ゆるふわなクラスメイト
駆け足で家に飛び出したオレは、自分の通っている学校、七色高校に向かっていた。
しかし、オレの家から七色高校は徒歩で約5分くらいでつく場所にある。だからあまり寝坊などをして急いでいるときも、走ればすぐに間に合うので、その点については本当に助かっている。
まあ、今まで一度も寝坊などをしたことがないから、あまり実用的なとくはない。
でもなぜオレが駆け足で向かっているのかというと、今日は、オレが日直の日であるから、みんなより少し早めに来て、準備や整備をすることになっている。
そしてそれとは関係なく、ある友達と今日はどっちが先に学校に着いているかの賭けをしている。
もしもオレの方が早く着いていたら、その時はジュース一本をおごってもらうことになっている。
もし相手の友達が早かったら、その時はクワガタのものまねをすることになっている。
オレはもちろん、自分にかけている。
そして友達も・・・・オレにかけている。
とゆうことは、もしオレが早かったらどちらもジュースをおごらなくてすむが、もしも友達が早かったら、どちらもクワガタのものまねをしなくてはいけない。そんな光景を想像してみたが、いきなり二人がクワガタのものまねしはじめたとき、周りのみんなは笑ってくれるだろうか
それとも、いや、考えるのはよそう、想像するだけでいやな気分になりそうだ。だから今日は必ずオレが早く到着できるように早めに来ているのだ。まあ、相手の友達はたまたまでも自分が先に着いてしまうことは望まないはずだ。
そんなこんなことを予想してたりしていると、もう目の前には、オレや、オレの友達が通っている高校、七色高校が見えていた。
この七色高校は、生徒の意見や活動なのが毎年優秀で有名な高校で、この高校では、生徒が3人、顧問の先生がついていれば、自分たちで部をつくることができる高校でもあり、実際オレも生徒を二人、顧問になってくれる先生もみつけて、新しい部を作った者でもある。
ちなみにこの高校に入るには、どんなに勉強が苦手な生徒でも、授業の取り組みや、課題の物、提出物をしっかり出していて、学校の行事にも積極的に取り組んでいる成績が三年間ずっとA評価だった人しか入学できない学校である。
オレはこの高校に入りたくて、中学一年の頃からずっと頑張って入ることができた。
それに、この高校に受かって入学式を迎えたあとに初めてのクラスに入ったとき、最初はあまり声をかける勇気がなかったけど、少したったらすぐになじめて、たくさん友達ができた。やっぱりクラスの人たちも個性的な性格の人たちは何人かいたけど、皆いい人たちだった。
学校に入り、下駄箱から靴を履き替えて、自分のクラスに入ったが、やっぱりクラスで一番に来たのは、オレだった。
日直の仕事を済ませ、なにもやることがなくなったオレは、自分の席に着いて、誰かがくるのを待っていた。
しばらくすると、一人の男子がこちらの方に近づいて来たのにきずいた。
この静かな足音、遠くから見える濃い青髪の、まだねぐせがなおっていなく、こちらの方へ、あくびをしながらゆっくりと歩いてくる、とても見覚えのある人物がこちらの方に来ていた。
クラスのところに着いて、ドアを開け目があったオレに挨拶をした。
「おはよう、橙星。やっぱりお前が一番か。」
「おはよう!月綺!」
オレに挨拶をしたのは、空風 月綺という、スタイルが良くて、イケメンでカッコいいゆるふわな男子。
月綺とは、中学の頃から同じで、オレが月綺にこの高校をすすめたことがあって、月綺もこの高校に入った。
正直月綺にこの高校を教えたときには、すでに中二のときで、月綺は知らなかったが、その時の月綺は運動も成績も優秀で、なにもかもが完璧な生徒で中学では有名だった。
しかし、当の本人はそんなに人気があることにきずいていなかった。
そして、今でも月綺の評判はとてもよく男女構わず、モテている。しかし、そんな彼にはある一つの欠点が・・・
「なあ、月綺」
「なんだ?」
「そろそろさぁ、いい加減気になる女子を見つけたらどうよ?」
そう、このイケメン男子生徒の空風 月綺は、こんなにもモテているにもかかわらず、まったく女子を恋愛対象としてみない奴なのだ。この前も、クラスの前で何人かの女子が月綺のことを覗いていたが、その時の本人はイヤホンを耳にあてて、音楽に夢中!
それにこの前の理科の授業でも、実験をするときに同じグループになった一人の女子が、少し強引なタイプで、隙があれば体のどこかに触れようとしていたが、それに気づいた月綺が触れようとしていた女子の手首を握り、恐ろしい目で女子をにらんでいたときもあった。
どうしてそんなに女子に興味がないのか一度聞いたことがある。確か月綺には昔、仲の良い友達がいて、その子のことを思い出すとなぜか少しモヤっとするらしい。だから他の女子にあまり恋愛としてみれないらしい。
「前にも言っただろ、俺はあの事があって他の女子に興味ないって」
「それは分かるけども、またあんなことになるのはやだよ?」
あんなこととは、月綺があまりにも女子に興味がないことがきっかけで、一時期彼は男好き、いわゆるホモなのではと噂されたことがあり、その時月綺と一番仲の良かったオレもその噂の対象とされて、二人でしばらくの間なぜか周りの人たちに気を使われながら過ごしていたときがあった。
まあ結果的にその噂は短期間で冷めたから本当に良かった。オレまでホモ扱いされて、当時は毎日が辛かった・・・
「そういえば、今日なにするの?」
「ふえ?なにが?」
「なにがって部活だろうが・・・なんで部長が忘れてんだよ・・・」
そうだった!今日は部活の日だった!危ない危ないすっかり忘れてた。
今日はオレのつくった部活『なんでも投稿部』の部活動日だった。そう、オレと月綺とあともう一人の部員でつくった部であった。
しかし、今、このなんでも投稿部はある困り事を抱えている。