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【コミカライズ】チートなスライム職人に令嬢ライフは難しい!【一巻4/7発売!】  作者: ただのぎょー


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第138話:ちょっと場違いというか。

 馬車の車中、サレキッシモは語る。


「いえね、ウニリィさんが暴れているのを見まして」

「ちょっと、暴れたのはスライムで私じゃないわ」


 ウニリィが訂正するが、サレキッシモは首を横に振った。


「テイマーと従魔は一心同体、スライムが暴れたなら即ち、主人であるウニリィさんが暴れたのと同義でしょう」

「ぐぬぬ」


 簡単に言いくるめられるウニリィを見てリンギェはころころ笑う。


「ともあれ、それを見て慌ててマグニヴェラーレ殿の自宅に向かったのですよ。彼は不在でしたがリンギェお嬢様にお会いでき、こうして迎えにあがれたという訳で」

「リンギェさん、ありがとうございます」

「いいえ、当然のことですわ。なんといっても将来の義姉様のことですから」


 ウニリィとしては義姉呼びは気が早いにもほどがあると思うが、それのおかげでこうして迎えに来てくれているというのもあり、否定し辛いところである。

 三人が乗る馬車はブルーマウントから王城を右手に見つつ北へ向かってコストンカワへ。

 このあたりはずっと貴族街だ。立派な屋敷の建ち並ぶなか、屋根に巨大なスライムを搭載した馬車が行くのは珍妙な姿であるが、誰も呼び止めることはできない。

 今、彼女たちが乗っている馬車はミドー公爵家のものであり、周囲を護衛の騎士が固めているのだ。公爵家の姫が移動するというのは大変なことなのだった。

 馬車は貴族街の中でも最も広大な邸宅へ。王都中心にあるとは思えないほどの庭園の脇を馬車は走り、屋敷の馬車止めに停まった。


「おかえりなさい、リンギェ」


 馬車の出迎えの使用人らに混じって、ひときわ美しく華美なよそおいの女性がリンギェの名を呼んだ。


「お母様! どうされたのです?」

「ぴぇっ、こっ……」


 ウニリィの口から小さく悲鳴が漏れかける。リンギェの母ということは、公爵夫人その人であるということだ。

 彼女は言う。 


「いえ、たまたま庭園にいたら、貴方が馬車で帰って来るのが見えたから。我が家の馬車をそんな面白く改装されては困るのだけれど」


 視線は馬車の屋根の上に。


「ふふ、大丈夫です。すぐに退きますから」

「そう? そちらの方々はお友達かしら」

「こちら、カカオ男爵家のウニリィ嬢と、その従者です。ウニリィさん、こちら私の母です」


 高位の身分から話しかけられない限り、下位の者から挨拶はできない作法である。

 サレキッシモはそつなく華麗な所作で紳士の礼をとり、ウニリィもまた練習している淑女の礼をとった。


「初めまして。ウニリィ・カカオと申します。お会いできて光栄です」


 公爵夫人は軽く、だが優雅に返礼した。 


「ご丁寧に。トリュフィーヌ・ミドーですわ。そこのリンギェの、そしてマグニヴェラーレの母でもあります」


 そう自己紹介すると、リンギェに向けて頷いた。


「よくやりました、リンギェ」


 ふふ、とリンギェは笑う。

 あの朴念仁である息子が気にしている女性である。トリュフィーヌはウニリィに会ってみたくて仕方なかったのだ。

 馬車の屋根の上の物体がふるりと揺れる。

 そして浮かび上がって、音もなくウニリィの横に着地した。


 ふにょん。


 そして身を揺らして低くする。お辞儀のつもりであった。

 トリュフィーヌは唖然としつつも、動揺を見せない。動揺したのは使用人たちである。

 特に護衛たちは慌てて前に出ようとした。


「大丈夫です。……そちらは?」


 トリュフィーヌはそれを留めて尋ねた。


「えっと、スライムです。私の従魔の」


 ウニリィの言葉に護衛たちは、スライムの大きさじゃねぇ! と内心思ったが、貴人の前でそう叫ぶ訳にもいかない。


「そう、スライム」

「ウニリィさんはテイマーギルドに行ってらしたのよ。ほら、大きいからちぃ兄様の家だと手狭でしょう? 家ならお庭にいて貰えればいいじゃない」


 トリュフィーヌは、リンギェがそう言ってウニリィを家に連れ込んだのだと理解した。


「なるほど。そのように手配なさい」


 トリュフィーヌは使用人たちにそう言った。


「御意にございます」


 庭? 厩舎でもなく当家の庭にこれを!?

 執事は表情を硬くしたが、夫人に命じられればそう言うしかない。

 ウニリィはもじもじした。やっぱり迷惑じゃないかなーと思うのだ。


「どうなさいました?」


 トリュフィーヌはそれに気づき尋ねる。


「ええっと、ちょっと場違いというか、気後れするっていうかですね……」


 ウニリィの言葉はスライムについてであるが、そんなものはトリュフィーヌにとっては何の問題でもないのである。リンギェが招いた客人なのだから、それが連れているものを預かるのは当然のことだ。かつては南方の異国人が連れてきたゾウとかいう巨大な動物だって預かったこともある。

 トリュフィーヌはあえてウニリィの服装にちらりと視線をやって頷いた。


「ふむ、わたくしは気にしませんが、一般的に公爵家に滞在されるとなればもう少し格式高い服装の方が良いでしょうね」

「で、ですよねー」

「ですが問題ありません。ウニリィさんのドレスなら用意があります」

「なるほど……え……?」

ξ˚⊿˚)ξお母さんはトリュフ。

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― 新着の感想 ―
さすが公爵夫人、高級ッスね♪
キノコよりチョコのほうのトリュフ感がある
お義母様、流石です( ˘ω˘ )
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