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王子からの問い

「ロルーリお姉様と、レミーラ様、でしょうか?」

「こんばんは、ロク。」

「こんばんは、ロクレラ様。」

「こんばんは、ロルーリお姉様、レミーラ様。王宮にいらっしゃっていたんですね。」

「はい、少し用がありまして。」

「左様でございましたか。お二人共この後の予定はいかがですか?ご予定がないのであれば、夕食をご一緒したいのですが...」

 おや、どうしましょう。王宮に来た理由は心配するだろうから濁したのですが...

「なにか用事がありますか?ロク。できれば女性だけで話しながら夕食を取りたいのですが。」

 おおぅ、拒否の仕方が予想以上にストレートォ...

「そうですね、お二人に魔法についてお教えいただきたいなと思いまして。」

 こちらも引かないと...

「そうですか...では護衛に許可を取ってきなさい。私たちは城下でご飯にするので、城下までついてきてくれるか聞いてきなさい。」

 後ろにいる騎士が冷えた目にがたがたしてるって、ロルーリさん。

「僕は自分で自分の身を守ることは難しいですが、魔法の上手なお姉様方がいるのです。護衛がいなくてもいいでしょう?」

 こちらからも圧と...

「「「も、もちろんでございます。殿下。」」」

「こちらでよろしいでしょうか?」

「はあ...レミーラ、ロクが一緒でもいいですか?」

 うぐっ...最後に私に圧をかけてきても...両方王族だからなあ...

「もちろんでございます、王子殿下、王女殿下。」

 ごめんよお、ロルーリ。でもはいって言わないと圧がすごくて...



「さて、ロル姉、レミーラ。今日はなぜお父様に呼び出されていたのですか?」

「話を本題から入るのは下品ですよ、ロク。」

「本題から入らないとロル姉たちはのらりくらりと躱すでしょう!」

「そんなことないけれど...」

「ところでレミーラ?なんで私の願いわかっていて無視したのかな?」

「え!...えっと、それは......ロクからの圧に屈しました!すみませんでした!」

「ロルーリ・リャン・ソルメクナよりもロクレラ・リャン・ソルメクナを取るってことだ?」

「いえいえいえいえ!そんなまさか!ただ、たまには年下に優しくあるべきなのかなと...」

「別に僕は幼くないけどな!」

「いいえ、殿下。殿下は子供ですから幼いですよ。」

「はあ!?」

「はいはい、落ち着きなさい、ふたりとも。レミーラを詰めていたはずなのに、いつの間にか私が二人を止めることになるなんて...さすがはレミーラね。」

「別になにもしていないけどねえ。」

「...話は落ち着きましたか?では、なぜ今日お父様に呼び出しされていたか、話してくれませんか?」

「「......」」

「ああ、そうですか。ルートアがいないから僕を仲間外れですか。」

「ロク、別にそういうわけではないのだけどね。物事のは順序というものがあるから。」

「それもそうですね、では1からどうぞ。そんなに長い話でもないでしょう?」

「...そうだ、ロクレラは姉から聞いたほうがいいよね?ロルーリが話していいって言ったらロルーリから聞いてくれる?」

「あ!逃げようとしてない!?レミーラから話せばいいんじゃないかしら?当事者だし。」

「ふふ、なにをおっしゃいますか、ロルーリ様。私は当事者ではないですわ。ただの貴族令嬢に過ぎませんわ。」

「...私から話せばいいということはレミーラは話してもいいってことだね?」

「ええ、私はロルーリ様に話していいか否かの判断を委ねます。」

「むぅ。レミーラの意地悪。」

「ロルーリ様、弟でしょう?ご兄弟の会話に部外者は不要ということだけですわ。」

 私からはとても話したくないですからね。

「ロル姉。では話してくださいますか?」

「いや、一度私たちに話していいか考える時間をちょうだい。」

「そんなに話したくないことがあるのですか?王族にも話さない、ということは謀反を企てて説教でもくらいましたか?」

「いやいや、別に謀反を企てたりはしていないけれど、少し話しづらいことだから、ね。王族相手でも。」

「では、どうぞ。話しづらいだけで話せないことではないのでしょう?」

「くぅ。あとで話してあげるから、今はやめましょう?ここは一飲食店よ。そんなに重いことを話す場所ではないわ。」

「なるほど、それはそうですね。では、お店を出ましょう。」

「いやいや!レミーラを見て?まだこんなに美味しそうに食べているでしょう?一緒に待ってあげましょう?」

「...レミーラ遅い。早く食べて。」

「私はここで食べているから先に出てくれていいわよ。」

「いいえ。私は防御魔法を張ることしかできないから、攫われそうになったら抵抗もできずにそのまま攫われてしまいますわ。レミーラに守っていただかないと。」

「でもロル姉は攻撃魔法を別に打てないわけではないし、いいのではないですか?」

「...ふう、ロルーリの意見は一理あるかもしれないわね。じゃあもう少し待ってくれる?ロクレラ。」

「...わかりました、レミーラとロル姉の総意であるならば仕方がないですね。すみません、水をもう一杯いただけますか?」

「あ、かしこまりました!少々お待ちください!」

「ゆっくりで構いませんよ。」

「...ふー...」

「ロル姉、息をつき考えた嘘を教えるのではなく、事実を教えてくださいね。」

「ふふっ。」

「ロル姉?」

「ご飯中に喧嘩しないでね。」

「レミーラはいつ食べ終わるんだよ...ずっと食べているだろ。」

「ここのご飯美味しいんだもの、仕方ない。」

「そうよね、この世界にも美味しくないものはあったけれど、ここのお店はあたりね。」

「ねー!」

「まあそれはわかるけど、だとしてもでは?」

「まあまあゆっくり待ちたまえ。」

「...はあ、まあいい。あとできちんと聞くからな。」

「はーい。私は話さないからロルーリから聞いてね〜。」

「もう...」



「ごちそうさまでした、すごく美味しかったです。」

「たくさん食べてくださっておりましたので、すごく伝わりました。またお越しくださいませ。」

「ええ、また食べにまいります。」

「お待ちしております。」

「...さて、帰りましょうか。」

「ええ、帰りましょう。とはならないって!ほら!どこなら話してくれるわけ!?」

「さすがに城下はなあ...誰に聞かれているかわからないから、ね。」

「そこはロル姉の魔法でなんとかなるんじゃないの?」

「風の防御魔法が音を遮断してくれるけれど、闇魔法や光魔法とは相性が悪いからなあ。」

「なるほど、その心配がないのが王城と、とはならないけどね。ロル姉は主に音の遮断を、その他の魔法をレミーラが防ぐんじゃないの?」

「それはそうなんだけどねえ...」

 ...おやおやおや、お店の中では安全でしたけども今ですかあ..."スタート ウインドバリア"、"スタート ダークバリア"。

「いえ、王宮に戻りましょうか。ロルーリ様、ロクレラ様。」

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