ふわふわ男子とおかしな双子
更新遅れました!
すいません!
ぽかぽかと暖かい季節、春。
そんな小学二年の春の季節に、俺は一人の女の子と友達になった。
昨日出会った子、明花ちゃんは、お母さんの話を聞いた日に、俺のいる小学校に転校してきて、あっという間にクラスのみんなと溶け込んでしまった。
明花ちゃんは、自分の自己紹介のときも明るく笑顔で紹介し、誰とでもすぐに打ち解けるぐらいにフレンドリーだった。
正直そんな明花ちゃんが羨ましかった。
実は自分も、小学一年生の後期ごろに転校してきたけど、あれから今までなにもみんなとの進歩なんて起きなかった。
そう、つまりはあまり友達がいないとゆうことだ。
だから明花ちゃんがすごいと思ってしまう。
今日の朝、新しい学校、新しいクラス、新しく共に勉強を学ぶクラスメイトたち、なにもかもが新しく緊張してしまうような一日目ですぐに友達をつくってしまったのだから。
今の休み時間の時だって、明花ちゃんの周りには、男女が数人囲んでいる。
「ねえねえ!明花ちゃんって、何が好きなの?」
「うーんと、あっ歌が好き!」
「へぇー!そうなんだぁー!」
へぇ、明花ちゃんって歌が好きなんだ。
実は自分も歌を歌うのが好きで、学校の好きな教科でも、だんとつで音楽が好きだ。
べつに、勉強が苦手なわけじゃない。
どの教科もあまり苦手ではないし、むしろ得意な方だ。
音楽を聞いていると、なんだか気持ちが癒される気がするし、それに、ひとつひとつの音楽には、聞いてる人に、何を伝えたいのかが分かって、明るい歌だったり、悲しい歌だったり、そんなたくさんの感情を伝えることができる音楽が好きだ。
だから将来は、音楽関係のことをしたいな。
そんなことを考えていると、いつの間にかみんなの視線が自分の方に向いているのに今さら気づいた。なぜこっちを見るの?・・・・あぁ、そうゆうことか。
「ねえ月綺くん、今日一緒に帰ろ!」
「え?・・・・あっ、いいよ。」
一人で静かにしている俺に、明花ちゃんが帰りの誘いをしてきたからだ。
みんなの言いたいことは大体分かるよ。
なんで自分を帰りに誘ったの?
二人は知り合いなの?ってことでしょ。
「んあ・・・・えっと、俺の家のお隣さんになって・・・・・」
「そうそう!私が引っ越してきて、一番にできた友達なの!」
「へぇー!月綺くんが最初の友達なんだぁ!」
なんだこの展開、あまりにもいきなりすぎて第一声が、んあって。
しかもなんか興味もたれてるよ、いやまあ、嬉いっちゃ嬉しいけど、けど。
「月綺くんは、いつ明花ちゃんに会ったの?」
「えっと、昨日の二時半くらいに、公園で。」
なんとゆうか、別に人見知りな訳ではないけど、相手に興味を持たれるのはあまり対応に慣れていない。
そのあと、いろいろとみんなとおしゃべりして、あの休み時間だけで、たくさんの友達が出来た。
これもあの子のお陰だ。でもなぜあの子は、こんな自分に仲良くしてくれているのだろうか、昨日、たった数時間だけ一緒に遊んだだけなのに。
俺なんて、人の名前を覚えるのも苦手なのに、あの子はあの時の紹介一言ですぐに覚えている。
そんなこんなで、ついに放課後がやってきた。
今日は自分の好きな日、金曜日だ。
先生とクラスのみんなでさよならの挨拶を終えると、明花ちゃんが自分のところに来て、「一緒に帰ろ!」と再び誘ってきた。もちろん自分もいいよと言って、二人で喋りながら下校した。
そして下校中、こんなことがあった。
「ねえ月綺くん!よかったら今日、私のお家で遊ばない?」
「え・・・・・明花ちゃんのお家に?」
「そうそう、あと白羽のことも教えてあげる!」
またもや初体験、友達のお家に遊びに行く。
本当にこの子といると、色々と初めてなことが多いな。
・・・・てか思ったけど、女の子の家に入るのが最初の一回目にカウントされるのか。
なんだろうか、これからも明花ちゃんに初体験をもらうと思うと、これから先、俺の初体験はすべて女子から始まるのか。
せめて一度くらい、男子であってほしいなんて、贅沢なのだろうか。
それからも、帰りながら二人で喋て帰り、一度家に帰って準備してから向かうことにした。
準備完了。いよいよ友達のお家に訪問の時。
明花ちゃん家のお家は、黄色い屋根に、ベージュの壁、隣には小さな庭が着いているとても可愛らしい造りになっている。
そしていざ、ピンポンする!
―ピンポーン―
との音が鳴り、ガチャッとドアが開いた瞬間、見慣れたあの子の姿があった。
「いらっしゃあい!どうぞ入って!」
「うん!」
おじゃましますと言って、玄関から靴を脱ぎ、スリッパに履き替えて廊下を歩いていると、二階への階段があった。
階段をのぼると、そこには子供部屋と書いてある小さなボードが付いたドアがあった。
明花のがどうぞと部屋の中に入れてくれた。
部屋の様子は、双子の勉強机が左右にあり、右の壁側には絵本や図鑑が入っている本棚があり、あとはおもちゃ箱があって、おもちゃのマイクや、クルマなど、二人のおもちゃがたくさん入っていた。
壁紙は、二人の希望で明るい黄色にしたらしい。
「ここで遊ぼー!月綺くんは何が好き?」
「えと、俺も音楽とか、歌が好きだよ。」
「ホントにー?!私ね、将来の夢はみんなを笑顔にするような歌手になりたいの!」
そうなんだぁ!とおもわず大きな声で言ってしまったことに気づいた瞬間、自分がこんなに大きな声でしゃべったことに少し驚いてしまった。
二人で喋っていると、ガチャット音がしたのに気付き、二人でドアを見つめると
「あすかぁ?なにしてるのぉ?」
「あっ、お邪魔してます。」
「・・・・・・ヴええ?!!!」
ドアを開けた人は、後から聞くと明花ちゃんの双子のお兄ちゃんらしく、その子が落ち着いた頃にやっと自己紹介をしてくれた。
「あぁ、えっと・・・・黄瀬 白羽です・・・・よろしくお願いします・・・・・・」
「あ、えっとよろしくね。白羽くん。」
ここまでくるのに大分時間が掛かってしまった。
白羽くんが落ち着くまでに、かれこれ三十分はたってしまった。
白羽くんか・・・明るい妹に比べ、兄の方はすごく人見知りなんて、なんだかおかしな双子だな。
でも白羽くんと打ち解ける間に、二人は歌を歌うのが大好きだとゆうことを知ることが出来た。
奇跡的に共通する話題があって、なんとか兄とも打ち解けることができた。
明花ちゃんは薄茶色の短い髪型だけど、白羽くんは、目元のギリギリまで薄おれんじいろの髪がのびていて、髪は肩のところまである。
見た目も性格も大分違う二人だけど、やっぱり顔つきは似ていて、双子らしいところもある。
でもやっぱり、自分達は共通のことがあるためか、この時間はとても楽しく過ごせた。
おもちゃのマイクを使って、交互に歌ったり、画用紙に将来の夢を描いたり、これから先、この二人とはずっと仲良くなっていきたいと思っていた。
ただ数年後、突然の別れを知るまでは。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました!
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