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【コミカライズ】チートなスライム職人に令嬢ライフは難しい!  作者: ただのぎょー


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第17話:うつーくしーき河よ〜


 さて、食事どころである。

 ウニリィたちは王都の南門を入って、王城を左手に見ながら東側に位置するカッパーブリッジ問屋街へと向かっているところだが、その道中であるチヨディアの南東は海に面していて、交易船や漁船が何艘も浮かんでいるのだ。


「ルナジで昼飯でも食うとするかね」


 クレーザーがそう言った。

 ルナジは海沿いの埋立地、人工の島である。王都近海でとれた海産物を扱う魚市場があり、仕事を終えた漁師たちのための飯屋も多い。

 王都に仕事で来た時には、クレーザーもしばしばこのあたりで食事をとることが多かった。


「ルナジですか」


 ナンディオがつぶやいた。


「あー、騎士様の行くようなとこじゃねえか」


 今日のナンディオは甲冑こそ身につけていないが、剣を帯びて紋章入りの服を着ているのである。騎士階級なのは明らかであった。

 彼はちらりとウニリィに視線をやる。


「私の格好もそうですが、お嬢さんがいますからね」

「気にしないでいいのにー」


 ルナジは漁師町なので、新鮮な魚が安くて美味い。だが荒っぽい海の男たちが集まる区画である。騎士や若い女性がのこのこ行くようなところでもないだろう。ましてウニリィはいまや男爵令嬢なのだから。


「ちょっと先に行ったところに今日水揚げされた魚を出す店があります。それでどうですか?」

「そんなにしゃれたところは……」


 ナンディオがいくような店ではとクレーザーは不安を覚えたが、彼は笑みを浮かべた。


「大丈夫ですよ。高位の貴族がくるような店ではありませんので」


 そもそも、そういった店は予約が必須である。ナンディオが薦める店はそこそこ裕福な平民たちが行くようなところで、衛兵や騎士なども寄るので治安も良い。というわけで馬と荷馬車を停めてナンディオの従者に預け、彼らは一軒の店に入ったのである。


「わあっ」


 ウニリィは小さく歓声を上げた。店は8割ほど席が埋まっている様子だったが、ウニリィが知るような店とは違って客が騒がしくないし、ちょっとした絵が飾られていたり天井には燭台が吊るされていたりと雰囲気からして違う。

 そして店の中央には楽器を抱えた青年が座っていた。吟遊詩人による生演奏である。

 彼はリュートを爪弾つまびき、喉を震わせた。


「うつーくしーき河よ〜、モール河の〜」


 大きくはないがよく通る声が響いた。食事や会話の邪魔にはならないように配慮されているのだろう。楽器の演奏も巧みで、なかなかの技量の吟遊詩人であるとナンディオは感じた。


「清ーきー流ーれにー、棲ーみかーねてー」


 ナンディオは、む。と唸る。それは政治批判ではなかろうか。モール河流域は現宰相パインフラット閣下の出身地であり、その流れに棲みかねるとはそういう意味だ。

 彼は横をちらりと見た。ウニリィは目をきらきらと輝かせて吟遊詩人の歌に聞き惚れている。ここで咎めるのは無粋であるな、とナンディオはウェイターを呼んで席へと案内させた。


「魚料理でよろしいか?」

「ええ」


 ルナジの話をしていたために皆、魚の気分である。またエバラン村では海の魚はなかなか食べられないため、たまの王都なら魚が食べたいというのもあった。

 今日はカサゴの良いのが入っているとのことで、アクアパッツァを頼むこととする。


「カサゴには白が合いますよ」


 ナンディオはそう言うが、クレーザーは苦笑する。


「ワインは全く詳しくなくて……」


 魚介には白ワインが合うとナンディオはいうが、そもそも皮を剥く手間のかかる白ワインは赤よりも高価であり、平民が飲むような酒ではない。さらにいえば平民の酒といえばエールである。


「ですが、貴族になるのにそういう知識も必要というのなら、試してみなくてはなりませんな」


 クレーザーは真面目な顔でそう言った。音楽に耳を傾けていたウニリィが笑う。


「お父さん、飲みたいだけでしょう」


 ナンディオも笑みを浮かべた。食事がきたらワインを試してみることとなり、まずは三人とも移動で喉が渇いているのだ。

 先に飲み物、冷たいお茶があるとのことでそれを頼むこととした。

 ぱちぱちと拍手の音が響く。吟遊詩人が一曲終えたようだ。ウニリィもそちらを向いて一生懸命手を叩いた。

 吟遊詩人は立ち上がると、大仰な仕草で紳士の礼(ボウアンドスクレイプ)をとった。


「ありがとうございます。そちらのお嬢さんもありがとう」


 彼は熱心に手を叩くウニリィに声をかけて軽く手を振り、再び座った。


「では次は新曲を歌わせていただきます……」


 そう言っている間にウェイターが茶を運んできた。綺麗なグラスに入り、冷やされた紅茶である。村ではこんなガラスの食器を使うこともなければ、お茶を冷やして飲むような手間をかけることもそうそうない。


「わーい」


 ウニリィはにこにこお茶を口に運ぶ。クレーザーとナンディオもそれに続いた。

 吟遊詩人がリュートを掻き鳴らす。


「お〜お〜、偉大なりしジョーシュトラウム〜 最強の〜戦士よ〜」

「ブッ!」


  ウニリィとクレーザーは揃ってお茶を吹きだした。

ξ˚⊿˚)ξもとの濁りのフィールズボッグ恋しき。


これ言いたかっただけなんでパインフラット老じゅ……宰相が出てくるシーンは今のところありません。

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― 新着の感想 ―
>ξ˚⊿˚)ξもとの濁りのフィールズボッグ恋しき。 後半こないな、と思ったら最後にきた(≧∇≦)
パインフラット…(笑)。 松の平らですか~。
築地にモルダウwww からの松平定信www
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