サタン様とベルの愛欲日記(R-15版)
サタン様とベルとの爛れた毎日(笑)
「んん…ふぅ、もうこのような時間か」
目が覚めて窓の外を見るともう明るい。妾が創り出した『疑似太陽』がすでに上り、地獄全体を明るく照らしている。
寝室の窓を開けると、ここが地獄の最下層とは思えぬほど心地よい風が入り込み、妾の銀髪をたなびかせる。
「うむ…すがすがしいのぅ。」
振り返って閨の方を見ると、妾が愛する者が未だに寝入っている。
妾の魔力によって、かつての姿とは打って変わって、柔らかで小さな身体となってしまった我が妻。毛布で胸元だけを隠して眠りについている。
「ふふ…よう寝ておる。よほど『よかった』かのぅ」
昨夜を思い出し、欲望がたぎるのを感じる。
妾の小さな身体に組み敷かれ、乱れるベルの姿。
…いかんいかん。また襲ってしまいそうじゃ。
ぶんぶんと頭を振り、ベルの隣に腰を下ろす。
その柔らかな髪を撫でながら、かつての日々を思い出す。
堕天によりこの地に落とされ、幾百年の月日が流れた。「奴」を呪い、わが身を呪う日々が続いた。
しかし、妾についてきてくれた数多くの同胞もここにはいる。そのことを、改めて気づかせてくれたのが…ベルであった。
『なぜか』堕天の折に、このような幼き美少女の姿になってしまった一方で、ベルは煌びやかな白髪に透き通るような青い瞳をもつ、長身のいわゆる「びなんし」として転生しおった。堕天する前も、後も…ベルは常に妾の傍を離れることなく、まさに片腕として妾に尽くしてくれた…そのベルに、妾は…胸の奥が締め付けられるような…それでいて甘い蜜のようでもある、そんな感情を抱くようになった…同じ性別同士であろうとも。
我々天使には、もともと性別は存在しない。しかし堕天し、悪魔としてこの地に堕ちると、我々の肉体には「性別」が与えられ…それと同時に、天使であった頃には存在しなかった欲望を抱くようになった…すなわち「性欲」じゃ。
知能が発達しておらぬ、下等なモノどものように、低級な悪魔たちはその欲に忠実に行動した。まさに、貪るように欲をぶつけ合っておった。そして…それは妾も例外ではなかった。ま、堕天前から堅物であったベルも同様だったようじゃが…。
しかし妾はかつて「光をもたらすもの」「明けの明星」と謳われた存在…その妾が下等な魔族同様に、欲望を丸出しに振る舞うなどできるはずがない。じゃから…妾はあの逞しい腕、胸に抱かれている妾自身を想像しては…「知らず知らずの内に身につけた方法」で、あやつのことを想いながら、よく一人で「慰めて」おった。
妾の精神も肉体も男であったが…何の因果か、妾の「姿」だけは幼女そのものであり…いやおそらくは「神」めの嫌がらせであったのだろうが…背にある12枚の翼はそのままに、妾はニンゲンに言わせるところの『男の娘』になってしまった。その妾が欲情するのは…いつも妾の傍におった、このベルであったのじゃ。
何度も言うが、ベルはホントに堅物でのぅ…妾がいくら誘惑しようともなびこうとせんかった。
いや、妾にその気があるのは明らかなんじゃが…認めようとせんでのぅ。ゲームと称して妾の胸を触らせたり…そういえばいつの日か、妾を酔った勢いで襲わせようと画策したら、酔っぱらった妾がどうやら地獄を壊滅寸前の状態になるまで破壊したらしいとベルから聞かされたのぅ…と、とにかくじゃ。いろいろと手段を講じたが一向に功を奏せんでの。気を揉んでおったが…この間、この朴念仁めがようやく認めおってのぅ。それでめでたく結ばれた、というわけじゃ。
ま、まぁそれからは…想像に任せるぞ。妾の望み通り、あやつにも「女装の楽しさ」を分からせたし…あやつの望み通り、柔らかなおなごの肉体を与えてやった…いや、これは妾の望みでもあったか。
まぁとにかく、あやつも妾も、こうやって満たされた日々を送っておるわけじゃ。
ん?なぜ完全に女子の身体にしてやらんかったのか、じゃと?
…それはのぅ。
やはり『萌え』じゃ!!
…ま、まぁ、性別はあの「神」めが定めた摂理であり、それは妾であろうとも変える力がない、というのも理由ではあるが。
と、思い出しながらそっとベルの髪を撫でていると、ベルが目を覚ましたようじゃ。
「…ん、んん…さ、サタンさま…?」
「…ふふ、起きたか、愛しき我が妻よ」
「…んふふ…サタンさまぁ…」
どうやらまだ寝ぼけておるようじゃ。半目しか開いておらんが、裸体のまま妾の腕に抱き着いてきよる。
ん~…柔らかいこの感触…いいのぅ。顔をうずめたい…って、我ながら何を言っておるのやら。
とにかく寝ぼけまなこのまま、「あられもない」姿で抱き着いてくるものじゃから…妾もまた「その気」になってしまうというものじゃ。
覚醒しきっておらぬこの姿もまたよいものじゃが…どれ、ちといじめてやるかのぅ。
「ベル…ベルよ」
「…ふえ?…は、はい、な、なんですか?」
「…ずいぶん可愛らしい…いや、『煽情的』なマネをするようになったではないか。」
「…へ?」
慌てて自分の姿を見かえすベル。何やら小動物を見ているようで心が和む。
しかし分かっておらぬようなので、もう少し分かりやすく説明してやることとするか。
「寝ぼけまなこのままそなたは妾にそうやって腕をからませ…いや、『密着』させてきたのじゃ」
「あ…そ、その…す、すみませ…」
「ふふ、いやなに、何を謝る?妾は嬉しいのじゃ、そなたがその身体を気に入っておるようじゃからの」
「…?」
「ふふふ…自覚がないとはのぅ。朝から妾を無意識に誘惑するとは…そなたも好きものよのぅ?」
「な!そ、それは…その…だ、だってサタン様が寝間着を着せてくれないから…その、か、隠すものがないからで…」
「ほう。その割にはやけに妾にアピールしておるではないか。妾の腕にわざと当てておるじゃろう?」
「!!そ、それは…その…」
さきほどから妾にしなだれかかったままのベル。
むにゅっとした柔らかい感触が腕に当たり気持ちがよい。
「あぁ…それともアレか?妾の腕に当てていると見せかけて…?」
「~!!」
ぼんっ!!と真っ赤になった顔。恥ずかしげにうつむいているベルを見ていると加虐心が沸き起こり…羞恥に耐え、涙さえ浮かべるその紅潮した顔と瞳に、どうしようもなく愛らしく思える。
「あ、あぁ…さ、サタン様…!」
「ふふ…」
こうして…今日も妾とベルはお互いを求め合う。
地獄は…今日も平和じゃのぅ。
こんにちは。「サタン様は男の娘?」の続編(自粛版)です。エロシーンをご覧になりたい方はノクターン版へどうぞ。