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私、好きな百合漫画の主人公に転生しちゃった!  作者: ぎゅうどん
攻略相手一人目、「幼馴染で大人しい系眼鏡少女の鏡原鶴子」
8/23

第八話 私、主人公の妹を意識してしまう。

《目覚めなさい、わたくしに選ばれし、少女、雛…》


「んっ…あっ、ここって。」


雛(晴南)が目を開いたら女神様の神殿の前だった。


「思い出した!漫画でも鶴子ちゃんを攻略したその日の夜に女神様に呼ばれるんだった!」

「おーい、おねえちゃーん!」

「この声は琴梨ちゃん?そっか、先に寝たもんね、先に天界に来てても不思議じゃ、えっ!?」


走ってやって来る琴梨の姿に驚いた、なぜならメイド服を着ていたからだ。


「ハァハァ、よかった、やっと来てくれた。」

「なっ何でメイド服を?」

「晴…おねえちゃんが全然来てくれないから、女神様の暇つぶしに付き合わされて、こんな服まで着させられたんだから…?」

「そうなんだ…?ごめんね、遅れて…?」

「まぁ、その分、お菓子をご馳走になったからいいんだけどね…」

「それで女神様はどこにいるの?」

「前の薔薇園で待ってるよ。」


さっそく薔薇園に向かった、するとこないだみたいにガゼボに用意されたテーブルに女神様が優雅に座っていた。


《ようやく来たわね、待ちくたびれたわよ?》

「すみません。」

《まぁ、暇つぶしに先に来たあなたの妹で色々と着せ替えをして楽しんだからいいんだけど。》

「メイド服以外にも着たんだ…?」

「まっまぁね…」

「体操服に浴衣、ゴスロリ、チャイナドレス、それと猫のコスプレ、そして今のメイド服、琴梨さん細くてスタイルいいですからどれも似合ってましたよ。」


女神様の妹、天使のセリーヌがお菓子の追加を持ってきたついでに話してくれた。


「私も見たかったな。」

「晴…おねえちゃん?」

「あっごめん。」

《ウフフ、とにかく主役の雛も来たことだし、本題に入りたいから、二人とも席についてちょうだい。》

「はっはい。」


雛(晴南)は出された紅茶を飲んで一息ついてから尋ねた。


「ふぅ、それで女神様?私達を呼んだ理由は何ですか?」

「私もまだ聞かされてない、何ですか?」

《それはもちろん、試練の攻略一人目、鏡原鶴子を攻略出来たんだから、次の攻略相手二人目を発表するために決まってるじゃない?》

「もっもう二人目ですか?」

《ええ、そうよ。私は一分でも多く素晴らしい百合が見たいの、だから雛にはまたすぐに次の私の選んだ女性の攻略にチャレンジしてもらうわ、いいわね、雛?》

「もちろんです!」

「あはは…そして本人はまた即答するし…」

《やる気は十分のようね、でも最初より難易度を上げることになるけどいいかしら?》

「はい!望む所です!」 

「もう好きにして…」

《では二人目の攻略相手を発表するわね、オッホン、雛、あなたの攻略対象、二人目は!》

「ゴクッ。二人目は…?」

「そんな琴梨ちゃんが緊張しなくても。」

「それはそうだけど…?」

《多歌宮葉月ちゃんよ!》

「多歌宮葉月さん…?私、初めて聞いたような…?」

《あら、妹ちゃんは知らない子なのね?》

「はっはい…?」

「多歌宮さんは雛、いや!私と同い年で隣のクラスの風紀委員だよ。」

《そして雛はこないだといい全然、驚かないのね?まるで最初から知ってたみたい?》

「そっそんなことはありませんよ、驚いたなぁ。」

《なんかわざとらしいわね?》

「隣のクラスの風紀委員さん…?一体、どんな人なの…?」

「えっとだね…」

《わたくしから説明してあげるわ。彼女の特徴を一言で例えるなら、妹ちゃん?あなた以上のツンデレさんよ?》

「なるほど私、以上のツンデレですか、って!誰がツンデレですか!」

「あはは、琴梨さん、面白い。」

「もう、セリーヌさん、そんなに笑わないでください…?」

「すみません。」

《ウフフ、さてと次の試練の話はこれくらいにして、攻略達成祝いにお菓子を沢山ご馳走するわよ。》

「あっありがとうごさいます。」

(なんとか誤魔化せたみたい…)

《でもただご馳走するだけじゃつまらないわね?》

「えっ?」

「まっまさか…?」

《妹ちゃんは散々、着せ替えさせてくれたからいいけど、遅れてきた張本人が何も着ないのはね?》

「なっなっ!」

《コスプレしてくれるわよね。》

「はっはい…」


雛(晴南)はバニーガールのコスプレをしながらお茶会に参加する羽目になった、しかし、ひと先ず自分が転生者だとバレずに済んだことに一安心して。現実の世界の自分が目覚めるまで、恥ずかしがりながらも紅茶とお菓子をいっぱい頂いた。もちろん琴梨もである。


「ふわぁぁ、やっと朝か…寝たはずなのに疲れた…

まさか漫画ではなかったコスプレを着させられるなんて思わなかったな…?しかもあんなバニーガールってセクシーなコスプレを…?今はスタイルいい雛の体だからいいけど、前世の頃の私だったら絶対に似合ってないだろうな、あはは…」


起き上がり隣の琴梨を見た。


「スゥゥ、スゥゥ…」

「琴梨ちゃんはまだ寝てるか。時間的にも起きるには少し早いよね、寝かせてあげよう。」


『おねえちゃんのはずなのにドキドキする…』


「なっなんであの事を思い出すの、私!」


そうは言いつつ胸が高鳴り無意識に琴梨の唇に目線がいきそっーと近づいてしまった。


「はっ!駄目、駄目!何をやってるの!」

「んっ…?晴南さん…?」

「こっ琴梨ちゃん!」

「ふわぁぁ、おはよう…」

「おっおはよう、何だか眠そうだね?」

「わかってくるくせに…?晴南さんが遅れたせいで夢で女神様の暇つぶしに沢山コスプレさせられて疲れたんだから…?」

「そっそうだったよね、ごめん。」

「なんかソワソワしちゃって変だな?」

「ソワソワなんてしてないよ、さてと朝ご飯作らなくちゃな〜!」

「あっちょっと?」


雛(晴南)は誤魔化すように部屋を出た。


「ふぅ、どうやらキスしかけたことはバレてないみたい…よかった…」


そして心の中で誓った。


(私は姉妹百合も大好きだし、きっとこの世界ではそれが許される…でも元の世界に帰ったらそうはいかないかもしれない、そしたら琴梨ちゃんを悲しませるだけ…想いには気づいていないフリを続けよう…)


そして雛(晴南)は何事もなかったように琴梨と

一緒に学校に向かった。


「二人目の攻略も頑張ってね…」

「あっうん。」

「だからって学校生活を疎かにしちゃ駄目だよ?

 仮にも晴南さんはお姉ちゃんなわけだからわかった?」

「わかってるよ、心配してくれてありがとう。」

「べっべつに…心配なんて…」

「あれっ?あそこに居る子って?」

「えっ?」


公園の前に立っていたのは鶴子だった。


「どっどうしたの鶴子ちゃん、こんな所で?」

「一緒に登校したいなって思ってね…」

「待っててくれたんだ…?」

「うん…」

「ありがとう…」


やっぱり今の鶴子ちゃんは漫画より積極的です…漫画の鶴子ちゃんは付き合っても遠慮がちでこんな風に家の近くまで来て待ってるなんてしなかった…正直、ファンってだけじゃなくて恋人として嬉しい…


「なっなんか私はお邪魔虫みたいだね。」

「そっそんなことないよ?」

「琴梨さんも一緒に行きましょう?」

「いいよ、いいよ、二人で学校行って。」

「あっ、琴梨ちゃん!」


琴梨はあまり上手じゃない作り笑いをすると走って行った。


「琴梨さん、気を遣ってくれたのかな…?」

「ごめんね…」


雛(晴南)は離れる後ろ背中に切なく呟いた。


「雛ちゃん…?」

「あっいや、じゃあ、行こうか…?」

「うん…」


鶴子は自然に腕を組んできた。


「なっ…」

「腕組みは嫌だった…?」

「あっううん、恋人になったんだもん、これぐらい普通だよね…?」

「よかった、これね、雛ちゃんと恋人になったらしたかった事の一つだったの…」

「そっそうだったんだ。」

(積極的な鶴子ちゃん、可愛いすぎるーー!)


舞い上がっている雛(晴南)と反対に、走って行った琴梨はというと…


「何だろう…今回はムカムカというより切ない…私、どうしちゃったの…」


琴梨本人は理由も分からない涙が出そうになるのを堪えていた。


「琴梨。」

「えっ?」


振り向くと友達の岬が居た。


「おはよう。」

「みっ岬ちゃんか、おはよう。」

「なんか元気ないね?」

「えっ…?どうしてわかるの…?」

「うーん、何となく、声のトーンとかで。」

「そっそっか…」

「話、聞いてあげられるよ?あっ話したくなかったら話さなくてもいいけど。」

「聞いてもらいたい…」

「いいよ、話して?」

「うん…」


琴梨は抱いている複雑な感情を話した。


「お姉さんに恋人が出来て、その恋人と二人でいる所を見てたら、切なくなったか…」

「おかしいよね…妹なんだし普通は素直に祝ってあげなきゃならないのに…」

「それはお姉さんもお姉さんだと思う。」

「えっ…?」

「琴梨は何も悪くないよ、その感情は妹として姉が取られると思って嫉妬しただけだと思うから。」

「なのかな…?晴…いやおねえちゃん本人からもそう言われた…?」

「でしょう、それ以上深い意味なんてない、きっとそのうち気にしなくなるよ。」

「そうなのかもしれないね…」


【ギィ。】


琴梨は気づいていなかったが、岬は嫉妬を抑えるのに必死で下唇を噛んだ。


「ありがとう、こんな気難しい話を聞いてくれて。」

「水くさいな、私達の仲でしょう?」

「でもありがとう…岬ちゃんは私にとって最高の"友達"だよ。」

「友達か…」

「何か言った?」

「ううん、何でもない。」


大好きな琴梨にこのドロドロした嫉妬をけとられたくない岬は上手な作り笑いをした。







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