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私、好きな百合漫画の主人公に転生しちゃった!  作者: ぎゅうどん
攻略相手二人目、「ツンデレ風紀委員の多歌宮葉月」
10/21

第十話 琴梨はヤンデレ友達との百合フラグに気づかない。

「二人目の攻略相手とも接点を持てたから、安心してね、か…」


家に帰る途中の琴梨に雛(晴南)からそうスマホにメッセージが来て、また複雑な感情になっていた。


「どうかしたの?琴梨?」

「あっううん、何でもない…」

「もしかして今朝みたいにお姉さんに関してのこと…?」

「・・・・・鋭いね、岬ちゃんは…」

「内容は聞かない方がいい?」

「それがありがたいかな…」

「わかった、聞かない…」

「うん…」


【ギィ、またあいつのことか…】


岬は心の中でまたドロドロした嫉妬を煮えたぎらせていた。


「ねぇ、岬ちゃん…?」

「なっ何!」

「このままどこかで遊んで行かない…?」

「もちろんいいよ?どこに行きたい?」

「カラオケとか…?」

「いいね、久々に行こうか。」


二人は駅からすぐ側のカラオケ店に行った。


「さて何を歌おうか?デュエット出来そうな歌とかにする?それとも…」


琴梨は俯いていた。


「聞こえてる…?」

「あっごめん!私がカラオケに来たいって行ったのに歌わないとかないよね!さてどれにしようかな…」

「琴梨…」


カラオケをした約1時間半、岬には琴梨が無理して歌っているのが伝わってきて、自分じゃ琴梨を満足させられないのかと切なさを募らせた。


「久々のカラオケどうだった…?」

「あっうん、楽しかったよ、来れてよかった。」

「そう…」

(嘘だ、あいつの事を考えてたんでしょう…?)


すると琴梨のスマホに雛(晴南)からメッセージが来ていた。


「わかったよ、気をつけて帰って来てね、か…」

「お姉さんから?」

「いちおうね、友達と遊んで帰るから遅くなるって連絡しておいたんだ…」

「そうなんだ?」

「岬ちゃんってまだ遊べる…?」

「遊べるよ。」 

「門限とかない…?」

「平気、平気、そこまで親はうるさくないから。」

「じゃあ…」


近くのショッピングモールに行き、ゲームセンターでUFOキャッチャーやコインゲームで遊んだ後にプリクラを撮り、フードコートで食事して、流行りの服屋に行ったりと色々と回った結果、時間は夜の8時過ぎになっていた。


「明日も学校あるのにこんな夜遅くまで付き合わせちゃってごめんね、そろそろ帰ろうか…?」

「いいの?まだ帰りたくないなら付き合うよ?」

「岬ちゃんの家って二駅先にあるじゃない、これ以上は付き合わせられないよ。」

「そんなの気にしなくていいのに…?」

(私はもっと一緒に居たいのに、なんなら朝まで…)

「家まで送るね。」

「いいって!二駅先だし!帰り琴梨一人で帰ることになるでしょう!」

「でもここまで付き合わせたのは私なんだし…?」

「私だって遊びたかって。」

「岬ちゃん…」

「駅まで送ってくれたらいいから。」

「わかった…」


そして駅まで戻ってきた。


「今日は本当にありがとうね。」

「琴梨こそ一人で帰れる?危なくない?」

「大丈夫だよ、ここから家まで10分もかからないし。」

「でっでもさ…?」


するとちょうどよく琴梨のスマホが鳴った。


「あっ、晴…お姉ちゃんからだ、出てもいいかな…?」

「うっうん。」


琴梨は電話に出た。


「もっもしもし、あっうん、そうだよ…今、帰る所…えっ、居る場所…?駅前だけど…?」


【電話までかけてきて、私達の邪魔するとか…】


岬はまた声には決して出さずに嫉妬していた。


「えっ!いいよ、べつに!そっそうなの…?わかった、待ってるね…」

「お姉さん、何て…?」

「心配だから駅まで迎えに来てくれるって…?」

「そっそうなんだ…?」

「うん…」


【ズキッ、私と遊んでた時より嬉しそうな表情してる…】


琴梨は自分と遊んだり一緒にいることより、姉に心配される方が嬉しいんだと岬の心の中はドロドロというよりグチャグチャになっていた。


「おねえちゃんと一緒に岬ちゃんを家まで送るから。」

「あっうん、ありがとう…」


それからすぐに雛(晴南)が来た。


「待った?」

「遅い、迎えに来るならもっと早く迎えに来てよね…?」

「厳しいな。」

「冗談だってば、迎えに来てくれてありがとう…」

「いいよ、お礼なんて。それで遊んでた友達があなた?」

「久しぶりですね、お姉さん…?」

「ほえっ?雛…いや私って会ったことあったけ…?」

「えっ、私のこと覚えてませんか…?」

「やっやだな、晴、おねえちゃん!この子は眼路乃岬、中学からの友達で春休みの時に家に遊びに来てくれたじゃない…?」

「あっああっ!」

「思い出してくれたんだね…?」

(ふぅ、どうやら漫画で知ってたみたいだ…?)

「そうだった、そうだった!思い出したよ、忘れててごめん…?」


漫画では琴梨ちゃんは両親について行って海外に行ってることになってるから、友達なんて知るはずもないよー!


「いえ、構いません、何とも思ってませんから。」

「あっそうですか…?」

(なんか刺さるような言い方なような…?)

「なっ何でしょうか…?」

「じろじろ見て失礼だよ、お姉ちゃん!」

「はっ!ごめんなさい!ついレアキャラだったから!」

「えっ…?レアキャラ…?」

「ちょっと晴、おねえちゃん!」

「あっいや、あはは、何でもないよ!岬ちゃん、琴梨ちゃんと仲良くしてくれてありがとうね。」

「お姉さんにお礼を言われることじゃありませんから。」

「そっそう…?」

(やっぱりなんか刺さる感じ…?この世界の雛が嫌われるようなことでもしたのかな…?)

「突っ立ってないで、岬ちゃんを家まで送るから付いてきて?」

「そうなんだね、わかった、年上として、岬ちゃんを責任持って家まで送っていくのに付き合うよ。」

「よろしくお願いします…?」

「ふっふ、かっこつけちゃって。」

「かっかっこつけてなんかないよ?」


【また琴梨が笑った…こいつが来てから二度も…】


「岬ちゃん、行くよ。」

「あっうん…」

「カラオケでは何を歌ったの?」

「教えない。」

「えー。」


【落ち込んでた琴梨を励ましたはずの私より、悩ませたあんたの方が琴梨を笑顔にするなんて、許せない、許せない、許せない、許せない、絶対に…】


岬に後ろから睨らまれてることなどつゆも知らずに

雛(晴南)は琴梨と一緒に岬を二駅先にある家まで送って、街灯の明るさだけの暗くなった夜の家路を二人で歩いていた。


「今日は迎えに来てくれて嬉しかったけど、心配しすぎだと思う、私、一人でも帰れたのに…?」

「何言ってるの、いくら女しか居ない世界だっていっても変質者はいるだろうし、襲われたら大変でしょう?」

「私を襲う人なんか居ないってば…」

「ハァ、琴梨ちゃんは自分を過小評価しすぎ、もっと自分が美少女だって自覚した方がいいよ。」

「なっ何、言ってんのよ、まったく…」


琴梨は顔を真っ赤にしたが内心、嬉しそうだった。


「それにしてもさ、私か雛があの岬ちゃんって子に嫌われるようなことでもしちゃったのかな…?」

「えっ?どうして?」

「ずっと威圧的だったから…」

「気のせいだって、岬ちゃんは大人しくて優しい子だよ?」

「気のせいか、だよね。」

「変なこと言ってないで、早く帰るよ。」

「あっ待って!」

「何?まさか歩き疲れたとか言わないよね?」

「そのまさかです。」

「ハァ、相変わらず体力ないね?」

「それはあなたのお姉さんの体だからだよ、前世の私は少しは体力あったし。」

「はいはい、公園のベンチで休憩して行く?」

「するする。」


たまたまあった公園に入り、自販機で飲み物を買い、二人並んでベンチに座った。


「ぷはぁ、生き返る。」

「珍しい、今日は星が綺麗に見える。」

「本当だね、外が少し冷えてるからじゃないかな?」

「確かに寒いかも、ついこないだまで春だったからかな。」

「風引くよ。」

「なっ…」


雛(晴南)は自分の着ていたコートを琴梨の肩にかけてあげた。


「おね…晴南さんが風邪引くじゃんか…?」

「いいの、琴梨ちゃんが着て。」

「ありがとう…」

「いいって。」

「ふっふん、ぷはぁ。」

「そのジュース、苺味なんてあったんだ?」

「期間限定だけどね。」

「へぇ、飲んでみたいかも?」

「じゃあ、一口飲む…?」

「うん。」


琴梨が飲んでいるジュースを一口飲ませてもらった。


「美味しい。」

「でしょう、私も好きなの。」

「私のもお裾分け、飲んでいいよ?」

「アスパラ味のソーダだっけ、美味しいの…?」

「私も興味本位で買ったけど、案外美味しかったよ。」

「本当に…?」


今度は琴梨がジュースを一口飲ませてもらった。


「どう?」

「意外にいけるかも…?」

「だよね。」

「はっ!ってよく考えたら、これって間接キスじゃ!」

「あっ…確かに…?」

「でっでも私達、姉妹だし…間接キスしたぐらいで驚きすぎかな…?」

「そっそうだね…」


だが言葉とは裏腹に二人は動揺を隠せず、胸の鼓動が高鳴っていた。


「ねぇ…聞きづらいことなんだけど聞いてもいい…?」

「なっ何かな…?」

「鶴子さんとはキスしたの…?」

「ぶっ!!」


ド直球な質問に思わず飲み物を吹いてしまった。


「だっ大丈夫…?」

「ゴホッ、ゴホッ、そりゃそんな質問されたらこういう反応にもなるよ…?」

「だっだって間接キスから連想しちゃったから…」

「キスはしてないよ。」

「してないんだ…」

「さっさぁ、明日も学校だしそろそろ帰ろうか。」

「あっうん…」


琴梨は誤魔化されたことより、間接とはいえ、キスは自分が先だという事実を嬉しく思っていた。



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