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聖樹の国の禁呪使い  作者: 篠崎芳
聖樹の国の禁呪使い 第一部
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第74話「聖樹騎士団の三人」

 聴取にやって来た三人は先導するマキナさんに連れられ一旦学内の一室へ。

 俺とキュリエさんも彼らの後に続く。


 俺たちが連れて来られたのは学園長室とほぼ広さの変わらない部屋だった。

 部屋の中心には長机が設えてある。

 俺を真ん中に、両側の席にはマキナさんとキュリエさんがいた。

 対面の席にはソギュート団長とディアレスさん。

 ヴァンシュトスさんは背を壁に預け寄り掛かっている。


「改めまして、聖樹騎士団副団長ディアレス・アークライトです。今日はよろしくお願いします」


 ディアレスさんが会釈する。


「ソギュート・シグムソス。聖樹騎士団の団長だ、よろしく頼む」

「ヴァンシュトス、トロイア……聖樹、騎士団……聖樹、八剣」


 残りの二人も続く。

 こちらも改めて自己紹介を済ませる。

 と、そこでミアさんが入ってきて各人の前に紅茶の入ったカップを置いた(ヴァンシュトスさんには手渡し)。

 そして彼女は一礼して退出。

 ミアさん退室後、マキナさんがカップに触れながら言った。


「あなたたち三人が来るとは意外だったわ。聖遺跡攻略は、今はお休み?」

「先日四十九階層の守護種を倒し五十階層へ到達したところだが……まあ、ここらで一休みといった感じだな」


 団長が答えた。


 五十階層到達か。

 なんか、すごい。


 と、不意に沈黙が訪れた。

 その中でマキナさんは平然と口にカップを運ぶ。

 少ししておもむろに口を開いたのは、ディアレスさんだった。


「さて、ではまず当日のことを改めて聞かせてもらっても?」


 俺は一度マキナさんとキュリエさんの二人に視線で問うた。

 彼女たちからは小さな頷きが返ってくる。

 俺は頷き返す。


「わかりました」


 居住まいを正す。


「では、俺から説明させてもらいます」


 若干の緊張がありつつも、俺は滔々とことの顛末を述べた。

 あくまで客観的に起きた出来事を淡々と述べ、話すべきと判断した情報だけを口にした。

 聖樹騎士団の三人は時折相槌を打ちながら黙って話に耳を傾けていた。

 彼らは当時王都で起きていた一連の殺人事件の犯人を追っていた立場である。

 一応その犯人――ヒビガミの事件後の動向を掴んでおかなくてはならないのだろう。


 一通り話し終える。

 すると団長が、


「ふむ」


 と唸った。


「大方は、これまでに集まった情報と大差ないか」


 記帳していたディアレスさんが羽根ペンを止める。


「そうですね」

「が、動機の面が明確になったのは収穫だな。なるほど、そのヒビガミという男は戦闘狂のたぐいか」

「しかも第6院ですからね。これで懸賞金をかける案も難しくなった。まあ、そもそも力量で上回る人間がどれほどいるかの方が問題なのかもしれませんが」


 懸賞金をかけるのが難しい。

 今の発言は懸賞金をかけた本人やその周囲の人間が狙われたという、過去の事例から導き出されたものなのだろう。


「あ、そもそもすでに国内にはいない可能性が高いんでしたっけ?」


 ディアレスさんの質問が俺へ飛んできた。


「ええ、帝国に向かうと言ってました」


 ふーむ、とディアレスさんが頬杖をつく。


「帝国、ですか」


 …………。

 こうして見ると、改めて彼がセシリーさんのきょうだいなのだと思わされる。

 セシリーさんがショートカットになったらこんな感じなのかもしれない。


 ただし性別が違うこともあって声はセシリーさんとは大分違っている。

 それに、たおやかさはあるものの立ち振る舞いや仕草が明らかにセシリーさんよりも男性的である。


「となると今は放っておくしかないか。帝国にいるのなら尚更だ……不本意ではあるがな」


 団長が言った。

 ただ、不本意とは口にしつつも未練や悔しさは欠片ほども窺えなかった。


 そうなのだ。

 事情聴取と聞いていたが、どうも聖樹騎士団のお三方……なんというか力が入っていない感じがする。

 おざなりとまでは言わないが、聴取を手早く事務的に済ませようとしている印象を受けた。

 しかしこれまでのマキナさんの反応を見るに、軽い用事のためにわざわざ足を運ぶ暇のある三人とも思えない。

 つまり……何か別の目的があるという理解でいいのだろうか。


「形式的な事情聴取は、まあこんなところか」


 と、前座は終わったとでも言いたげな様子で団長が椅子の背に体重を預けた。

 チビチビと紅茶を飲んでいたマキナさんが口を開く。


「ここからが本題ということかしら?」


 団長の鷹のように鋭い目がキュリエさんと俺を順番に捉えた。


「禁呪使いと第6院の出身者、是非とも会ってみたくなってな」


 団長の視線がキュリエさんに戻る。


「キュリエ・ヴェルステイン、といったか? 聞いたところによると第6院の出身者だそうだが」

「そうです」


 キュリエさんは即座に肯定する。


「どうだ、ディアレス?」


 団長から問われ、ディアレスさんは爽やかな笑みを浮かべた。


「美人ですね。うちの妹とは違った部類の」


 数秒、間があった。

 団長とディアレスさんの視線はキュリエさんへ固定されたまま。

 それから憮然とした顔の団長は一つ唸ると、ディアレスさんに言った。


「強いな」

「ええ」

「キュリエ・ヴェルステイン」


 団長が呼びかけた。

 

「そのヒビガミという男、おまえよりも強いか」

「強いです」

「ふん……そうか。よくわかった。そして、そっちの禁呪使いは確か……サガラ・クロヒコといったか」

「はい」

「おまえとキュリエ・ヴェルステインでヒビガミを追い返した……そう聞いているが、やはり禁呪の力で?」


 一度、俺とキュリエさんは視線を交差させた。


「……禁呪の力のおかげだと思います」


 嘘ではない。

 禁呪の力であることに変わりはないだろう。


「ルノウスフィアの妹――学園長」


 言い直してから団長がマキナさんを見る。


「何かしら?」

「今年は、よい生徒が入ったな」


 マキナさんは口元を真一文字にし、ちょっと意外そうな顔をした。


「もし聖樹士として入団するならば、聖樹騎士団は二人を歓迎しよう」

「……今日は、二人をその目で見るために?」

「少なくとも、おれはな」


 これにはキュリエさんも僅かに戸惑いの色をみせた。


「私は……第6院の人間なのですが」

「それがどうかしたのか」


 こともなげに団長は即答した。


「おれは第6院だからと十把一絡げにするつもりなど毛頭ない。それは亜人でも同じことだ。大事なのは種族でも血筋でも家柄でもない。認められるべきは、その人物の実力だ。あとはまあ――」


 団長が隣の副団長を一瞥した。


「人格に恵まれていると、ありがたいな」

「今の、明らかに私へのあてつけですよね?」


 にっこりとディアレスさんが団長に笑いかける。


「自覚があるようで、ほっとしたぞ」

「はっはっは、団長は冗談がお上手だ。ちなみに、ヴァンシュトスはどう思います? 私、そんなに性格悪いですかね?」


 急に話を振られ、ヴァンシュトスさんは困った風に眉根を寄せた。


「む……お、おれは……ディアレスはよき人格者であると、思っている。き、騎士団の皆も……おまえが来て、前よりも雰囲気がよくなったと、口を揃えて、言っている。おまえは、よい男、だ」

「だ、そうですが? ソギュート、何かご感想は?」

「どいつもこいつも騙されているか、あるいは弱みでも握られているんだろう。ヴァンシュトスも、無理をしなくていいぞ?」

「い、いや……おれは、無理など……」

「ほら、ヴァンシュトスはちゃーんと私のことをわかってくれてる。ソギュートだけですよ? 騎士団の中で私のことをそんなひどく言うのは」

「おまえが人格者なら、この国の人間は一人残らず人格者だろう」

「一体いつになったら私はあなたの信頼を得られるんですかねぇ」

「未来永劫ないな」


 はっはっはっ、とディアレスさんが笑う。

 なんというか……聖樹騎士団トップスリーは普通に仲よさげだった。


「まあ国の管理下にある以上、まったく出自を問わずにというわけにもいかないのが現実だがな。さっきのは、おれの信念みたいなものだと思ってくれ」


 それこそあてつけめいた言葉を投げられると思っていたのだろうか、キュリエさんの戸惑いは消えずに顔に残っていた。

 キュリエさんのその様子を見てか、団長が言葉を足す。


「別に無理に入団しろと言っているわけではない。聖樹騎士団の団長として歓迎の意思があるというだけの話だ。まだ一年目だろう? そう深く考えることもない。ゆっくりと決めればいい」

「……気持ちだけは、ありがたく受け取っておきます」


 キュリエさんは複雑そうな面持ちで言った。


「あ、団長ふられた?」


 ディアレスさんが嬉しそうに言った。

 ぽかんっ、となんと憮然顔の団長が彼の頭をげんこつで殴った。


「あたっ」

「少し黙ってろ」


 …………。

 仲いいなぁ。

 と、団長が俺の方へ向き直った。


「サガラ・クロヒコ」

「はい」

「おまえもその気があるなら、おれとしては歓迎する。ただまあ、まだ候補生生活は長い。おまえも、焦らずじっくりと考えるといい」

「あ、ありがとうございます」


 じっ、と団長が俺を見つめてきた。

 え?


「……ディアレス、こっちはどう見る?」


 俺から視線を外さぬまま団長が再びディアレスさんに呼びかけた。


「未知数ですね。振れ幅が大きい、といった印象でしょうか。上手くは言えませんが……実に興味深いのは確かです」

「同感だ。この男はどう化けるか、おれにもわからん」

「ただ、私は見てみたいですね、彼が聖樹士となり騎士団に入団した姿を」


 うーん。

 未知数か……。

 キュリエさんよりは微妙ってことかな?

 ま、キュリエさんより実力が下なのはわかっている。

 …………。

 三年間、がんばろう。


「とまあ、おれは以上だ。で……ディアレスも何か用件があるんだろう?」

「あー……ええ、それほど大したことではないのですが」


 一度ディアレスさんは俯きがちに視線を伏せた。

 それからキュリエさんへゆっくり視線を向ける。


「第6院出身者のあなたに一つお聞きしたいことがあります。ロキアという男を、ご存じですか?」


 俺は自然にカップを口に運びつつポーカーフェイスを装った。

 顔に出やすいと言われているのでせめて口元だけでもカップで隠す算段である。

 ノイズやロキアのことは今のところ彼らには伏せてある。

 見たところマキナさんもそのことについて聖樹騎士団に話すつもりはないようで、表情はいたって平静のまま。

 今のところ俺が知っている素振りを見せるのはまずい。

 そんな俺の考えを察してくれたらしい。

 キュリエさんはすぐに回答を口にした。


「ええ、知っています。ここ一年以内にも顔を合わせました」


 一年以内、という表現は上手い。

 先日会っていても『一年以内』になるわけだから。


「何度か、会っていると」


 ディアレスさんの表情に本日初めて浮かないものが走った。

 声にも僅かに苛立ちにも似た感情が乗っている。

 微かな躊躇いの後、そっと彼は唇を開いた。


「あの男……ロキアは私について、何か言っていませんでしたか?」

「いえ……あなたの名が出たことはありませんでしたが」


 ディアレスさんの口の端が歪んだ。

 あれは……不快感?


「……そうですか」

「知り合い、なのですか?」


 キュリエさんが聞くと、ディアレスさんの口元に暗い笑みが浮かんだ。


「あの男とはちょっとした因縁がありましてね。一言で言うならば……私に屈辱を与えた相手、とでもいうべきでしょうか」


 感情の消えた冷えた瞳。

 だがすぐにその表情は消え去った。


「……今のは忘れてください。第6院の出身者が今日の聴取の場に居合わせると耳にしたので、一応聞くだけ聞いてみたいと思っただけですので」


 さっき一瞬ディアレスさんが覗かせた表情。

 セシリーさんの『あの表情』と同じだった。

 …………。

 きょうだいだ。

 あの二人、確かすぎるほどにきょうだいだ。


 ていうか。

 アークライト兄妹は、兄妹そろって第6院の男にやり込められた経験があることになるのか。


 どうしよう?

 この学園にロキアがいるって伝えた方がいいのだろうか?

 …………。

 いや、今はやめといた方がいいな。

 第6院の人間は第6院の人間で今はノイズのことで色々と大変そうだからな。

 余計な火種を生みかねない。


「ふっ」


 こちらも本日初めての表情だった。

 団長が笑ったのである。

 口の端がくいっと上がった程度ではあるが。


「男よりは女を追いかけておけよ、ディアレス。つまらん過去に囚われるとは、らしくないぞ」

「む……私にとっては、重大な禍根なんです」


 むすっとなるディアレスさん。

 しかし団長はふんぞり返り、うむ、と満足げに頷いた。


「おまえが他人に執着するとは珍しいから、よっぽどの禍根だな。ロキアとやら、いい仕事をした」

「ヴァンシュトス」


 すがるような顔でディアレスさんがヴァンシュトスさんを振り向いた。


「ソギュートが苛めるんですが」

「団長……言いすぎでは、ない……です、か」

「こんな機会、めったにないからな。なるほど、ディアレス・アークライトにも弱点はあったわけだ」

「ここで話したの、失敗だった……」


 ディアレスさんがずーんと落ち込んでいた。


「ああ、ヴァンシュトスも何かあったんだったな?」


 団長が水を向けた。


「む……あ、ああ……おれは、謝りたくてな」


 うん?

 謝る?


「サガラ・クロヒコ、キュリエ・ヴェルステイン」


 ヴァンシュトスさんは背を壁から話すと、姿勢を正して俺たちに向かって深々と頭を下げた。


「話は、聞いている……弟が……し、失礼をしたようだ……兄として、しゃ、謝罪する……すまな、かった」


 弟……。

 つまり、バシュカータ・トロイア?

 え?

 もしかしてヴァンシュトスさん、例の巨人討伐作戦でのバシュカータの振る舞いについて謝罪しているのか!?


「い、いえいえ! そんな……ヴァンシュトスさんが謝るようなことじゃないですよ! ね、ねぇキュリエさん!?」

「あ、ああ……結果としてバシュカータはあんなことになったわけだから、恨まれこそすれ……あなたが謝る必要は、何も……」

「いや……弟の振る舞いに、問題があるのは……わかっていた。が、おれは、見て見ぬふりを、してきたのだ……」


 表情に変化は乏しいが、ヴァンシュトスさんの感じている口惜しさは伝わってきた。


「母にも、問題が、あった……おれが、こんな風に愛想がなく、口ベタである、反面……お、弟は、愛想が、あって、明るく……母のお気に入り、でな……弟は、そんな母に、甘やかされて……育ってしまった、のだ」


 そういえばバシュカータの母親についてはマキナさんから聞いたことがある。

 俺たちは巨人討伐作戦の最中に拾ったフィブルク班のものと思しき聖剣や魔剣を一応、回収していた。

 しかしどう扱えばいいのかわからなかったので、一旦それらを聖遺跡会館に預けていた。

 で、遺跡内で死に長き眠りについたバシュカータを引き取りに来た彼の母親は、マキナさんや学園関係者に『管理がなっていない! 一体どうなっているのこの学園は!』など散々罵倒と恨み言を浴びせかけた後、しっかり聖剣と魔剣は回収していったらしい。

 一方、眠るバシュカータには縋りついておいおいと泣いていたんだとか。

 現場には居合わせなかったのだが、マキナさんから散々愚痴で聞いていたのでその話は鮮明に覚えていた。


 まあ、そんな母親に育てられたなら……あの性格も納得いく気がする。

 てか『母殿が聖剣や魔剣を集めてバックアップしてくれるのだ!』とかドヤ顔してたけど、バシュカータは案外マザコン男だったのかもしれないな……。


「おれは……母が、苦手で……強くものが言えなくて、な……。が、おれの、責任、でもある……弟の無礼、あ、改めて……すまな、かった」

「ヴァンシュトスさん……」


 な……なんつーいい人なんだ。


「俺たち気にしてませんから。謝らなくても大丈夫ですよ。むしろ、恨まれる覚悟だったっていうか」

「私もクロヒコに同感です」

「き、気遣い……痛み、入る」


 ディアレスさんが苦笑する。


「真面目ですねぇ、ヴァンシュトスは……それに大丈夫ですよ? あなたは自分のことを、愛想がないとか口ベタだとか言いますが、私はあなたのこと好きですよ?」

「む……う、うむ……感謝、する」

「あれ? ヴァンシュトス、もしかして照れてます?」

「う……いや……」

「真面目なヴァンシュトスをからかうな、阿呆が」

「ったぁ!」


 ぼこんっ、と団長が二度目のげんこつをディアレスさんの頭に振り下ろした。


「この国で私の頭を殴るなんてあなたくらいですよ、ソギュート!?」

「皆、遠慮しているだけだろう。ま、団長特権だ」

「乱用は勘弁してくださいね……」

「そうさせないよう努力しろ。……さて、各人の用件は、こんなところか」


 団長が右腕を長机について椅子から腰を浮かせた。


「ところで、学園長」


 空気がやや変わった。

 団長がじっと深い闇めいた黒目でマキナさんを見下ろす。


「あなたにも一つ聞きたいことがあるのだが」


 マキナさんが負けじと――みたいに見える――見つめ返す。


「聞きたいこと? 一体、何かしら?」

「禁呪使いのことをやけに手厚く保護しているようだが……その男を手元に置いて、何をするつもりだ?」

「なるほど」


 すっ、と。

 マキナさん顔に薄っすらと冷たい笑みが浮かんだ。


「それを聞くのが本題だった、というわけ?」


 団長が右手で、自分の左腕のつけ根に触れた。


「――復讐か?」


 マキナさんは口を噤んだまま。

 それから少しして、ふぅ、と彼女は息を吐いた。


「いいわ。この機会だし、誤解を解く意味でも話しておくべきかもしれないわね」


 マキナさんが小さな手を長机の上で組み合わせた。


「私の姉のことを」


 マキナさんの……お姉さん?

 次に口を開いたのは、席に着き直した団長だった。


「クリス・ルノウスフィア。当時、最年少で聖樹騎士団の副団長にまで上り詰めた名門ルノウスフィア家の長女にして才媛だ。最年少記録こそディアレスによって破られたが、未だに術式使いとして彼女を上回る才を持つ者は、聖樹騎士団には現れていない」


 マキナさんは語り役を団長に譲ったようだった。

 彼の方が適役だと判断したらしい。

 そして団長は、語り始めた。


 クリス・ルノウスフィアの死について。

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