落雷味を食べている。


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