第1話 異世界へ
遂に始めてしまった………。
まず一言、興味を持ってくれてありがとうございました!!
ホントに超不定期です。面白いかな……?と思って下さったら気長に待っていてください。
では、(*´・∀・)つどうぞ
この世の中は『理不尽』に包まれている。必ずしも夢が叶うわけでもなければ、幸せになれると言うわけでもない。
努力が必ずしも報われると言うわけでもないし、全部が自由と言うわけでもない。
憲法には、『身分等において差別を受けない』等書いてあるが、はたして本当だろうか?少なくとも政治家と教師では違うだろう。当然、金持ちの息子やお嬢様等と一般家庭の俺たちではちがう、これは差別ではないかもしれないが『平等』だと言えるだろうか?
政治家たちは本当に自分たち国民のことを考えているのだろうか?自分たちのやり易いようにしているだけではないだろうか?そうも思える。
日本ははたして本当に『民主主義』の国であるのか、政治的無関心層の人たちが増えて、真面目に考えて生きている人たちの1票がしっかりと役立っているのか?
そんな風に考える。
政治なんかはよい例だ。自分たちの手が届かないところであれこれと決定し、俺たちはそれにただ頷く、それは本当に『民主主義』だろうか?
俺はいつもこんな感じで理不尽さを感じる。
それでも、まだ俺はいい方なのだろう。回りからはイケメンだと言われ、勉強も学年上位、スポーツでも全国制覇をした。
つまり、一般的に俺は恵まれた人間の部類に入るのかもしれない。
しかし、『《才能》は無自覚に周囲の人間をズタボロにしていく』とは佳く言ったもので、俺は特に男子から余り好感を得ることが出来なかった。つまり、男友達が少なかった。
確かに俺はよく告白とかを受けたことがある。しかし、恋愛には特に興味がなく、そんな風に思っていて交際するのは相手に失礼だと首を一回も縦には振らなかった。
それが、逆に女子たちから『あの人ホモなんだって』と、根も葉もない噂が上がり、女子からは気味悪がられて、逆に男子からは仲間外れにされた。
イケメン(周りから言われてるだけ)で成績優秀、スポーツ万能とあくまで周りからの評価だが、それによって俺は振り回されてきた。
そんな周りに嫌気が差し、ゲームやマンガ、アニメを見ていて、実に心が軽くなった。所謂俺がオタクの門を叩き始めた瞬間だった。と言ってもガチ勢には敵わないが――
そんな俺だが、ある日、思いがけない出来事に会った。
いつもの下校中、目の前を小さな女の子が走り抜ける。微笑ましく感じながら眺めていると、その遥か先から可笑しな音が聞こえ、そっちを見ると………一台のトラックが不安定な運転で女の子へと向かっている。どうやら居眠り運転のようだ………いや、頬が異様に赤い!!もしかして飲酒による居眠り運転か!!!!
どっちにしても女の子が危険だ!!
そう思い、俺は走り出した。
そして、女の子を守るように蹲る。
トラックはもうすぐそこにあった。
実にゆっくりと近づくように見えるが体はすぐに動かない。
そして、体全身を襲う衝撃の後の一瞬の浮遊感の中に、俺の意識は途絶えた――――
俺、鳴神紫音は何の変哲も無いごく普通の高校生だった。実家が東北地方であったためにお盆休みや年末には実家に帰ってはよく地元の友達と遊んでいた。
そんな俺だが実は実家が古くからの剣術家で祖父から《鳴神滅神流剣術》を稽古を付けてもらっていた。そのため剣道は全国大会で優勝、剣道も居合い道も段を持っている。祖父曰く、鳴神家の歴史上かなりの天才だそうだ。俺はそんなことはどうでも良いけど。
容姿は友人曰く、『クール系のイケメン』だそうだ。少女マンガの『好き○す鈴○くん!』の○木忍
のような容姿。………らしい。
勉強は嫌いではないので学年上位をキープしている。といった感じだ。特別可笑しな所は無い。
趣味は家事全般と読書とスポーツ、そしてアニメやゲームとかだ。そこまでオタクではないが、そこそこ詳しい自信がある。
とまぁ普通の高校生が何故こんな自己紹介をしているかと言うと、目の前に自分の死体があるからだ。理由は少し経って思い出した。トラックに引かれそうになった女の子を庇って跳ねられたんだった。見るからに頭蓋骨陥没だな。
―――おっと、時間切れのようだな。さて、俺は天国へ行くのか、地獄へ行くのか。俺はそんなことを思いながら意識を手放した――――
―――――ん?意識がある?そうか、ここは地獄か天国なのか。
(残念、そうであるとも言えるし、そうでないとも言えるんだな~これが)
?!?!?!だ、誰だ?!それに一体何処から?!
(ここに居るじゃない♪)
また、頭の中に響くような声とともに目の前に人形のシルエットが浮かぶ。そのシルエットは女性であり、とてもスタイルが良いのが窺える。
そして、姿を現したのは――――とんでもない美女だった。肩そして腰へと流れるような乳白色系の金髪に、彫刻その物と言っても良い顔立ち、明らかに天然だとわかるのに人の手をくわえたかのようなプロポーション、すらりと伸びた処女雪のような手足。どれをとっても完璧な絶世の美女であった。
「見とれるのはイイケド、話を進めても良いかしら?」
「ぁ、ああ、頼む」
「まず、私はシュネ。あなたの霊をここに呼び留めている神よ。よろしく」
「ああ、よろしく」
唇から漏れる声は間違いなく惚れ惚れする美声であった。シュネはそんなことは気にせず、微笑みながら説明を続ける。
「ここは『転生の間』。あなたが最後に女の子を庇ったのをみて、もう一度生のチャンスをあげようとここに呼び寄せたの」
「転生……か」
ライトノベルではチート貰って無敵が多いが、チートは貰えるのか?
「ええ、大丈夫よ。安心しなさい。次の中から好きなものを好きなだけ選びなさい。ただし、《スキルポイント》内に納めてね」
そうして目の前にウィンドウが現れる。スマホと同じ操作のようだ。ウィンドウにはたくさんのスキルがある。
スキルポイントが……………5000???多いのか?これ。いや、剣術Lv1が10ポイントだから多いのかも知れない。
取り敢えず次のように選んでみた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・剣術Lv10 ・軽業Lv10 ・召喚術Lv10
・隠蔽Lv10 ・鑑定Lv10 ・魔力操作Lv10
・時空間魔術Lv10 【成長率増加 】【スキルポイント増加】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
どうやら普通のスキルでは取得に10ポイントで、レベル上げるにはLvn×10ポイントのようだ。〔時空間魔術〕のような特殊スキルは取得が50ポイントで、レベル上げるのにもLvn×10。また、〔パシッシブスキル〕は取得に500ポイント必要で、Lvupはないようだ。
〔パッシブスキルは〕常時発動しているものだそうだ。
スキルを取り終えてウィンドウを閉じると。シュネが説明し始める。
「終わったわね。じゃあ今から転移させるのだけれども、今までの倫理観とか通用しないと言うことをしっかりと覚えていてね。じゃあ、転移させるよ。君の人生に幸多くあらんことを―――」
そして、俺は光に包まれながら意識を手放した――――
目を開けてまず見たのは一面に広がる青空。次に小鳥の囀りが聞こえてきた。どうやら森の近くの草原で横たわっている状況らしい。
さて、状況確認はこれでいいだろ。と、起き上がる。辺りは見たことの無い草原、知らない風景。そのなかに立つ俺。生前と外見はあまり変わらないようだ。川に写る俺の顔に変化は特に無い。
こういう場合、生前で読んだ小説では念じるとステータスが視ることができたはず。と言うことで、『ステータス』
=======================
【ステータス】
シオン 17歳 男 人間 剣士
【レベル】Lv1
【HP】129/129
【MP】355/355
【筋力】82
【耐久力】63
【知力】69
【敏捷力】99
【装備】・異世界の服
【スキル】・剣術Lv10
・軽業Lv10
・隠蔽Lv10
・鑑定Lv10
・召喚術Lv10
・魔力操作Lv10
・時空間魔術Lv10
・成長率増加
・スキルポイント増加
【スキルポイント】150p
=======================
出た。ホントに出たよ。てか、装備が異世界の服って…………。確かに異世界だけど。因みに今の俺のコーデはダメージジーンズに胸に翼が入った白Tシャツで、黒のパーカーだ。実にファッションはあまり気にしないラフな格好である。
『目が覚めた???』
え!?!?!?何?これ。何か頭の中に響く感じのこの声は。
『あはは、良いリアクションね。ついさっき会ったシュネよ。突然だけど今からチュートリアルを始めるわ』
い、いきなりだな………。まぁいい、よろしく。
『オーケー。じゃあまずこの世界について。ここはアニアと言う世界のニーデル大陸タルバン王国。気候は日本に近い国よ。北に流れる川に沿って進むとカヌカの街に出るわ』
フムフム、川に沿って進むと街に出るのか。森の方は何が出るか分からんから危険だし、早くどこか寝るところを探す手間が省けた。
『次にステータスやスキルね。と言っても、教える事のほとんどを自分で見つけて答え出しちゃってるから一つだけ、スキルリセットはLv25ごとに一回だけよ』
Lv25ごとにか、今のところは考えなくても良いだろう。
『最後に必要なものは全部会話の後にあなたの目の前に転送させるから。時空間魔術の《ストレージ》に入れておきなさいね。何かあったら【シュネコール】よろしくね』
と、その後目の前に革袋が表れる。中には鉄の剣と剥ぎ取り用と思うナイフが1本ずつ、水袋と財布が一つ。財布には、金貨3枚、大銀貨6枚、銀貨9枚、大銅貨12枚、銅貨15枚が入っていた。早く金の数え方を知る必要がありそうだ。
取り敢えず剣を背中に差し、ナイフを腰に差しておく。残りは素直にストレージに仕舞う。
背中の剣を抜き、手に持つ。こうして見ると、やはり模造品出はなく本物であると言う重みが感じられる。軽く振り回し、重さを確かめる。軽く準備運動した後、《鳴神滅神流剣術》の上段背負い抜刀の型をしてみる。すると、確かに空気を切り裂く音と共に川の流れが一瞬切断された。――うん、問題ない。
では、街に行こうか。
俺は川に沿って異世界の大地を一歩一歩踏み締めた。
「――――ふぅ、あれがカヌカの街か………。思ったほど離れてはいなかったな………」
目の前にはいかにも中世ヨーロッパと言った風景が広がる。霞みそうなほど遠くには城が見える。あれがタルバン王国の王城なのかも知れない。まずは街へ入ろう。
俺は再び歩き始める。途中でボアに出会したので首を切り落とし、ストレージに放り込む。死体はやっぱりアイテム化されるようだ。
門の前で衛兵に止められる。
「待て、身分証を見せろ」
うん、こういう場合はテンプレだがこれが一番。
「すまない。田舎からでてきたんで、身分証とやらを持っていないんだ。シルバと言う小さな村だなんだが」
「シルバ村か………聞いたことな………あ、あの森のはずれにある村か。良く来たな。まぁ取り敢えず仮の証明書を発行しとくよ。有効期限は最大で5日、これを過ぎたら税金払ってもらう。払えなかったら奴隷に落とされるから注意しろよ?」
「ああ、分かった。頼むわ」
――奇跡的に実在したようだ。そのまま俺は衛兵についていく。
「じゃあこの水晶に手をかざしてくれ。名前と賞罰を確認する」
言われるがままに手をかざす。すると光を放ち始め、光が集まり1枚のカードの様なものになる。それには名前と賞罰についてだけ書かれていた。
「それが仮の身分証だ。正規の身分証は何かのギルドに登録してくれ。冒険者でも商業でも何でも良いぞ。ただ冒険者ギルドはタダだが商業ギルドは毎年税金払わなきゃなんないからな。じゃあカヌカの街へようこそ」
「ああ、ありがとう」
そう一言告げ、街への門を潜った。