表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
煌黒の召喚剣士  作者: 三日月正宗
4/5

第4話 鍛冶師ガフト

 あの後落ち着いたレミナを連れて、街をぶらぶらしていた。目的は必要なものを揃えるためだ。あの鈍らでは心許ないし、何時までもこの服では異様に目立つだろう。何せ異世界に来て、日本の服装でいても許されるのはサ○ト君位だ。俺は絶対目立つ。それに防御には向かないからな。


 そんなわけで今、まず一番近いらしい防具屋に来ている。勿論俺と、そしてレミナの装備を整えるのだが………。コートは洋服屋じゃあないのか?と思ったのだが、レミナ曰く、


『素材によって変わるのです。魔物とかは防具屋になるんですよ』


――なのだそうだ。


 まずは俺のを求める。できるだけ動きを阻害したくないから、やっぱり革鎧とかもしくはさっきのコートとかにしようと思う。


 資金は問題ないのでじっくり選ぶ。どれにしようか………ん?


 ある一角に、艶のある黒に銀色の筋が入ったコートを見つける。鑑定をしてみると、


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『シャドウウルフ・コート』《ランク》4

 :シャドウウルフの丈夫な革を鞣したコート。保温性と通気性に優れ、隠蔽効果がある。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


てな感じ。このランクは何となくわかるが上限がわからないな……。


 俺がこのコートを手に持っていると、店の奥から声を掛けられた。


「へぇ、お兄さん良い眼をしてるじゃない。そのコートに眼を掛けるなんて」


「ん?このコートはそんなに良いものなのか?確かにここにある物の中では良いものに見えたが」


 出てきたのは、背の小さな女の子だった。ただ、可笑しなことに、背の割に大人びている。胸もそこそこ大きい…のか?兎に角見た目と中身に年齢差を感じる。


 そんな俺の疑問をレミナは感じ取ったのか、紹介してくれた。


「シオンさん、この人はこの店の店長でドワーフのソフィーさん。ここの商品の殆どが彼女の手作りなんです!!」


「店長のソフィーだよ。ヨロシクね」


「ん、よろしく頼む」


「ん~クールだねぇ♪で、そのコートは、ランクCモンスターの《シャドウウルフ》の革で出来てるの。シャドウウルフの革は丈夫でしかも伸縮性に優れ、更に保温性、通気性にも優れた大人気の素材だけど、その分影を移動できるから討伐も難しいのよ。だから、これを逃すと二度目は無いかも」


「成る程…。だが、この『《ランク》4』ってなんだ?」


「あら?もしかして〔装備鑑定〕持ちかしら?それはね、その装備の性能を10段階で現してるの。だから最高性能は《ランク》10になるの。でも、ここまで来ると伝説級だから持ってる人は文字通りほんの一握りね。因みに、モンスターに関してはランクXが最高ね。これも殆ど伝説級」


 成る程、ただ〔装備鑑定〕なんて物があるのか。俺の〔鑑定〕はきっと上位互換のスキルなのだろう。


 取り敢えず、ランクについても知ったのでこのコートを買うことにする。金貨1枚と銅貨10枚ならモンダイナイ。


「毎度あり。因みに衣類とかの商品には魔法でサイズを自動修正してくれるから、試着は要らないよ?」


 そうなのか………便利だな。


 だがせっかくなのですぐに羽織る。―――うん、悪くない。見た目的にはデスゲーム時のキリ○みたいな感じだが、いいな、これ。


 他にも同じシャドウウルフの手袋、ボトムス、ブーツとシャドウウルフシリーズで統一した。金貨が一気に4枚飛んでいったが問題ない。


 最近シャドウウルフの革が入荷してきたらしい。感謝感謝だな。


―――ここだけの話、実はあの絡んできた冒険者たちは、かなりランクの低いダンジョンを攻略し、たんまりと報酬を得たところに俺が来た、で気分の言いなか俺に侮辱され腹を立てて、返り討ちになった……と言うわけで、金貨が30はあるし、銀貨も大銅貨もたんまりとあるから大丈夫。ただ、この金貨は鍍金で、黄銅だ。だから、金貨10枚で純金貨1枚、純金貨10枚で白金貨1枚になる。当然大金貨はあるのだが大純金貨なるものはないそうだ。


 っと、話がそれたな。それでレミナの方だが………なんかそわそわしてるな。どうしたんだ?いや、わかる。チラチラと、一角を気にしている。なので、


「気に入ったやつ持ってこいよ。まとめて買うから。選別はするけど」


と言って選ばせる。ついでについていく。気になったローブを早速嬉しそうに手にとっては、


「シオンはこっちとこっちとどっちがしっくり来ますか?」


等とはしゃいで見せてくる。実に微笑ましく、可愛い。ん?やっぱり可愛いのか。だが、この鼓動が速まる感じは………解らん。まぁ、ゆっくりと答えを見つけるか。


 兎に角、レミナは色々と試しては変えるので、その度に〔鑑定〕で性能を調べる。


 そうやって40分くらい試した後、候補を3つに選び、最終的にはアクアベアのローブに落ち着いた。シャドウウルフより1つしたのランクDモンスターの革を鞣したローブで防水性と冷却性に優れたもの、つまり《暑い夏はこのローブで涼しく!!》トイウコトダ、ローブなのに………。


 その他にブラックタイガーのブーツを買って店を出た。さて、次は武器屋に行こうではないか―――






 防具屋から大きな通りを北へ五百メートル行くと裏路地があるため、そこを通るとすぐ左手に武器屋はあった。何でもここは所謂隠れた名店なんだそうだ。


「いらっしゃい!!何を探してるんだ?」


 ハツラツとした声が上がり少し驚くが、すぐにもとに戻り答える。


「ああ俺の得物と、レミナのサブをな」


「兄ちゃんとそこの別嬪の姉ちゃんは何使うんだ? 」


「私は短剣です」


 レミナが答えて、おっさんと相談しているなか、俺は店内を見渡す。すると、実に面白いものを見付けた。


「―――おーい、兄ちゃんは何にするんだ?」


とそこへ調度声が掛かった。俺はまっすぐ見付けたものを見据えて、


「俺は『カタナ』にしようと思う」


と言いつつ、隅にあったカタナを持ってきた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


『白刀・白鷹』〔カタナ〕《ランク》6

 :刃を白金で鍛え上げ、研きに研いた白金色の太刀。刃は無骨ながら輝きをもたせ、鍔は黒鋼に黄銅を使用して装飾させた一振。

【魔力親和性】C


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 明らかに銘刀と呼べるものだった。《鳴神滅神流》を完全に受け継いだ《第52代鳴神》の鳴神紫音にはこれを選ばずには要られなかった。


 店長は驚き、唖然としていたが………直ぐに口角を上げてニヤリと笑い、口笛吹きながら、


「ふゅ~~~。兄ちゃん、その価値が解るのか」


「ああ、この一振は見た目は贅沢に見えるが本質は違う。こいつは戦場で輝く物だ。こんなところに置き去りではこいつが可愛そうだからな?」


「――――良いぜ、そいつはタダでやるよ。しっかりと使いこなせるならな?ソイツはすんげーじゃじゃ馬だぞ?」


 ―――――――勿論だ。


 俺はその言葉を乗せて薄く微笑んだ。


「シオンさん、終わりましたか?こっちは大丈夫ですよ♪」


 レミナは早くクエストを受けたいらしい。俺は店長に軽く礼をし、店を後にしようとするが、おっさんに呼び止められる。


「待てよ兄ちゃん。こいつが本物の鞘だ。持ってけ。そのカタナはお前へのプレゼントだ。俺、《鍛冶師ガフト》からのな」


 俺は直ぐに《白鷹》の刃を抜き、投げ渡された漆黒の鞘に刃を納める。それを腰に差して、俺はガフトに拳を一瞬の見せて、店を後にした―――――






 そして俺とレミナは冒険者ギルドへと戻ってきた。あの武器屋のガフトの所のあと、一通り歯ブラシやタオルケット、下着等々を買い揃え、今クエストを受けるためにボードを眺める。


 依頼はいくつかあるな………っと、無難にこいつを受けようか。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


『ゴブリンの集落調査』《ランク》E?

 : 魔の森の入口付近に出来たとされるゴブリンの集落の調査をする。規模、敵戦力、捕虜等を報告する。


【報酬】5000チコ

【追加報酬】・ゴブリン1体×10チコ

      ・ゴブリンメイジ1体×50チコ

      ・その他のゴブリンはランクに合わせ       て報酬を払う。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 異世界転生ではまずテンプレだが、まぁ問題はない。それにしてもその他のゴブリンてどんだけいるんだ?


 と、そこでレミナが慌てて近寄ってきた。


「シ、シオンさん!!それ受けるんですか!?」


「ああ、一気に稼げるだろうからな」


「で、でも。それ《ランク》E?ですよ!?


 む、よく見たら確かに『?』が付いていた。どういうことだ?


「場合によっては《ランク》D以上のクエストの可能性だってあるんです!この調査系クエストは危険度が高いので余り受けたがらないんです!!危ないですよ!!」


 なるほど………つまり不確定だから『?』なのか………。じゃあ、

「―――クエストの受理が完了しました。それでは、いってらっしゃいませ」


「ですから、ここはまず、安全に確実に―――――ってなんでもう受けちゃったんですかぁぁぁぁぁあああ!!!」


 ――さて、どれほど『じゃじゃ馬』か見せてもらうとしようか。






――魔の森――

 魔力濃度が高く様々なモンスターが生息するのに適した森であり、人里からは離れているが最大ランクAのモンスターも生息している。基本、ランクSや、ランクXのモンスターはこんなところには生息していないが、ランクAとランクSの違いはたった一つしかないので、危険な森である。まぁ、危険ってレベルではないが………。


 ランクAモンスターとランクSモンスターの差はたった一つ、それは


『人の言葉を理解できるかどうか』


と言うことにつきる。しかし、この違いが大きいことであると言うことは理解は難しくないだろう。


 さて、今シオンとレミナはこの森の近くに来ていた。


「ふーん、ここが魔の森か……。確かに空気が明らかに違う。魔力の濃度が高すぎると影響が出てくるのか。地味に息苦しいな……」


「はい、でもここはまだ入口ですから………」


「じゃあ、いくか。なるべくモンスターは限定して倒していこう」


「はい」


 シオンは腰に白鷹を、レミナは腰に短剣を差し、手に杖を持って森へと入っていった―――――





 


いかがでしたか?


やっぱり、シオンの《鳴神滅神流》は抜刀もあるので刀を使いたかったです。


もちろん普通に直剣等も出します。大剣とかとか出します!!!!ええ出しますとも。


では次回でお会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ