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【コミカライズ】チートなスライム職人に令嬢ライフは難しい!  作者: ただのぎょー


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第78話:草食べたおかげで彼氏ができました!

ξ˚⊿˚)ξ曜日勘違いして、更新日がズレました。すいません。次回はまた土曜日に。

「牛乳がどうしたの?」

「ん」


 シーアは無言でぐいっとミルク缶を突き出してきた。

 畜産用のミルク缶なので10リットルは入るやつだ。シーアはうら若き乙女であるが、農家をやってれば力持ちにもなるのである。


「ちょ、ちょっと待って」


 ウニリィは一度戻ってコップを持ってきた。

 シーアがそこにだばだばと牛乳を注ぐ。


「飲めって?」


 シーアは頷く。


「いただきます」


 ウニリィは牛乳を口にする。緑の目がくわっと開いた。

 彼女は一気に牛乳を飲み干して天を仰ぐ。そして叫んだ。


「うーまーいーぞー!」


 なんだなんだとクレーザーたちがやってくる。

 マグニヴェラーレも牛乳を飲み、さすがに叫ぶことはしなかったが、驚いた表情を浮かべた。


「シーアちん、これポチコさんの?」

「そうよ」

「ポチコさんの牛乳やばくない?」

「やばいのはウニリィのとこの草よ、何あれ!?」


 ポチコさんは普段から乳を出しているのだが、ここ最近で違うことと言ったらウニリィのところで草を食べたことしかないので、そのせいなのは明らかであった。


「なんなんだろう……」


 だがウニリィにもあの草は謎なのである。

 その日、シーアを皮切りに次々と村中の畜産家たちがカカオ家にやってきた。

 やれ、『ニワトリが卵たくさん産んだ』『牛乳がありえないくらい美味い』『体調を崩していた羊が元気になった』『馬の足が速くなった』などなど。

 そして彼らは全員がお礼にと、野菜やら卵やら肉やら置いていくのだった。

 カカオ家の玄関は食材で埋まった。


「足が速くなったのは本当に草のせいなのかしら?」

「どうなんスかねー」

「そのうち草食べたおかげで彼氏ができました! とか言いそうな有様だったわ」


 マサクィは笑う。

 食材を倉庫にしまいながら、そんなことを話していたのだった。



「じゃあ、よろしくお願いします」

「ええ。まあ、そんな面白いもんでもないと思いますが」


 その翌日、マグニヴェラーレは彼の希望で、クレーザーについてスライム職人の仕事を見学することになった。

 クレーザーはどろりとしたものを次々と巨大な鍋に入れていく。


「ちょっと火を強めてくれ」


 鍋の下にはかまどがあるが、その中で火ではない、なにかがふるりと揺れた。

 すぐに火が大きくなる。


「うん、それくらいだ」


 ふるふる。


 クレーザーが作っているのはスライムの粘体を煮詰めたゼラチンである。

 そして、かまどの火の中にいるのはファイア・エレメント・スライムであった。


「スライムの調子はどうですか」

「……こいつは便利だな」


 別の赤いスライムが勝手に薪を一本持って火の中にうにうにと這っていく。


「ウニリィさんはファイア・エレメント・スライムが何かするのを警戒されていましたが、今のところ四種の中で一番平和な使われ方ですね」

「はは、違いない」


 クレーザーは巨大なヘラで鍋をかき混ぜながら笑う。

 赤いスライムたちは火で燃えることなく、火力の調整ができるとわかったのである。

 火力を調整できる魔道具のコンロというものがあるが、王城の厨房や貴族が通うようなレストランでしか使われない高価なものだ。だがこれは、それに匹敵する性能だとマグニヴェラーレは思った。


「昨日は大騒ぎでしたからな。あなたがいて助かった」


 あの草を一度食しただけで家畜たちにあれほどの良い影響があるというのだ。

 どの家も追加の草を欲しがった。それでも彼らがおとなしく引き下がったのは、明らかに貴族であると分かるマグニヴェラーレがその場にいたからに他ならない。

 クレーザーももはや正式な男爵であるのだが、そうは見えないのだ。


「結局、あの草はどうします」

「後で村長とも話しますが、金額はともかく村で配ることはします。それこそ、配らねば人はともかく動物たちが暴動を起こすでしょう」

「確かに」


 マグニヴェラーレは肩を竦めた。


「ただ……いずれまた黄色いのたちにやってもらうことはあれど、あればかり作らせることはありませんな」

「ほう、なぜです?」

「あれにはスライムの体内の魔力をかなり使うようでした。スライムゼリーの質が落ちます」


 クレーザーは鍋を示す。つまり職人としての本業に影響するということだが……。


「スライムをゼリーに使うより、あの草を作る方が金になります。それでもですか?」


 マグニヴェラーレもあの牛乳を飲んだし、夕飯では持ち込まれた卵も食べたが、明らかに美味であった。

 この質で畜産を安定させられるのであれば、エバラン村には王家御用達の看板が掲げられるであろうと確信できるほどだ。


「ええ、それでもです」


 だが、クレーザーは即答した。これが職人としてのこだわりなのか、スライム育成に関する意味があるのかは分からない。だが、クレーザーはそれを譲ることはないであろう。


「少々残念には思いますが、それが良いのでしょうね」


 その話はそこで終わり、クレーザーは作業を続けながらマグニヴェラーレにスライム職人としての話をした。マグニヴェラーレもそれに時折質問を挟みながら興味深く聞く。

 はぁ、とクレーザーがため息をついた。


「どうしました」

「いえ、貴方のような方がうちに婿に来てくれればと、少々失礼なことを考えていました」

「む……」

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― 新着の感想 ―
お父さんもカコイイ♪ 鍋を温める赤くて透明なスライム。カル◯ファーの姿を思い浮かべたのはワタシだけではないと思う~(≧◇≦)
更新ありがとうございます 黄色スライムにしても赤スライムにしても その特技はスゴイと思いますけど 問題はそれを使いこなせる人が…… 残念です(T_T)
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