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聖樹の国の禁呪使い  作者: 篠崎芳
聖樹の国の禁呪使い えくすとらっ!
151/284

1.「生徒会長と風紀会長」


 目覚まし時計は人を起こすために、わざと不快な音を発するようにできているという。


「おはようございます、クロヒコ様」


 ただし心地良く眠りから覚めるには、自然な環境音や人の声の方が良いとも聞く。


 心地良い柔和な声で、俺は目を覚ます。

 右目を開くと、声に負けないほどの柔らかな顔をした女の子の姿が目に入ってくる。


「おはようございます、ミアさん」


 この世界に来る前、俺は必ず起きる必要のある時は目覚まし時計を使っていた。

 声で起こしてくれる人など、誰もいなかったからだ。


「ご朝食、もう用意ができておりますので」


 菫色の髪をした、獣耳の少女。

 おっとりとした雰囲気を持つ可愛らしい人だが、普段の仕事ぶりはミス一つない徹底しさを誇る。

 ちなみにメイド服を着たその少女の胸の双丘は、布地に包まれていても、なお激しい主張を覚えるほどには豊かであった。

 彼女との身体的な距離が近い時、たまにくすぐったいような妙な緊張を強いられるのは秘密である。


 ミア・ポスタ。

 彼女は、俺の通っている聖ルノウスレッド学園の長マキナ・ルノウスフィア付きの侍女である。

 彼女は自ら進んで、この聖ルノウスレッド王国で暮らす俺の生活の世話をしてくれていた。

 もちろん彼女には彼女の侍女としての仕事があり、毎日世話をしてもらっているわけではない。

 それでも、彼女には本当に助けられている。

 朝食を平らげ、学園へ通う準備を終えると、俺は家のドアを開けた。


「それでは行ってらっしゃいませ、クロヒコ様」


 丁寧な一礼で、送り出される。


「じゃあ行ってきます、ミアさん」


 空は快晴。

 暑期が近づいているせいか、最近気温が上がってきたようにも感じる。

 移行のタイミングは生徒の判断に任せられているが、最近はちらほらと夏用――暑期用の制服に衣替えする生徒も出てきたようだ。


「うん」


 学園の東側にある女子宿舎からやや離れた場所に建つ自分の住処を一度振り返って眺めてから、俺は聖ルノウスレッド学園の本棟へ向けて歩き出す。


「いい朝だ」


 今日も、聖樹士候補生としての一日が始まる。





 女子宿舎の門に寄り掛かっていた銀髪の生徒が、俺に気づいて近寄って来た。

 キュリエ・ヴェルステイン。

 ミステリアスなクールさと、以前いた世界の雑誌やテレビで見たモデル顔負けの抜群のスタイルを持つ美少女。

 同級生で同じクラスの彼女は、俺の剣の師匠でもある。

 普段はここでこうして待ち合わせをして、一緒に登校している。


「キュリエさん、おはようございます」

「ああ、おはよう」

「じゃ、行きましょうか」

「ああ」


 出会った頃と比べると、この人も大分丸くなったと思う。

 それにしても、と俺は周囲へ視線を行き来させる。

 女子宿舎で合流しているから当然、今この辺りはどこを見ても俺以外は女子ばかりである。

 キュリエさんと一緒に登校し始めた頃はあまり好意的ではない奇異な視線を注がれたものだが、今は少し違っている。

 少なくとも、好意的な視線と言っていいだろう。


「なんだか色々と変わったなー、って気がします」

「どうした、急に?」

「いえ、大したことじゃないんですけど」

「四凶災とノイズの件は――特に四凶災の件は、知っている者は知っているからな。噂に蓋はできん、か」


 一月ほど前、ここ王都クリストフィアは凶災と呼ぶべき四人の男たちから襲撃を受けた。

 それは、一国の軍隊から襲撃を受けたのと等しい――否、それ以上の脅威と言えるものだった。

 俺は大きな犠牲を払いながらどうにかその四凶災を二人倒したのだが、ある事情から、四凶災は表向きこの王都を守る聖樹騎士団が倒したこととなっていた。

 けれども四凶災の一人と俺が戦った場所がこの学園であり、その際生徒の目撃者もいたため、俺が四凶災を倒した事実はある程度広まってしまっているようだった。


「四凶災どころか、おまえはあのノイズまで倒したんだ……もう、敵なしかもな」

「あの、俺、未だに剣ではキュリエさんに勝てないんですが」

「フン……私だっておまえに追いつかれまいと、これでも必死なんだぞ?」

「え〜? ほんとですかぁ?」

「む、なんだ? その訝しんだ目は?」


 訓練とはいえ、キュリエさんと剣で戦っていると彼女を越えるのなんて不可能なのではないかと思わせられる。

 まあ、個人的にはそれが嬉しくもあるのだが。


「ただまあ、おまえは剣の技術という点においてはまだ発展途上なのかもな。ヒビガミや私の剣筋を禁呪の力で習得しているとはいえ、自分自身に《最適化》できているわけではないようだからな」

「他人の技は所詮、他人の技ってことですよね……」


 いくら《禁獣》の力で相手の剣技をコピーできても、俺自身が己自身から絞り出して編み出した剣でなければ百パーセント以上の力は引き出せない、というわけだ。

 いや、前の世界で呼んでいた漫画や小説なんかだと、相手の技やスタイルをコピーして、それ以上の能力を発揮するキャラクターとかもいたけれど……現実は、厳しい。


 しかも相手の力や技を《喰らう》禁獣の力は、もう使えない。

 禁呪は使用可能だが、現在禁獣は禁呪王によって封印的な拘束を施されている。

 おかげで、禁呪の宿主の意識を侵蝕する禁獣の心配はしなくてよくなった。

 だが、禁獣の力を切り札として使うことはもうできない。

 禁呪による成長速度や治癒力の増進は残っているが、これからは、むしろ禁呪すら使わなくても良くなるくらい自分自身を鍛えていかなければならない。


 あの男との決着も、あることだしな。


「それに確か、そろそろ聖樹騎士団が戦闘授業に参加してくれるんじゃなかったか? 彼らから教わることも、多いだろう」


 四凶災との戦いで優秀な聖樹士を多く失った騎士団は、失った聖樹士の穴を埋める未来の聖樹士を鍛えるべく特別教官として戦闘授業に参加し、候補生に指導する予定となっていた。


 四凶災とノイズの件の後、王都の人々は様々な後処理に追われていた。

 特に死者を多く出した聖樹騎士団は、死者の弔いの儀式など、ここ一月ほどは多忙を極めていた。

 戦闘授業に参加できる余裕ができたということは、ようやく後処理が落ち着いて来たのだろう。


「ところでキュリエさん」

「なんだ?」

「純粋な戦闘能力的に、四凶災より強い相手となると、他にいるんですかね?」

「四凶災と並び立つと言えば《終末女帝》だが、あれはあくまで伝説上の存在みたいだからな……。匹敵する可能性がある人物なら、やはりソギュート団長とか、ルーヴェルアルガンの《戦鎧鬼》、帝国の《武神》あたりじゃないか?」

「6院の……ヴァラガ・ヲルムード、でしたっけ? ノイズとの戦いの中で、ヒビガミとやり合える人物みたいな言い方をされてましたけど」


 すると、キュリエさんが渋い表情になった。


「むぅ……あいつはなぁ……ロキアとは違った意味で、すごく面倒くさい男だからなぁ……正直、私は苦手だ」


 俺は苦笑する。


「キュリエさんが得意な6院の人間って、いるんですか?」


 なんか、みんな苦手っぽいですけど。


「フン……おまえも知っての通り、私はあそこじゃ浮いてたんだよ。得意な相手が一人でもいれば、あんな居心地の悪さは感じてないさ」


 周囲から自分だけが異物として浮いている感覚はなんとなく、俺にも理解できる。

 それは自分だけは特別な存在だなんていう自尊心を満たすような感覚ではなくて、ただ、すわりの悪い違和感がずっとつきまとう感覚。

 その感覚につきまとわれていると、ふと、自分がこの世界で不必要な人間なのではないかと考えるようになってしまう。


「今は……居心地、どうですか?」

「フン、悪くはないな」


 ふふ、と俺は笑う。


「俺もです」


 学園の昇降口の近くまで来た時だった。


「あれ? なんか、人が集まってますね」


 昇降口に向かう途中、ちょうど人だかりの原因が望める位置があった。


 二人の女子生徒が、対峙している。


 一人はキュリエさんよりも濃い色の銀髪を持った、縦ロールの女生徒。

 やや紫がかった銀色、と表現すべきか。

 脚が長く、黒タイツを穿いている。

 糸目気味の目つき。

 その佇まいには幽玄さが漂っており、どこか自負心に満ちた空気も感じられる。


 その紫銀の髪の女生徒と対峙するは、制服の上に着流しのようなものを羽織った黒髪の女子生徒。

 髪は長く、前髪は横に切りそろえられている。

 対峙する女生徒より身長はやや低い。

 口元に咥えているのは……何かの葉、みたいだ。

 百合に似た白い花の髪飾りをつけている。

 かんざし、だろうか。

 涼しげな目つきだが、その奥には秘めた意志の強さが感じられる。

 腰のベルトに下げているのは、刀のようだ。


 紫銀の髪の女生徒が、言った。


「こんなところで鉢合わせするとは珍しいですわね、クーデルカ・フェラリス。ところでいつもと通学のお時間が違うようですが、わざわざわたくしに会うために合わせてこられたのですか?」

「そういうことです――ドリストス・キールシーニャ」


 ん?

 二人ともどこかで名前を聞いたことがある気がするぞ?


 クーデルカ・フェラリス。

 ドリストス・キールシーニャ。


「――って、あの二人が、風紀会長と生徒会長なのか?」


 つまり二人とも、五大公爵家の娘か。

 マキナさんから聞いた話だと、両家はトロイア公爵家やシグムソス公爵家よりも政治的影響力が強くて、もしあの二つの公爵家が結託したらルノウスフィア家でも太刀打ちできないだろう、ということだった。


 今まで視界に入っていたことはあったのかもしれないけど、あの人たちが風紀会長と生徒会長だとは、俺は認識していなかっただろう。

 まあ学年も違うし、もしかしたら入学式の日に挨拶とかしたのかもしれないけど、俺は入学式には出てないしな……。


 確か生徒会長が小聖位第二位で、風紀会長が小聖位第三位だったはずだ。

 しかも生徒会長は第一位のベオザさんから、自分よりも実力が上だと言われていたと記憶している。

 つまり――この学園において《最強》の称号を持っている、ということだ。


「貴方がわたくしに好意的な用件で会うために、いつも鉢合わせを避けるためにずらしている時間に合わせてくるとは、思えませんけれど」

「もちろん、好意的ではありません」

「ところで、クーデルカ」

「…………」

「例の前期評価を決める聖武祭ですが、どうやら学年別の部門とは別に、無学年級の部門が設置されるようですわよ?」

「訂正してください。設置させた、の間違いでしょう?」

「あらあら、なんの根拠があってそんなことをおっしゃるのかしら?」

「あなた――ドリストスというだけで、説得力があります」

「フフ……まあ、良いではありませんの。これでようやく、わたくしとあなたの決着が正式につけられるかもしれませんのよ?」

「だから、私は反対しなかったのです。それよりドリストス、私の用件をいいですか?」

「あらあら、これは失礼いたしましたわ。どうぞ」


「サガラ・クロヒコを生徒会に引き込もうとしていると聞いたが、本当か?」


 え?

 急に自分の名前が出て、驚いた。

 隣でキュリエさんが「む」と反応する。

 ドリストス会長の表情が、能面に近くなる。


「だとしたら?」


「不愉快です」


「あらあら? 禁呪使いサガラ・クロヒコは貴方の所有物なのですか、クーデルカ?」

「違います。ですが、彼にはすでに私たち風紀会が話を通していました。それを、言っておきたかったのです」

「はい、聞きましたわ。これで――用件は、おしまいですわね?」

「……蛇」


 ドリストス会長の能面に、罅が入ったような錯覚を覚えた。


「……今、なんと?」

「いえ、失礼しました。なんとなく、そう見えたような気がしましたので」

「わたくしを……蛇、と?」


 うーん。

 気にしているワードに、わざと触れた感じだ。

 とにかく二人の会長の仲が悪いのは、理解できた。


「あれが学園無敗と学園最強です、クロヒコ」


 隣に現れた人物が、俺の肩に手を置いた。


「ベオザさん」

「おはようございます。いやいや、美しい朝ですね。ですが、この美しい朝の中あのような言い争いはいかがかと思いますよ」


 悼むように、隣に現れた人物が額に手をやる。


「剥き出しの悪意的な罵倒の応酬よりはマシですが、嘆かわしいのは事実です」


 ベオザ・ファロンテッサ。

 三年生。

 小聖位、第一位。

 聖遺跡に現れた巨人の過去の一件を経て、今では仲良くさせてもらっている学園の先輩である。


「ドリストス、クーデルカ!」


 ベオザさんが、二人の会長に呼びかけた。

 二人の会長がこちらを向く。


「ベオザ? あら、その隣にいらっしゃるのは――」

「…………」


 周囲の生徒が、ざわつき始める。


「おいあれ、三年のベオザ・ファロンテッサだぜ……小聖位、第一位の」

「ていうか隣にいるのってあれだよな? 一年の、禁呪使い――」

「あいつ、四凶災を倒したんだろ? しかも、四凶災の裏で暗躍してた第6院まで倒したっていう話だぜ?」

「あの左眼も、戦いの中でやられたのか……」

「いや、むしろ四凶災と戦って今ああして無事でいること自体、すげぇよ」

「見て、キュリエ・ヴェルステイン様もいるわ。あぁ、今日もお美しいわぁ……」

「一年に様をつけて憧れるの、正直あたしはどうかと思うけど……でも、あぁ、今日も凛々しいのは同意……」


 ……キュリエさんのファンが、増えている。


「フフ……これは、少々見苦しいところを見せてしまいましたわね」


 ドリストス会長が歩き出し、昇降口――こちらへ向かって来る。

 彼女が歩き出すと、何人かが人だかりから彼女について行く。

 おそらくは生徒会の面々か。

 生徒会のメンバーを引き連れて堂々と歩く姿は、人を従える風格を漂わせていた。

 ドリストス会長が俺たちの前で一度、立ち止まった。


「ベオザ、聖武祭……貴方は、どうするのかしら?」

「私は、三年の部に出場する予定ですよ。つまり――学園最強のあなたとは当たらないであろう、ということです、ドリストス」

「フフ、謙虚ですわね……ですがわたくしが無学年級で優勝したら、小聖位第一位の座も危ういのではなくて?」

「ご冗談を。すでにあなたは、実力的には第一位みたいなものでしょうに」

「実力的には、ですか。さて、それは――」


 糸目がやや開き、ドリストス会長が俺とキュリエさんを一瞥した。


「どうでしょうかね?」


 俺は。軽く会釈した。


「フフ……今日は怖い後輩が背後におりますので、このまま去ることにいたしますわ。それではごきげんよう、サガラ・クロヒコ」


 ドリストス会長は、生徒会の面々を引き連れて昇降口へ消えて行った。

 続けて、俺たちの前に現れたのは、同じく風紀会の面々らしき生徒達を引き連れた、クーデルカ会長だった。


「こうして面と向かって会話するという意味では、初めましてになりますかね。私はクーデルカ・フェラリスです」

「レイ先輩から話は聞いています。俺は、サガラ・クロヒコです」


 ちなみに、風紀会の一員であるレイ先輩の姿は見えない。


「サガラ殿、ですね? もし機会がありましたら、一度、風紀会に足を運んでいただけないでしょうか」


 クーデルカ会長が、手を差し出してきた。


「私、あなたに興味があるのです。お話ししたいことも、ありますし」

「ええ、機会があれば」


 そういえば以前、風紀委員のレイ先輩が風紀会長が俺に会いたがっているみたいなことを言っていたっけ。


「ヴェルステイン殿も、よろしければ是非」

「ん? ええ……私も、機会があれば」


 風紀会の場合はレイ先輩という繋がりがあるので、生徒会と比べるとやや親近感というか、安心感がある。


「感謝いたします。さて、朝方にお引き止めするのも気が引けますので、今回は挨拶だけということで……では、失礼いたします」


 そうしてクーデルカ会長が去ったところで、集まっていた生徒たちもようやく校舎の中へ――と、思ったのだが。


「なんか今度は、向こうで人だかりができてるけど……」


 ベオザさんが隣で「真に美しいものの気配がします」と、呟いた。

 生徒たちが「うぉぉおお、暑期服だぁぁああああ!」「会長たちも捨てがたいけど、やっぱり俺はこっちだ!」「見ただけで幸せになれる……俺、今日も頑張って生きるよ」などと声を上げている。

 さっきの会長たちのように、殺伐とした空気ではない。

 ……なんとなく、想像がついてきた。

 隣を見やれば、キュリエさんも得心いったような顔をしている。


 そして、人の波を割ってこちらへ歩いて来たのは、


「……やっぱ反則だろ、あいつは」


 キュリエさんが苦い笑みを浮かべていた。

 寒気服と比べ、肌の露出が多い暑期服。

 長いハニーブロンドを後ろで一つに結っているその人物は、優雅な微笑を浮かべながら、まるで計算され尽くされたかのような美しい歩調で、俺の方へ一直線に近づいてきた。


「おはようございます、クロヒコ」


 目の前で立ち止まった少女が、首をちょっとだけ斜めに傾け、そう挨拶してきた。

 暑期服で印象が変わっているせいか、思わず、俺は初対面のような気恥ずかしさを覚えてしまう。


「あ……お、おはようございます、セシリーさん」


 ルノウスレッドで《宝石》と呼ばれる国宝級の美少女、セシリー・アークライト。


 先ほどベオザさんが言った『真に美しいもの』という表現は、あながち間違ってはいないだろう。

 それほどまでに、彼女は美しい少女である。

 しどろもどろに挨拶を返す俺の肩を、セシリーさんがぽふぽふと気安く叩いてきた。


「あははっ、もう! 今さら何を照れているんです? わたしなんて、すっかり見慣れたでしょうに」


 はぁぁ、となんだか弱った気分で息を吐く。


「だと、思ってたんですけど」

「ふふ、ですがそう言ってもらえるのは正直、嬉しいですよ?」


 ……というか、見慣れてたらこんな風に生徒が集まって来ない気もしますが。


「あら? どうしました?」


 警戒心なく身を寄せてくるセシリーさん。

 このあたり、この人は計算づくでやっているのかどうかの判断が難しい。


 そして――


 やはり見慣れていようと、照れるものは照れる。


「…………」


 美人は三日で飽きるなんて話はやっぱり、眉唾なのではないだろうか。



          *



 普段とやや違った光景があったものの、今日も、こうして聖ルノウスレッド学園での一日が始まるのであった。






 というわけで……大変おまたせいたしました。

 「聖樹の国の禁呪使い えくすとらっ!」、開始でございます。


 この「えくすとらっ!」から、第一部とは少し書き方も変わってくるかと思います。


 基本「えくすとらっ!」はその名の通り外伝的なエピソードが多くなる予定ですが、一応大筋のストーリーラインも用意してあります。

 大筋のストーリーライン1→外伝エピソード→大筋のストーリーライン1→外伝エピソード……のような流れになるのではないかと思います。


 投稿間隔は今のところ週一でいけたらと思っているのですが、その時の状況によって早くなったり遅くなったりするかもしれません。

 書籍化を含む「聖樹の国の禁呪使い」の作業以外の関係で、現在忙しさが少々増しているのですが、どうにか「聖樹の国の禁呪使い」も進めていきたいと考えております。


 第二部をどうするか考える前に、まずは「えくすとらっ!」は完結させる方向で頑張りますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

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