これがオレの朝
暗い部屋に、明るくいつも元気に光る太陽がカーテンを開けっ放しにしていた窓を照らし、すずめたちの可愛い鳴き声が、今日の始まりを教えてくれる。そんな気持ちのよい朝にオレは、あまりの寝相の悪さにベッドから転げ落ち、おでこに激しい痛みを感じながら、最悪な目覚め方をしてしまった。
「・・いたい・・」
そんな最悪な目覚め方をしてしまったが、ポジティブに考えたオレは、ある意味いつも母さんに起こされないと目覚めない自分が、自分の力で目覚めることができたのだと自分を納得させ、クローゼットから制服を取りだし、パジャマをぬぎ、制服に着替えたオレは自分の部屋から出て、下の階から聞こえる目玉焼きとベーコンを焼く、美味しそうな音を聞き、真っ先に階段をおりて朝食を作っている母さんのいる一階に向かった。
そしてドアを開けて、母さんにいつもの挨拶を
「おはよー!母さん!」
「あら、おはよう橙星。今日も元気でお母さん嬉しいわ。」
オレは 小早 橙星。
よく周りにはスポーツができて、何よりも明るくポジティブで羨ましいと言われるけど、正直誰かに褒められたり、羨ましがられるのは嬉しい。
でも別に自分から自慢なんてあまりしないし、ちょっと照れくさい。
でも、明るくいられるのは、いつも皆がそばにいてくれるからだと思う。てゆうかひとりぼっちになったら多分死ぬ、いや確実に死ぬわ。オレの前世ってウサギだったのかなぁ。なんて考えながらイスに座って、母さんが作ってくれた朝ごはんが目の前に現れる。
オレが一日元気に過ごせるのは、母さんのご飯のおかげなんだなぁと思うことが毎日朝必ず行われることである。母さんは勉強が苦手なバカのオレでも分かるくらい、とても優しい母さんだ。
単なる親バカなのではなく、叱るときはきっちり叱り反省させて、なにかに成功したときはたくさん褒めてくれるオレにとってはとても感謝したいお母さんだ。母さんは、いつもオレが元気に挨拶をしてくれるのが、何よりも幸せらしい。
いつもと変わらないオレの大好きな味付けがされたベーコンののつった目玉焼きと、トースターで完璧に仕上げたトーストを満悦の笑みで頂き、手を合わせ、ごちそうさまでしたと言って、時間を気にしていそいで鏡に映るはねまくっている自分の赤い髪をくしで整え、歯を磨き、学校のバックを背負って母さんにいつものように挨拶をする。
「いってきます!」
「いってらっしゃい」
手を振って見送る母さんを最後に見て家を出て、オレはいつものように通っている、七色高校に向かって走って行った。