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越えられない壁
この世の中は理不尽でできている
生きている上で俺は決意した
俺は強くなる
誰よりもあのクソ会長よりも
「ッ!!」
「どうした?鴉蓮それで終わりか?」
この学園の最高権力者であり、最強と言われるのが生徒会長の時雨。
少しでも強くなろうと毎朝こいつを襲うが正直、触れることすらできない。
俺が放つ魔法は片手のみでかき消され、双剣で切りかかっても簡単に受け止められる
悔しいが今の俺じゃこいつに勝てない
時「…時間切れだ」
時計の針は授業の始まりを指していた
鴉「…っ」
また勝てなかった
いや、俺がこいつに勝てたことは一度もない
出会ってから今に至るまでずっと
偉そうで大嫌いな奴
本気で挑んでるのに傷一つつけることすらできない
圧倒的な強さを前に俺は膝をつく
時「…今日でお前がこの学園に来てちょうど一ヶ月 それと同時に玖苑が消えた日だ」
主「…」
玖苑
彼女は俺の唯一の話し相手でそして大切な人だった
俺の大切な恋人だった






