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四天王として2

 アスタルトの情報によるとルウは朝方に行方不明となり、今も狼魔族や現地に駐留している魔王軍が捜索にあたっているとの事だった。

 駐留している魔王軍は主に魔王城から派遣された黒皮病の研究を目的とする医療班と、ミラージュやラファールの軍が混成された者たちになる。

 これは狼魔族が村を作っている森が魔族領の北東、つまり北のラファールと東のミラージュが治める土地の両方と接しているという事情が絡んでいた。

 森の南側と東側はミラージュの軍が、北側と西側をラファールの軍がそれぞれ監視し、さらに森の内部では狼魔族が見回りや食料調達のために狩りを行っているのだ。

 新たな黒皮病の感染者が確認されなくなるまでの間はこうした体制で、問題なしと判断された場合にはそのままミラージュの軍に編成される事が内々で決まっていた。


「ティータイムも堪能した事だし、そろそろ狼魔族の村に向かおうか」


「正直、ミラージュ様の優先順位の付け方には疑問を感じます。今更言っても仕方のない事だとは思いますが……」


 ミラージュの言葉通りアスタルトから話を聞いてすぐに狼魔族の村に向かった訳ではなく、紅茶をすすりミラベルフルーツのタルトを味わってか上で、今の発言を行っていた。

 アスタルト自身はすぐに移動するものだと思っていたらしく、のんびりと構えるミラージュに苦言を呈しながらも大人しく従い、ミラベルフルーツのタルトを目いっぱい頬張っていたのはご愛嬌だろう。

 実はこの一連の流れにはミラージュの小さな気遣いが存在し、アスタルトの心境を慮った結果であった。

 敢えてのんびり過ごしてから狼魔族の村へ向かう事により、休日のミラージュが仕事を行っていると言う印象を薄くしているのだ。

 ここでミラージュが慌てて移動するような緊迫した雰囲気を出してしまうと、アスタルトは再び自身の至らなさを知らない内に責めてしまうだろう。

 これはあくまでも休日の延長戦上で、散歩に出かけるくらいの気軽さで狼魔族の村に行くのだと、言葉に出さずとも態度で示しているのだ。

 勿論、実際には仕事で狼魔族の村へ赴く事には変わりがないのだが、こうした小さな積み重ねと言うのは意外と大切になる。

 特に小さな事でも気にしてしまう生真面目なアスタルトに対しては必須とも言える技術であり、少しでも心労を溜めさせない様な配慮に繋がっている。

 もっとも、一番良い方法としてはミラージュが朝から晩まで仕事をすれば良いだけなのだが、それは今更言っても仕方がない事なのだろう。

 昼間は人間として活動している以上、どうしようもないのだから。

 そんな二重生活を続けているミラージュは先程まで出していたティーセットをゲートの中に入れて一瞬で片づけを行い、アスタルトは転移する為にミラージュの傍に近づき、ちょこんとマントを掴む。

 そんなアスタルトの行動に、どうやらタルトちゃんの様子を気にかけて正解だったな、とミラージュは安堵する。

 普段はツンツンして毒を吐く事で有名なアスタルトだが、精神的に落ち着かない状態の時は更にそれが顕著となり、限界を超えると一転して子供っぽくなるのだ。

 もっとも幼馴染のラファールに接している時の様な子供っぽい態度が本来のアスタルトの性格とも言えるのだが、本人にそれを言うと間違いなく罵倒の言葉を延々と浴びせられるだろう。


「ミラージュ様、どうかなされましたか?」


「いや、何でもないよ。それじゃあ狼魔族の村に向かうね」


 自分を見つめる視線に気が付いたアスタルトは疑問の声を上げるが、ミラージュは心の内を悟らせない様にいつもの調子で言葉を返す。

 そのまま転移魔法を唱えて移動した先は、狼魔族の族長であるルヴトーの屋敷であった。

 ミラージュは魔力印を刻む際には同じ土地であっても複数個所に散らばらせるようにしており、その中でもここはルヴトーを含めた一部の狼魔族にしか知られていない。

 完全な公にした状態の魔力印は村の集会場だけであり、狼魔族の者たちもそこから魔王軍の者たちが出てくるのを目撃しているのだ。

 わざわざミラージュが公になっている場所ではなく、秘匿されている魔力印を利用して移動してきたのには当然、理由があった。


「情報収集ならば魔王軍の兵士たちが滞在している集会場の方が適していると思うのですが、先に族長であるルヴトーさんからお話を聞くのですか?」


「んー、まあそんなところだよ。タルトちゃんの話を聞く限り、あんまり歓迎される気はしないからね」


 歓迎されないというミラージュの言葉に、アスタルトは不思議そうな顔をして首を傾げている。

 ミラージュは狼魔族の村を黒皮病と言う恐ろしい病から救った英雄であり、まかり間違ってもそんな事が起きるはずはないのだ。

 しかしミラージュはアスタルトの話を聞いて、間違いなくルウの誘拐について自分やアスタルトに多少なりとも疑いの目が向けられていると判断した。

 狼魔族の村にいる魔王軍の兵士が魔王城へ連絡玉で報告をしたものを、改めて幻影城へ伝えた内容がアスタルトの持っていた情報である。

 ルウの行方が分からなくなってから一日にも満たない状況であり、まだ大事になるような時間ではないのだが、そこに一つの違和感が存在した。

 調査を行っているのは狼魔族であり、鼻の利く彼らならばルウの匂いを辿って消息を掴むのは簡単な事だろう。

 そうすると既にルウの匂いが突然途切れた事に気が付き、可能性として転移魔法、つまりミラージュに心当たりがないか聞くのが当たり前になる。

 休暇中と言っても連絡玉を持っているミラージュに対して一切の連絡がない上、アスタルトにも捜索中との情報のみであるという事は、魔王城の段階で情報統制が敷かれていると推測できるのだ。

 情報統制が敷かれているという事は、犯人がミラージュやアスタルトに濡れ衣を着させるような証拠を残した状態でルウを攫ったという結論に辿り着ける。

 ミラージュは王都に現れた魔族が自身の格好を真似ていた時点で、おそらくはこうなるのではないかと予想していたのだ。

 本来であれば子供が行方不明なっただけであり四天王の手を煩わせる問題ではないのだが、狼魔族の種族特性を考えた場合には事情が変わってくる。


「そもそも鼻の利く狼魔族が半日以上もの時間をかけて子供一人見つけられないのは、ちょっとおかしい事だからね。例えば魔物に襲われたとしても死体や痕跡が一日たっても見つからないのは変でしょ? でもタルトちゃんにはその情報が伝わっていない。そして痕跡を残さずに誰かを攫う事ができる魔族がここにいる。つまりはそう言う事だよ」


「そ、そんな事はあり得ません! そもそもミラージュ様が子供を誘拐して何になると言うのですか!」


 ミラージュは敢えてアスタルトが知り得る情報だけで答えまでの道のりを示した。

 とらえ方によっては考え過ぎにも思える推測なのだが、狼魔族の特性を考えると違和感が生まれてくるのも確かである。

 行方不明になっているルウの身体能力は、大人の狼魔族と比べたら明らかに劣っている。

 家出であればすぐに追いつかれ、攫われた場合でも匂いで追跡が出来る上、魔物に襲われて命を落としたとしても血の匂いは残るのだ。

 ルウの行方が知れなくなったのは朝方の事であり、今は既に深夜である。

 王都にルウやミラージュの偽物が現れた事実を知らなかったとしても、アスタルトの様にミラージュが犯人ではないかと疑われている事に気が付く事は可能であった。


「ま、僕の考え過ぎならそれはそれでいいけどね。とりあえずルヴトーさんの部屋に向かおうか。どうやら向こうも僕たちを待っていたみたいだよ」


 そう言ってミラージュは歩きはじめ、アスタルトも神妙な面持ちで後に続いていく。

 ルヴトーの屋敷は以前に訪れた時と同じく、不気味なほどに静まり返っていた。

 本来であれば族長であるルヴトーの周りには数多くの部下や、使用人などが居るはずである。

 既に黒皮病も終息が近く自由に動ける者も多いはずなのだが、今の屋敷内の状況は意図的に他者を遠ざけている様に思えてしまう程、不自然なのだ。

 静寂の中、ミラージュとアスタルトは木製の床がきしむ音を響かせながら、以前にも訪れた事のある族長の部屋へと辿り着く。


「ルヴトーさん、失礼しますよ」


 ミラージュは中に誰が待ち構えているのかわかっているかのように扉を開け放ち、そのまま部屋の中へと入り込む。

 アスタルトも手にしている大鎌を握りしめ、周囲を警戒しながら後を追った。

 部屋の壁際には火のついた行灯が幾つか並べられているだけで随分と薄暗いのだが、それでも夜目の利く魔族であれば部屋の様子がわかる程度には明るさが確保されていた。

 この部屋の主でもあるルヴトーは盃で酒を呷りながら部屋の中央に鎮座しており、ミラージュの来訪を予想して待っていたのだろう。

 ルヴトーの周囲には徳利と呼ばれる東方では酒を入れておく一般的な容器が転がっており、相当な量を飲んでいる事が伺える。


「よう、ミラージュのダンナ、暫くは休暇と聞いていたが随分と仕事熱心だな」


「本音を言うとあまり仕事はしたくないのですが、ちょっと気になる事がありましてね」


 ルヴトーは酒に酔っているとは思えない程、はっきりとした口調で言葉を発しており、ミラージュもそれに応じていつもの調子で返事をする。


「ウチの娘の事を聞きたいんだろ? まあ、立ち話も何だから座ってくれ。腹を割って話すにはやっぱり酒が一番だからな」


「それじゃあ、お言葉に甘えて。それと先に断っておきますがアスタルトはお酒が苦手なので勘弁してくださいね。その分、僕が付き合いますから」


「……失礼します」


 突然の誘いにミラージュは快く応じつつも、一言だけ断りを入れてルヴトーの目の前に座り込み、アスタルトはミラージュの数歩後ろに腰を下ろしていた。

 ミラージュの言葉が無くても真面目なアスタルトが仕事中に酒を飲む事などあり得ないのだが、念には念を入れているのだろう。


「本当は綺麗なお嬢ちゃんに酌をしてもらいところだが、別に構わないぜ。ほれ、杯を持ちな。魔王軍の作法なんざ知らないが、俺たちの村じゃあ下のモンが上のモンに酒を注ぐって決まっているんだよ。ダンナは俺の上司になるわけだから、大人しく酌をされるんだな」


「この村ではこの村の習慣に従いますよ。郷に入っては郷に従えと言う言葉もありますからね。ちなみに僕たちの間ではお酒の席での決まった習慣は特にないですよ。魔族の間だと共通の作法を徹底するだけでも一苦労ですから、あるとしても式典とかそういった催しでの並び順くらいですね。挨拶の仕方一つとっても見事なまでにバラバラです」


 ルヴトーの言葉に従って既に用意されていた杯を手に取ったミラージュは、魔王軍の内情を語りながら酌を受ける。

 魔王軍法では必要最低限とも言える内容しか制限はなく、基本的に種族ごとの伝統を重視する様にしているのだ。

 仮に四天王であるミラージュでも、各種族の村に訪れた時にはそこのルールに従った上で行動する事が基本になる。

 勿論、何らかの不利益を被る場合や緊急時にはその限りではないのだが、魔王軍に対する余計な反感を誘発しない様に魔王リリスが厳命しているのだ。

 もっとも、種族の伝統を逆手にとって魔王軍に取り込んだ事もあるので、悪い事ばかりではない。

 特に強さを重んじる魔族に対しては族長との決闘によって従わせるような手段が多く、ミラージュも幾度となく経験していた事であった。


「言われてみるとそんな事も教えられた気がするな。魔王軍には相当な数の種族が所属しているみたいだし、確かに細かい事に一々口を出されたら誰も付いてきやしないだろうよ。ところで一つ聞きたいんだが、ダンナの種族は幻魔族って言う随分と珍しい種族らしいな」


「そうですね、少なくとも僕は自分の親以外にこの目で見た事が無いですし、現在確認が出来ている中では僕以外に存在していませんね」


 父親が幻魔族であり母親は人間なのだが、ミラージュはわざと両親と言わずに親と表現した。

 嘘を吐くときには普段と違うぎこちなさが生じてしまい、それが視線の動きや発汗などに現れる事がある。

 普通はそのような細かい違いに気が付く事は出来ないのだが、それでもミラージュは日頃から可能な限りは嘘を吐かない様にしているのだ。

 魔族が持っている種族特有の能力や固有魔法、そして古代の技術や新種の魔法など解明されてない事柄も多く、いつどこで嘘を完全に見抜く方法が見つかってもおかしくはない。

 時には勘の鋭さで嘘を見破る者もいる為、こうした言い回しがミラージュの癖になっていた。


「幻魔族の固有魔法でもある転移魔法に至っては、ダンナ以外にまともに扱えた奴が今まで存在していないらしいな」


「ええ、少なくとも記録に残っている限りでは、使い物にならない余興程度のものだったみたいですね」


 ルヴトーの発言はどんどんと核心へと近づいていき、ミラージュの後ろに控えているアスタルトは何かあればいつでも飛び出せるように、畳の上に置かれている大鎌をしっかりと掴んで身構えていた。

 一方のミラージュは平然と会話をしながら酒を飲みほして、空になった杯に自ら酒を注いでいる。

 ミラージュの両手は徳利と杯で塞がっており、武器である大鎌は必要ないと言わんばかりに放置された状態になっている。

 その様子をみたルヴトーは、鋭い歯をむき出しにしながらミラージュに問いかける。


「ところでダンナは俺が狼化している事に何の疑問も持たないのか? 以前は黒皮病のせいでまともに力が出せなかったが、今の俺はあの時とは比べ物にならないぜ。流石に油断し過ぎじゃあないのか?」


「油断も何も……僕にはルヴトーさんと敵対する理由はありませんからね。お酒の席で無粋な真似はしませんよ」


 ピリピリとした空気が部屋の中を包み込んでいる中、ミラージュだけはやはり平然とした態度を貫いていた。

 後ろで控えているアスタルトの頬には汗が滴り如何にも緊張している様子が伺えるというのに、ミラージュの方は仮面を被っていて表情が読めないせいか余計に落ち着いて見える。

 ルヴトーの口からは未だに理由を語られてはいないのだが、既にミラージュが疑われているという事は明らかである。

 突然、ルヴトーが襲い掛かって来てもおかしくない状況ではあるのだが、ミラージュが動かない以上はアスタルトも勝手に行動する事は出来ないのだろう。

 僅かな攻撃の予兆も見逃さない様に、アスタルトの目はルヴトーの一挙手一投足を追いかけていた。


「くっくっく、やっぱりダンナは恐ろしいねぇ。ウチの若い連中なんてちょっと睨みを利かせたら震えあがって黙りこんでしまうって言うのに、ちっとも動じる様子がないからな。もっとも、俺は命の恩人を疑う様な真似をしようとは思ってない。娘の匂いが突然途切れた場所にアンタの匂いがしたとしても……だ。そもそも俺たちの鼻は優秀だが万能じゃない。匂いを残さない様にする方法やわざと残す方法だっていくらでもある」


「匂いを誤魔化すだけならいくらでも方法は思いつきますよ。五感に働きかける様な何らかの魔法を相手にかける方法もありますし、風の魔法で自身の周囲を完全に覆ってしまえば漏れ出る事もありません。他にも強烈な匂いを混ぜてわからなくする方法なども考えられますね。獣の皮を被っておくのも効果的でしょう」


 ルヴトーの発言を聞いて、やはり何らかの証拠を残されたのか、とミラージュは納得する。

 王都に自身の偽物が現れた時点で、ルウが攫われた狼魔族側にも濡れ衣を着せる為の材料を用意されている事は簡単に想像がつく。

 他者の匂いを残す事はそこまで難しい訳ではなく、汗を拭った布から訓練で使った模擬戦用の武器、更にはベッドのシーツなど、とにかくミラージュが直に触れた物を使えば簡単に行える。

 入手経路については多少気になるところではあるが、その程度の物を手に入れる事は犯人の仲間が魔王軍に所属してしまえばどうにでもなるだろう。

 仮に複数の匂いが付いている物だとしても、狼魔族にとっては嗅いだことのあるミラージュの匂いだけが印象に残ってしまう。

 他者の匂いなどはミラージュ自身に付着していたものと判断する事も可能なのだから。


「俺もダンナの意見に同感だ。頭の悪いバカ共は残った匂いだけでダンナを疑っていたみたいだが、ふざけるなって怒鳴り散らしてやったぜ。もっとも、俺は転移魔法が使われた可能性は高いと思っているし、魔王軍の奴らも同じ意見なんだろう。魔王からも事実が確認できるまで早まった真似をするなとお達しがあったみたいだからな」


「僕が使える転移魔法を他の幻魔族が使えない道理はないですからね。僕自身についても魔王軍に入るまでの間は誰にも知られてなかったですし、何百年もどこかに隠れて住んでいたとしても不思議じゃありません」


 少なくとも現状でルウを攫う事が可能なのはミラージュ以外に存在しないのだが、それが逆に怪しすぎるのだ。

 だからこそ魔王リリスもミラージュを急いで呼び戻したりはせず、アスタルトに対して情報統制を行うだけに留まっているのだろう。

 魔王の立場として、これだけ状況証拠がある以上は容疑をかけざるを得ないのだ。

 しかしルヴトーの様子は明らかにミラージュを疑っており、自らの言葉とは矛盾した雰囲気を纏っている。

 娘が行方不明になった事で気が動転しているという理由では片づけられない程に、ルヴトーから殺気が漏れ出ているのだ。


「まあ、そうは言っても娘が行方不明になった事には変わりがないからよ、頭ではわかっていてもダンナを疑いそうになっちまうんだ。だからダンナが来るまでは屋敷から周りの奴らを追い出して、こうして自分を誤魔化すためにとりあえず酒の力を借りていたわけだが……最後に一つ聞いていいか?」


「僕に答えられる事であれば構いませんよ」


「……どうしてダンナから漂う娘の匂いが、以前よりも強くなっているんだ? 他の奴らじゃ気が付けないだろうが、俺はルウの父親だ。娘の匂いを勘違いするはずがねぇんだよ。ダンナは今日まで村には来てなかったが、いつどこで娘と会ったのか教えちゃあくれないか?」


 そう言葉を発するルヴトーの眼光は鋭く、返答次第ではミラージュに襲い掛かるつもりなのだろう。

 先程までの張りつめた雰囲気が更に強まり、部屋の中にはルヴトーの殺気が満ちていく。

 そしてミラージュはふう、と大きな溜め息を吐き、真っ直ぐにルヴトーを見つめて口を開いた。




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