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新聞の内容

「ただいま帰りました、お父様。入ってもよろしいでしょうか。」

 帰ってきたら旦那様がお呼びです!なんて、すごく驚きましたよ。

 第二王子と茶会をしたことがバレたのでしょうか?

「ああ、おかえり。構わない。」

「では、失礼いたします。お呼びとのことですが、どうかなさいましたか?」

「ああ、ネルダー殿に御子息を魔物討伐へ同行させる旨を伝えていただろう。」

「ええ、許可を取ることができましたが...なにか新たな問題でも発生しましたか?」

「いや、そうではない。急で悪いが、その魔物討伐への同行を明日にでもお願いできないかと聞かれてな。」

「左様でございましたか...明日でも構わないと、ホーザは許可を出しているのでしょうか?」

「ああ、御子息に確認を取った後に聞きに来てくれたそうだ。もちろん騎士爵からの急な提案であるから、断っても問題はない。」

「...いえ、近日中に魔物討伐へ向かう予定でしたのでちょうどいいかと。明日、ホーザを連れてモクケ大陸に行ってきます。」

「わかった。十分に気をつけて行ってきてくれ。」

「かしこまりました。それから、一点関係のないことなのですが、よろしいでしょうか。」

「ああ、構わない。なにかあったか。」

「先ほど王宮にてカニネラ様と茶会をしていたのですが、そのときに新聞社に写真を撮られたようでして。先に特別な関係でもなんでもないと、お父様にご報告をと思いまして。」

「そうか。否定する文などは出すか?」

「いえ、大丈夫です。必要であれば殿下の方から出してくださいますし、私に不利なことはございませんので。」

「了解した。確認するが、茶会を行っただけ、だな?」

「はい、ただ楽しく茶会をしただけです。」

「わかった。それから、ネルダー殿には私から手紙を出しておく。昼10時で構わないか?」

「ありがとうございます。大丈夫です。」

「以上だ。もう戻って良い。」

「かしこまりました。失礼いたします。」

 ふむ...やっとホーザを見れた、そしたら明らか癖を直した動きをしていた、とかでしょうか。

 お咎めがないと言うことは、ホーザに理由を聞いたのでしょうかね。

 とりあえずあとは暇なので王城でやった魔法開発の続きでもしましょうか。



「レミーラお姉様!」

 おやおや、起きてすぐだと言うのに何事でしょう...

「...はい。」

「あ!おはようございます!」

「ええ、おはよう。メロ。朝からどうしたの?なにかあった?」

「あったもなにも!レミーラお姉様、カニネラ様とご婚約するのですか!?」

 んー、新聞は婚約とまで書いたのでしょうか。随分と大きく動きましたね。

「しないわよ。新聞にそう書いてあったの?」

「はい、ご覧になられますか?」

「ええ、あとで読むつもりだったのだけど...今持っているものを読んでもいいかしら?」

「はい、どうぞ。」

 あ、少し冷静さを取り戻してきましたかねえ。

 ...ああ、なるほど。

【婚約発表について話し合うお二人!】昨夜王城で熱い夜を過ごしたお二人。風の防御魔法に人払いまでして、話していた内容は婚約発表についてか!?レクロ公爵令嬢と王子の婚約発表を我々は短い生で二度も見ることができるのか!

 ですか...実に面倒くさい...まあ反逆についての話し合い、と書かれるよりはいいですか。

 婚約とまでくるなら流石にストーラ公爵家が黙っていないでしょうから、第二王子側が声明を出してくれるでしょう。

「メロ、この内容はきちんと読んだかしら?」

「あ、見出しに驚いてしまいそこまで読めておりません...」

「そうなのね。じゃああとできちんと読んでみてくれるかしら?書いてあるとおり、私たちは風の防御魔法を張って話していたのよ。この見出しは新聞社による憶測よ。」

「あ、本当だ...じゃあ嘘ってこと、なんですか?」

「ええ、今はまだ婚約だの恋だのに現を抜かしている暇はないからね。」

「これの否定はされるのですか?」

「人に聞かれたら否定するけれど、この程度のことにわざわざ声明を出す必要性は私は感じないかしら。」

「そうなんですね。...あの、朝早くに大変失礼いたしました...」

「ふふ、大丈夫よ。でも、今後は注意するようにね?寝起きに殿方に突進されるのを好ましく思う淑女は少ないでしょうから。」

「はい...すみません、でした。」

「初めてのことだし、そんなに気にしないで大丈夫よ。ほら疑問は解決できたでしょう?朝ご飯の準備にいってらっしゃい。」

「はい。本当に申し訳ありませんでした。」

「ありがとうね、気にしてくれて。気を付けて。」

「はい...」

 ふふ、流石に前世の顔であれば来たのが誰であろうとキレていたでしょうけど、今生の私の容姿は遺伝が大きいのかすっぴんでもすごく綺麗ですからね。

 正直に申し上げるとなんでそんなに顔がいいんだー!と身体にストライキを起こしかけたこともあるぐらいですよ...

 にしてもメロでこの騒ぎようということは...お母様、お兄様、お姉様が怖いですね...

 まあ見てはいるでしょうし、覚悟して食堂に行くとしましょうか...

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