第二十六話 私、攻略相手達の変化に驚く。
神◯川から自分達の住んでいる町、百合恋町の家に帰ってきたその日の夜、久しぶりに琴梨ちゃんから一緒に寝たいとお願いされました。
「久しぶりだね、こうして二人で寝るの。」
「実は晴南さんに話したい事があるんだ?」
「何かな?」
「私ね、ずっと言いたくても言えなかった事があったんだ。」
「言えなかった事…?」
(それって、まさか…?)
「驚かないで聞いてね、私、晴南さんが好きだったの、多分、ずっと片想いしてた。」
「・・・・・だと思ってたよ…」
「何だ、気づいてたの?」
「あっいや…何となく…」
「晴南さんったら人が悪いな?気づいてて知らないフリしてたんだ?」
「ごっごめん…?」
「でも勘違いしないでね、これは告白でも何でもないから。」
「えっ?」
「ここから二つ報告する事があります。」
「ふっ二つも?」
「一つは晴南さんへの片想いをやめたこと。」
「私への片想いを…?」
「そしてもう一つがこれが一番重要な報告かな。」
「なっ何?」
「岬ちゃんと付き合ったよ。」
「えっーーー!?」
「うるさ、もっと小さな声で驚いてよね?」
「あっごめん…?でもいつ、いつからなの?」
「晴南さんが鴎さんの攻略出来た日。」
「あっあんな前から…?私、全然気づけなかった…?」
私は正直、悔しいと思いました!前世が百合オタだったので、二人の関係の変化に気づけなかったことが!
「やっぱり気づいてなかったんだ?」
「この反応見ればわかるよね…?何でもっと早く教えてくれなかったかな…?」
「今日まで言いたくなかったから…」
「えっ…?」
「二人っきりになれるこの時まで…」
「琴梨ちゃん…」
「新たな恋に向かう前に最後のお願い聞いてもらえたりする…?」
「言ってみて。」
「キスしたい…」
「キスか…」
「いくら晴南さんっていう存在がおねえちゃんに転生してるとはいえ、このお願いはアウトすぎるよね、姉妹同士でそんな…」
「いいよ…」
「えっ…?いいの…?」
「でも最初で最後だよ、いいね…?」
「ありがとう…」
琴梨はそっとゆっくり近づき唇にキスをした。
«ぷはぁ…»
「本当にしちゃった…」
「だね…」
「私、この恋を諦めるけど忘れるつもりはないからね、絶対に…」
「私も忘れない…」
二人はどちらともなく抱きついた、まるでこれからは姉妹としてしか接しないと誓うように…
「でもさ、大変なのはこれからじゃない?」
「えっ?」
「鶴子さん達に三人目の彼女が出来たことを報告しなきゃならないから、下手したら修羅場になるかもよ?」
「まっ漫画では受け入れてくれてたもん…?」
「えー?漫画ではでしょう?」
「へっ変なフラグ立てないで?」
「どうなるか楽しみだなぁ?」
「もっもう〜。」
「ふふっ。」
それから夏休みが終わるまでは怒涛の展開の連続でした!
なぜなら琴梨ちゃんの予想通り、恋人である鶴子ちゃんと多歌宮さん、それぞれ別の日に三人目の彼女が出来たことを報告すると漫画とは違う反応をしてきたからです!
まずは帰ってきた次の日に町でのデートをした鶴子ちゃん、三人目の彼女が出来たことを報告した途端、まるで出張先で浮気したんじゃないかと夫を問いただす嫁のように、その彼女とはどこまでしたの◯ッチはしてないよね!とかキスした回数やら何から何まで質問攻めをされました!そして挙げ句に「私が知らない所で彼女を作るなんてひどい。」と人が見ている中で泣かれてアワアワしました!でっですが、最終的になんとか納得してもらい、一安心、かと思いきや!鶴子ちゃんが「誰かに雛ちゃんの処◯を奪われるくらいなら奪いたい…」と近くの◯ブホテルに私を連れて入ろうとしたのです!もちろんそれも説得して諦めてもらいましたが、漫画とは違う独占欲の強強で大胆な鶴子ちゃん、刺激が強すぎて油断できないです!まぁそんな属性をつけてしまった私が言えた義理じゃありませんが…
「次、私が知らない所で彼女作ったら…拒否権与えずに処◯を奪うからね…?わかった…?」
「ひゃひゃい、気をつけます…?」
そしてもう一人の恋人、多歌宮さん、彼女とは鶴子ちゃんとのデートから二日後に家にお邪魔して再会ました。しかし三人目の彼女が出来たことはあまりお咎めはなく軽く納得してもらいました?では漫画の展開と何が違うのか、それは考えなくてもわかりますよね…?そう、多歌宮さんのバブちゃん属性の大幅パワーアップです!部屋で二人っきりになった途端、「うわぁぁん、寂しかったよー!ママー!」と私に強く抱きついてきてベッドに押し倒すと、胸にスリスリしてきたのです、まぁこれは海の家に行く前にもありましたね、ですが問題はその後のセリフでした!
「ママ、葉月ね、ママが居なくて甘えさせてもらえなかった二週間と約3日、すごくすごく頑張ったんだよぉ?」
「そっそっか、偉かったね。」
「だからとっても疲れちゃったぁ。」
「大変だったね。」
「それでね、葉月、お願いあるんだ?」
「なっ何かな?」
「ママのおっ◯い吸わせちて?」
「はっはいっ!?なっ何を言ってるの!?」
「もっと甘えるにはそれが一番かなって。」
「さっ流石にそれは!」
「ダメでちゅか…?」
「キュンッ。かっ可愛いけど…私達の歳でそれはハレンチすぎるよ…?」
「むぅぅ、わかったよ。」
「ふぅ…」
知らない所で彼女を作ったら処◯を奪うと宣言してきた鶴子ちゃんにバブ属性がパワーアップした多歌宮さん、それと三人目の彼女、鴎ちゃんにも初めての子供は自分とだって釘をさされてますし…(メッセージのやり取りでもしつこく釘さされた)私、好きな漫画の重要なキャラ達を本当に変えちゃってるな…?作者のにゃんにゃん先生がこの状況を知ったら、どう思うのかな…?会わせる顔がありません、実際に会ったことはないんですけどね…ニャンニャン先生はサイン会とかなされない覆面作家さんだったので…
「ハクシュンッ。」
《風邪ですか?》
《誰かが私の噂してるんじゃないかと。》
《合ってますね。》
《んっ?どういう意味です?》
兎姫はまた光の玉ような物と話していた。
《こちらの女神が主人公の次の攻略相手の候補にあなたともう一人で悩んでましたから。》
《それでどうなりましたか!》
《えっ!悩んでましたが結果的にあなたが漫画で描いていた女の子を四人目の攻略相手に決めてましたよ?》
《そうですか…》
《おや、もしかして四人目の攻略相手になりたかったんですか?》
《あっいや、私がというか…》
《その様子、深くは聞いて欲しくないみたいですね。とにかくまた近況を聞きに来ますから。》
こないだのように会話が終わると光の玉は壁をすり抜けて外に出て行った。
「女神様、驚いてたな、私だって前世の頃、必死に考えた攻略相手達だから変えて欲しくない、でもこの子の願いも叶えてあげたい…」
兎姫は机の引き出しから日記を取り出して、あるページまでめくり、声に出して読んだ。
「幼なじみの愛田雛、彼女のことを…」
そして夏休み最終日、夢の中で女神様から呼ばれて四人目の攻略相手を発表された。
《発表するわね、次の攻略相手は町鳩子よ!》
「町鳩子さん?また聞いたことない名前…?」
「ああ、その人はね。」
《夏休み明けから雛のクラスの臨時の担任教師になる人よ、大学卒業したばかりの新米教師ね。》
「臨時の担任教師ですか?」
《そう!生徒と教師の禁断の恋、ゾクゾクするでしょう!それに初の大人を攻略だから難易度も上がってるし!》
「確かに大人が相手ですもんね…?というか晴、おねえちゃんの今の担任の方は?」
「担任の吉田先生は奥さんがお子さんを産んで育休でしばらく休むから、それで。」
「なっなるほど?」
《毎度毎度だけど、雛、あなた本当に先がよくわかってるわねー?》
「あっいや!先生から夏休み前にたまたま聞いたんですよ、お子さんが産まれそうだって!」
《ふーん?そうなのね?》
「とっとにかく四人目の攻略も果たしてみせます!」
《ええ、最高の百合を見せてちょうだい。》
「頑張ってくださいね!」
「はい!」
「あと2人か…」
琴梨は攻略をして元いた世界に帰りたい気持ちとこの世界に居たい気持ちの二つに悩み、わからないように呟いた。




