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聖樹の国の禁呪使い  作者: 篠崎芳
聖樹の国の禁呪使い 第一部
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第85話「弱点」

 セシリーさんの目が据わっていた。

 そこはかとなく不満げにも見えるが……。


「セシリー様、もうあがりましょう」


 そう言ってセシリーさんの腕をとったのはヒルギスさん。

 が、セシリーさんは手を振りほどくと首を横に振った。


「いいえ、まだあがりません」


 ヒルギスさんの勧めを拒否したセシリーさんが、とろんとした目つきを俺に向ける。


「クロヒホ」

「クロヒコです……」


 呂律が怪しい。

 助けを求めアイラさんとレイ先輩を見やる。

 が、どちらも困惑しているご様子。

 どう対処したらいいのかわからないといった感じだ。


「な、なんかセシリーの様子がおかしいよ、レイ……」

「ここはボクたちが無闇に手を出さない方がいいかもね……がんばって、クロヒコ!」


 ファイト、とでも言いたげに拳を笑顔で握り込むレイ先輩。

 …………。

 丸投げされた。

 さらにヒルギスさんまでもが、こくり、と俺に頷いてみせた。

 今のは、任せた、というメッセージなんだろうが――なぜ俺?

 ……ま、いいか。


「一度あがりましょうセシリーさん。アルコール入った状態での風呂って、弱い人だと危ないみたいですし……ね?」

「大丈夫、れふ」

「到底、大丈夫には見えませんが……」


 きつく眉根を寄せ、腕組みするセシリーさん。

 何やら頑なな態度である。

 頑として動かないつもりか。

 と、レイ先輩が、


「けどこの浴場で提供されてるお酒って、どっちかっていうと雰囲気を楽しむためのものだから、お酒としては相当弱い部類のものなんだけどなぁ」


 と不思議そうに呟いた。

 てことは……つまりセシリーさん、無茶苦茶アルコールに弱いってことか?

 そういえばこの国、飲酒は何歳からとかってあるんだろうか。

 いや。

 今はそんなことよりセシリーさんをなんとかしないと。

 うーむ。

 仕方ない。


「じゃあ、俺も一緒にあがりますから? セシリーさんがこんなんじゃ、みんな心配でゆっくりできませんし」


 瞼が落ちかかったような目つきのセシリーさんが、じっと俺を見つめてくる。

 すると、


「わかりまひた」


 と言った。

 安堵の息が出る。


「よかった。じゃあ俺が一緒にあがります。ええっと、できれば誰かセシリーさんの着替えだけお願いし――」

「ただし、その前に説教れす」

「説……教?」


 セシリーさん、いきなり何を言い出したんだ?


「あそこに直りなはい」


 セシリーさんが露天風呂から出たところの地面を指差した。

 む。

 あそこなら……湯からは身体が出るからいいか。

 風に当たれば酔いも少しはさめるかも。


「わかりました。聞きましょう」

「よろほい」


 うんうん、と眉間に皺を寄せながら頷くセシリーさん。

 ……よろしい、って言いたかったんだろうな。


 俺は湯から出て正座した。

 セシリーさんも湯からあがってくる。

 …………。

 今のセシリーさんの胸から太もものあたりまでを包んでいるのは、水を吸った布一枚である。

 白い布はぴっちりとセシリーさんの身体にはりついていた。

 そのため身体のラインがくっきりと見える。

 胸の綺麗な形が……その、はっきりわかってしまうほどに。

 正直なところ、非常に目のやり場に困る。

 さらには微妙に布がずれているせいでアングル的に色々まずい感もあった。

 しかも俺が照れて視線を逃がしていると、


「人と話す時は、ちゃんと相手を見なはい。失礼れひょう?」


 とお叱りを受けた。

 …………。

 一体、どうしろというんだ。


「で……話ってなんです?」


 俺は適度に視線を外しつつ、尋ねた。


「あなたのその態度が、気に入らないのれふ」

「お、俺の態度?」

「い〜れふか?」


 説教顔でセシリーさんが人差し指をピコピコ振る。


「そもそもあなたは、もっとわらひに優しくすべきなんれふ。なんなんれすか、わらひには気兼ねなく話せるだとか気安いらとか言って……つまり、適当に扱ってもいいと思ってるんれひょう?」

「決してそんなことは――」

「もひろん!」


 俺の弁解を遮ってセシリーさんが声を張った。


「わかってまふ。わかってまふよ……クロヒホが、本気でわらひをないがしろにしてるわけじゃないってことは……れも……れも、わらひだって、もう少し異性として、特別扱いしてもらいたいんれふ……………………ヒューヘみらいに」

「…………」


 ヒューヘってなんだ?

 最後のは言葉がフニャフニャしすぎてて単語が認識できなかった。

 セシリーさんは瞳を潤ませ、切なげに胸元の布をキュッと小さく握った。


「らから……わらひらって、覚悟を決めて――」


 その時、ふぐぅっ、と。

 セシリーさんの表情がくしゃりと歪んだ。

 そしてその口元がきつく結ばれたかと思うと、その目尻にジワリと涙が滲む。


「せ、セシリーさん!?」

「うえぇ……がんばっらのに……わらひだって、がんばっらのにぃ……」


 ぽろぽろと。

 風呂のものではない水滴が岩肌の地面に落ちる。

 …………。

 え?

 何これ?

 セシリーさんどうしちゃったの?


「あ〜、泣かせたんだ〜」


 レイ先輩?


「クロヒコ……よくわかんないけど、ひどい」


 アイラさん?

 てか、なんでアイラさんまで泣いてるの?


「……最低」


 ヒルギスさんまで!?

 ま、待ってくれ……俺、何も悪くないですよね?


「は、ともかく」


 立ち上がったのはヒルギスさんだった。

 そして風呂から出ると、こちらにペタペタと足音を立てて近づいてきた。


「ヒルギスさん?」

「あまり気にすること、ない。セシリー様、小さい頃に間違えてお酒を口にしてしまったことがあって……その時も、こんな感じだったから。それ以来、なるべくお酒からは遠ざけるように気を配っていたんだけど……」


 ぶえぇぇ、と地面に手をついて嗚咽を漏らすセシリーさんを、ヒルギスさんがばつの悪そうな表情で見下ろす。


「そして、次は多分」

「ク、ロ、ヒ、コ」

「うわっ、今度はどうしたんですか!?」


 さっきまでメソメソしていたセシリーさんが、なんと、今度は妖艶な笑みを浮かべ俺にしなだれかかってきた。

 豹変、ともいえる変わり身っぷりだった。


「わたしに、優しくしてくらはい?」

「だ、だから俺は優しくはしてるつもりなんですが」


 むぅ〜、と不満げに頬を軽く膨らませるセシリーさん。


「なら、甘やかしてくらさい」

「あ、甘やかすって……」

「んふっ……ひょっとしれ、照れてるんれふ? ん〜?」


 指先で俺の胸の敏感なところをセシリーさんがグリグリとしてきた。


「あっ、やめてください……! そこは――」


 ふぅ〜、と耳元に甘く生暖かい吐息がふきかけられた。


「あぁ、だ、駄目――くっ……俺、み、耳が弱――」

「ん? ここれすか? ここがイイんれふか?」


 アイラさんが両手で顔を覆い隠しつつ、指の隙間からこちらを見ていた。


「やだ、セシリー……大胆」


 レイ先輩は愉快そうに眺めている。

 そして、


「う〜ん、これはセシリー・アークライトの意外な一面を拝めたねぇ。学園の男子共に見せたら卒倒しそうだよ。いや、案外喜んだりするのかな?」


 などと呑気なことを言っている。


「これは一体どういうことなんですか、ヒルギスさん」


 俺は絡みついてこようとするセシリーさんを培ってきた戦闘技術で華麗に捌きつつ、ヒルギスさんに問いかけた。

 すると彼女は緩々と首を振った。

 まるで、お手上げだとでも言わんばかりに。


「見ての通り、セシリー様はお酒に非常に弱い。そして近くに親しい人がいると、こうして嫌な絡み方をする」


 ヒルギスさんは憐憫の情を込めた瞳で、セシリーさんを見た。


「ただし近くに親しい人がいなければ、ただぽやーっとしているだけみたい。実は程度を知っておく必要があるとのことで、何度かお母様と二人でこの状態のセシリー様を観察してみたことがあるの」

「ちょっ、セシリーさん! なに俺の腰布剥ぎ取ろうとしてんですか!? きゃあ!」


 思わず変な声が出た。

 奮闘する俺をしり目にヒルギスさんが解説を続ける。


「それによって、この状態のセシリー様には四つの段階があることが判明した。まずは説教がはじまり、それが終わると次は涙混じりに愚痴りはじめる。そして次は――セシリー様のお母様は自分の真似をしているのだろうとおっしゃっていましたが――妙な色香を発揮しはじめるんです」


 たちの悪い絡み酒じゃんか……。

 あの夜のこととは別の意味で意外だった。

 セシリーさんにこんな一面があったとは。


「一度だけディアレス様が被害に遭われた以外は、お母様の頼みもあって、すべてわたしが被害者を引き受けてきたんだけど……ついに、三人目の被害者が」

「解説は助かりました。でも冷静に見てるだけじゃなくて、助けてくれませんか?」

「やり過ごすのが一番。下手に刺激すると、前段階に戻ったりする。つまり、ループになる」

「そんな! って……ちょっ、今度はなんなんですか、セシリーさん!」


 首筋にキスをしてこようとするセシリーさんをどうにか抑えながら、俺はずれ落ちそうになる彼女の布を必死に直す。

 …………。

 その際に色々と軽く触ってしまったことについては、緊急の事態ということで許されるであろう。

 つーか、


「さっき……四段階って言いましたよね? つまり、あともう一段階あるってことですか?」


 お悔やみ申し上げます、みたいにヒルギスさんが頷いた。


「ど、どうなるっていうんだ……って、あれ? セシリーさん?」


 ぺたんぺたん、と四つん這いでセシリーさんが湯の方に向かっていく。

 そのまま落ちることを懸念したらしいアイラさんとレイ先輩が慌てた様子で、抱きとめる体勢に入った。

 が、セシリーさんはすぐにUターンして戻ってきた。

 そんな彼女の手にはコップが握られている。


「あははは、最高の気分れふ!」


 最後は笑い上戸か。

 ま……泣かれるよりはマシか。


「ほえ、クロヒホ!」

「え?」

「あなたも……飲みらはい!」


 急に頭の後ろに手を回され引き寄せられたかと思うと、口に何か慣れない味が広がった。


「んむっ!?」


 これ……例の果実酒!?


「あははは、これれクロヒホも仲間れふね!」


 俺は口元を拭いながら、呆れの息をついた。


「ったく、セシリーさんがこんなにたちの悪――」


 ――どくんっ。


 あ、れ?

 獣の感覚――ではないけど。

 何か――


「…………」

「……クロヒコ?」


 ヒルギス。

 ヒルギスが、俺を見ている。


「ほえ?」


 いわゆる女の子座りをしたセシリーが、あどけなさを感じさせる顔で小首を傾げた。

 …………。

 なんて可愛いんだ。

 俺はセシリーに近寄り片膝をついた。

 そして彼女の顎に手をやった。


「セシリー」

「は、はひ」

「綺麗だ。君は、とても美しいよ」

「へ……へぇぇ!?」


 セシリー……もとい、子リスちゃんは照れて顔を紅潮させた。


「さ、一緒に湯に浸かり直そう。大事な身体が冷えては大変だからね」


 俺は優しく囁きかけた。

 セシリーは拝むように両手を組み合わせると、目をキラキラさせた。


「は、はい……」

「ああセシリー、シイタケアイの君もカワイイよ」

「はい……シイタケです」


 俺たちは並んで岩に寄り掛かった。

 まるで、恋人のように。

 俺は彼女の肩に手を回した。


「好きだよ、セシリー」

「はい……わらひも、大好きれふ」

「ふふ、愛いやつめ」

「はい、セシリーはもっと可愛くなりまふから、もっと愛ひてくらはい」


 セシリーが寄り掛かるようにして俺の肩に頭を乗せた。


「幸せれふ」

「俺もだよ」

「結婚してくらはい」

「ああ、いいよ」

「嬉しいれふ……わらひ、よき妻になりまふね?」


 肩にスリスリとセシリーが頬を擦りつけてくる。


「俺もいい夫になるよ」

「毎晩、愛してくらはい」

「もちろんさ」

「だ、第五段階が……存在していた」


 恐れおののくヒルギス。

 わからんな。

 何を恐れることがあるのか。


「さ、ヒルギスもおいで? 頭を撫でてあげよう」

「なんて気持ち悪いクロヒコ……この人にも、お酒はやめさせた方がいい」

「ふっ、そうだったね。ヒルギスはツンデレちゃんだったね」

「うふっ、つんれれ〜」


 俺の肩に顔を乗せたままセシリーが言った。


「すごいよ……レイ」

「うん……ボクたちは今、とんでもないものを見ているのかもしれない」


 アイラとレイも何やら一歩引いている感じだ。

 二人ともいけない。

 まるで情熱が足りないじゃないか。

 愛は無限大なのに。


 愛とは誰か一人に注ぐものではないのだ。

 全員にまんべんなく注がなくてはならない。

 そうしたらみんなが幸せなれる。

 自明の理だ。

 それがわからぬ者は愚かとしかいいようがないのだ。


「さ、二人ともこっちに来なさい」


 俺が手招きすると、アイラとレイは顔を見合わせた。


「なんかクロヒコが別人だよ、レイ」

「まあたまにはあんなクロヒコもいいんじゃないかな? ある意味、男らしいし」

「ん〜……でも、やっぱりアタシは、普段の優しいクロヒコの方がいいなぁ……」

「この局面で真面目にクロヒコ評をはじめちゃうアイラが、ボクやっぱり好きだよ……」


 レイが何やら感動していた。


「ほら、二人とも何を照れているんだい? 何も遠慮することはない。なんたって俺という存在は、常に開かれているのだから」

「んふふ……かっこいいれふ、クロヒホ」

「セシリーもかわいいよ。なあ、これからは俺だけの宝石になってくれるかい?」

「はい、クロヒホ。わらひ、あなたらけの宝石になりまふ」

「さ、君たちも俺だけの宝石に」


 俺は手を差し伸べた。

 一点の曇りなき眼差しを愛すべき彼女たちへ向けた――あたりで。

 不意に視界がぼやけはじめる。

 俺は額に手を当て、ニヒルに微笑んだ。


「――時間、か」


 よくわからないが色々と限界だった。

 というか何が限界なのか俺にもわからなかった。

 口をついて出た言葉も、自分で言っておいてよくわからなかった。

 だが、意識が遠のいていくのだけはわかった。

 そして意識が途切れる直前、


「好きれふ、クロヒコ」


 そんなセシリー……さんの声が、聞こえた気がした。


          *


「死にたい」


 きっと同じタイミングで同じことを思ったのだろう、意図せず俺とセシリーさんの言葉が重なった。


 今、俺とセシリーさんは休憩場みたいなスペースで並んで正座しながら項垂れていた(ちなみにここも畳の上にソファやローテーブルが置いてあるという仕様だった)。

 二人とも悔恨の念に駆られているのは、あえて言葉に出さずとも明白であった。


「まあ、仕方ないよっ。お酒のせいだったんだもんっ。ほ、ほら、二人とも不可抗力みたいなものだったしっ」


 アイラさんが気遣いの笑みを向けてくる。


 そう。

 どうやら俺は露天風呂でのぼせ気を失ってしまったようなのだ。

 残った三人が、俺たちを運び出してくれたらしい(ちなみに俺を着替えさせてくれたのはレイさんとのこと)。

 で、意識を取り戻した俺は、記憶の方も次第に取り戻しはじめた。

 そしてどうやらセシリーさんも露天風呂での自分の様子を思い出したらしかった。

 二人とも記憶が飛ぶタイプではなく、翌日になって冷静になってから思い出して後悔するタイプのようである。


 自主的に正座する俺たちの前には被害をこうむった三人。


「大変ご迷惑をおかけしました」


 二人揃って深々と頭を下げる。

 が、


「て、ていうかアタシが配るの間違えたんだし、悪いのはアタシだよっ」

「いや、そもそもボクがお酒を頼んだのが悪かったんだ。アイラが悪いわけじゃないよ」

「ううん、アイラとレイは悪くない。そしてクロヒコは……あまり悪くない。セシリー様は、少し悪い」


 と三人とも優しい言葉をかけてくれた(ヒルギスさんはセシリーさんにちょっと厳しめだったが)。

 それでもセシリーさんは、自責の念に駆られているようだった。

 風呂あがりのせいか、あるいはアルコールが残っているのか彼女の頬はほんのりとピンク色に染まっている。


「ですが……わたしが痴態を演じたことに変わりはありません。本当に、すみませんでした」


 深く後悔しているらしい。

 そして俺も同じ気持ちだった。


「俺も、なんだか不遜な物言いを多々してしまった気がします。申し訳ありませんでした」

「うぅ……それにしてもわたし、なんてことを」


 肩を震わせながら畳に手をつくセシリーさん。

 顔から火が出るほど恥ずかしいといった表情をしている。

 そこで――ふと、互いの目が合った。

 互いに顔が赤くなる。

 なんとも言えない、面映ゆい気分。

 というか、気まずい。

 二人とも互いに記憶があるだけに、その気まずさは尋常ではなかった。


「さ、先ほどは失礼しました、クロヒコ」

「お、俺の方こそ……すみません」

「その……わたしがこんなこと言うのもなんですが、あの状態のわたしが言ったことは、気にしないでくださいね?」


 セシリーさんがおずおずと上目遣い気味にチラ見を繰り返す。

 俺は苦笑する。


「ええ、なるべく忘れるようにします」


 しゅん、となるセシリーさん。


「そうしてください」


 一応、俺たちの反省タイムは終了。

 部屋に戻って、あとは予定通り寝るなり夜更かしするなり自由時間だ。


「あの、セシリーさん」


 俺はヒルギスさんと並んで歩くセシリーさんを呼び止めた。

 女子陣は一度部屋に戻るらしい。

 俺もジークのことが気になるので部屋に戻るつもりだった――のだが、


「キュリエさんの様子、見に行こうかと思うんですけど」


 調子がすぐれないと聞いていたので、心配だった。


「キュリエの様子、ですか」


 暫しセシリーさんが考え込む。

 そして、


「どうでしょう……今は、行かない方がいいかもしれません」

「え?」

「その、少し時間を置いてあげた方がいいかも」

「そう、ですか」


 てか、よくよく考えてみればそうだよな。

 俺が行っても具合がよくなるわけじゃないし。

 むしろ今は休ませてあげた方がいいか。


「わかりました。では俺は、今日はもう部屋に戻ります。また明日、ですかね?」

「そうですね。また明日ですね」

「じゃあ、また明日」

「はい、おやすみなさい」


 こうして、セシリーさんたちと別れた俺は男子部屋へと戻った。

 すみません、少し投稿時間が遅れました……。


 しかし、この話はこんなに文字数が必要だったんだろうか……作者もちょっと反省しております。


 次回は幕間になります。

 もう少しでシーラス浴場編も終わりますので、おつき合いいたければ幸いでございます。

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