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  第二話 ~異世界にて、勇者との邂逅~  4

僕がご主人様の元から飛び立った直後。

壮絶な火炎が撒き散らされました。ドラゴンによる攻撃です。

ですが、当然の如く、何事も無かったように爆炎を蹴散らして、五体満足のご主人様の姿が現れました。

そして、体をドラゴンへと正対させると、杖を無造作に一薙ぎしました。

瞬時に不可視の刃が形成されると、木々を切り裂きながらドラゴンを襲いました。


ゴバァァァァァッッッッッッッ!!!!!


衝突と同時に不可視の刃が爆ぜました。ですが、案の定ドラゴンには傷一つありません。

 直後には、マリアンさんが銀閃の如く駆け抜け、その脚を斬りつけました。

流石の身体能力です。ご主人様がしっかりと身体強化を施しているとは言え、並みの武芸者であれば、強化された身体能力を満足に扱うことは出来ません。相応の訓練を積み上げているのでしょう。

ですが、所詮は人の業。ドラゴンの体にはやはり傷は出来ません。

ドラゴンは忌々し気にまだ近くに居るマリアンさんに体を向けました。羽虫程度には目障りに思ったのでしょう。右前脚を上げると、思いっきりマリアンさん目掛けて振り下ろしました。

察知していたマリアンさんは、直前に攻撃範囲から逃れていました。ですが、殺傷範囲は予想より広かったようです。

叩きつけられた地面が大きく抉れ、その破片が周囲へと撒き散らされたのです。さながら対人手榴弾です。意図して行ったのであれば、かなりの知能を有するものです。

撒き散らされた破片をもろに食らったマリアンさんは。そのまま五メートル程も吹き飛ばされてしまいました。

ご主人様が、マリアンさんへの追撃を危惧し、杖を構えました。この距離であれば、どのような攻撃であれ、マリアンさんを確実に守り切れます。わざわざ傍に駆け寄る必要はありません。

しかしドラゴンは、ご主人様の意に反して、体をご主人様へと向き直しました。

一度、全身を小さく撓めたかと思うと、次の瞬間にその場を跳躍しました。

一跳びで、五十メートルはあった距離をゼロ距離まで詰めました。その勢いそのままに、両前脚を振り下ろします。

全開のご主人様であれば、この程度回避すら必要ありませんが、今は限定中の身。後方に大きく飛び退ります。同時に杖を横薙ぎし、破片もしっかり散らします。

睨み付けるように見つめるドラゴン。対照的に、ご主人様は余裕の笑みを湛えます。

ドラゴンは痺れを切らした様に、一歩詰め寄りました。直後。

その巨体を大きく振り回しました。尻尾による攻撃です。

木々を薙ぎ倒し、なお勢いが衰えずにご主人様へと襲い掛かります。

しかし、その攻撃は不発に終わりました。

復帰したマリアンさんが尻尾の根元へと剣を押し込んだのです。相変わらず切れませんが、回転を止めることは出来ました。その隙に、ご主人様は距離を取り直します。


――――この後は、拮抗した展開となりました。

ご主人様が炎弾や破片を散らすよう援護し、マリアンさんは通常攻撃を躱しながら、剣戟を重ねていました。

ドラゴンの攻撃は二人に掠りもせず、されども二人の攻撃もドラゴンには通用しません。

そのような攻防を、実に四十分ほど続けていたでしょうか。

僕が『任された仕事』を殆ど完遂したころ、不意に莫大な魔力が凝縮しました。

ドラゴンが、その翼で空へと逃れ、魔力を貯めているようです。

その総魔力量は、ご主人様を上回っています。それを全て攻撃に転嫁するとなれば、全開のご主人様でも無傷ではいられません。限定中の力ではまず防ぎきれません。


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