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私、好きな百合漫画の主人公に転生しちゃった!  作者: ぎゅうどん
攻略相手二人目、「ツンデレ風紀委員の多歌宮葉月」
18/20

第十七話 私、主人公の親戚と話した。

夏休みが始まった次の日、雛(晴南)は起きて朝食を食べた後、ソワソワしながら家の電話のそばを何度も往復していた。


「どうしたのよ、誰かから電話でも来るの?」

「うっうん、重要な電話がね。」

「重要な電話?」


するとちょうどよく電話が鳴った。


「きたっ!」


すぐに受話器を取った。


「誰からなんだろう…?」


琴梨は近くに寄って耳をすませた。


「もしもし!」

『久しぶりやな〜雛!うちのこと覚えてるか!』

「この声って!」

「覚えてます!神◯川に住んでる親戚の水琴さんですよね!」


電話の相手は主人公である雛達の親戚の恋野水琴だった。


『ハハハッ、覚えててくれたんやな、嬉しいで!』

「水琴さんはこの世界でもこんな口調なんだな、ちょっと安心した。」

「漫画で雛も同じ反応してたよ。」

「そうなんだ。それにしても懐かしいな、水琴さんとは小さい頃に神◯川の親戚が経営してる海の家に遊びに行った時以来だよね、水琴さんがお手伝いしてて。」

「その海の家が重要なんだよ。」

「えっ?」

『おーい?』

「あっすみません!」

『実はな、お願いがあって電話したんや。』

「何でしょうか?」

「お願い…?」

『夏に親戚のお婆ちゃんがやってた海の家があったやろ?』

「ありましたね。」

『その海の家な、お婆ちゃんが歳で続けられないって言うから、今年からうちが引き継ぐことにしてん、んで出来たら手伝いに来てくれへんかな?無理を承知なんやけど、頼むわ!』

「マジで海の家の話だった…?しかも手伝いって…?」

「はい!いいですよ、手伝います!」


驚く琴梨をよそに雛(晴南)は即OKした。


『ほんまか!いやぁ助かるわ!でもオープンは来週の水曜日で店は二週間程度やる予定やで、都合大丈夫か?』

「おいおい、すぐな上に二週間って…?」

「平気です!やれます!」

「コケッ、ここも即答かよ。」

『おおきに!意を決して雛に電話してよかったで!』

「いいの…?鶴子さんと多歌宮さんは…?」

「大丈夫、彼女達には事情を説明したら分かってもらえたから。」

「そうなの…?」

『あっもしなんやけど、妹ちゃんとかも手伝いに来れへんかな?』

「えっ!妹ですか!」

「わっ私?つか何で晴南さんはそんなに驚いてるの…?」

「だっだって漫画にはなかった展開だから…?」

「なっなるほど…?」

『出来たら来てもらえたら助かるわ!』

「わっわかりました、聞いてみます…?」

「すでに聞いてるけどね…?」

『よろしく頼む!あっもう時間や!仕事に行かなあかんから、重要な事はまた追って連絡するわ!』

「はっはい!」


慌ただしく電話が切れた。


「ふぅ。」

「さて、色々と聞かせてもらいましょうか…?」

「あはは、予想してる通りだよ?三人目の攻略相手がその海の家にいる。」

「まっまさか水琴さんじゃ…?」

「違う、違う!」

「じゃあ、誰よ…?」

「水琴さんには妹さんが一人居るでしょう?」

「確か今年、高校二年生の鴎さん…?」

「そう、その鴎さん!」

「つまり三人目の攻略相手はいとこの鴎さん…?」

「正解。」

「トホホ、ついにいとこにまで手を…」

「もうちょっと言い方なんとかならない…?」

「晴南さんはいいよ、お姉ちゃんに転生してるわけだから、他人を攻略してる気分になれるもん…?」

「まっまぁね。」

「でも女神様が選んだ女の人ならいとこでも攻略対象にしてもいいんだ…」

「琴梨ちゃん…」

「わかった…私も一緒に行くね!」

「あっいや、行くのは私だけでいいんだよ?」

「何?私も一緒に行ったら不満なわけ…?」

「不満とかじゃなくて、漫画では行くはずのない琴梨ちゃんが行くと展開に影響出るかなって…?」

「何言ってんだが、水琴さんに私もって言われてる時点で漫画とは違う展開になってるんでしょう?」

「たっ確かにそうだけど…?」

「それに…」

「それに…?」

「晴南さんだけ海に行くなんてずるいっ!私だって海で遊びたい!」

「遊び行くわけじゃないんだけどな…?」

「手伝いの後はどうせ遊ぶくせに?」

「その通りです…?」

「だったら私も行く。」

「わっわかったよ…?」


その日の夕方、雛(晴南)は恋人である鶴子、多歌宮に電話した。


‐鶴子の場合‐


『親戚の方のお手伝いじゃ仕方ないね…』

「ごめんね!残りの休みは会えるようにするから!」

『謝らないで!私も図書委員の仕事があったし、会える時に会えればいいんだよ。』

「ありがとう、鶴子ちゃん。」

(これなら漫画通りにわかってもらえそう。)

『だけど会えない分、雛ちゃんが欲しくなるから、今度会う時はもっと過激な事しちゃうかも…』

「なっ!」

『心の準備して置いてね?』

「ひゃひゃい…?」

(漫画でこんなシーンはなかったよ!?)

「楽しみにしてるね。」


‐多歌宮の場合‐


『ふっふん、べつに構わないわよ、アタシも風紀委員の仕事で夏休みは学校に行かなくちゃならなかったし。』

「ありがとう、多歌宮さん。」

(多歌宮さんは流石に漫画通りに…?)

『寂しくなんかこれっぽっちも…』

「あの…?多歌宮さん…?」

『うぎゃー!やっぱり寂しいよー!ママー!』


多歌宮は子供のように泣き出した。


「ああ、落ち着いて!」

(やっぱり違ったかぁ…)

『グスン、ママ…?帰ってきたら会えなかった分、たっぷり甘えさせてね…?』

「はいはい、甘えさせてあげるよ…?」

『約束ね…?』


一方、琴梨は岬に電話していた。


『海の家を手伝うから二週間は遊べないか…』

「うん…」

『もしかして手伝いが終わったら海で遊んだりする?』

「すると思う…」

【ぐっ、またお義姉さんが一歩リードするのか、しかも水着姿を見ることまで…】

「みっ岬ちゃん…?」

「あのさ、それって…」

「えっ?」


琴梨は電話を終えると呟いた。


「あはは、波乱に満ちた夏休みになるかも…」


そして部屋を出ると雛(晴南)も出てきた。


「どう…?鶴子さん達から漫画と同じく受け入れてもらえた…?」

「あっうん、何とかね。」

「私さ、話しておかないとならないことがあるんだけど…?」

「ほえ?」


琴梨からの話を聞いた後、夢の中で女神様から呼ばれて三人目の攻略相手を発表された。


《三人目の攻略相手はあなたのいとこの恋野鴎よ!》

「わっわぁ、びっくりです。」

《いつものようにわざとらしい驚き方ね?》

「あはは…」

「本当に次の攻略相手、鴎さんなんだ…?」

《オッホン、親戚の子を落とさなくちゃならないだけでも難易度が高いわけだけど、今回はさらに難易度を上げるために攻略期間は海の家を手伝う二週間の間だけとするわ。いいかしら?》

「そこまで聞いてた通りとは…?」

「はっはい!頑張ります!」

《ウフフ、よろしい。期待してるわね。》

「頑張ってくださいね。」

「はい!」

「晴南さん…」


琴梨はまた切ない気持ちになった。





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