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15/30

友の学園入学の報せ

「お嬢様、おはようございます。起きていらっしゃいますか?」

 え?.......もう朝日がこんなところに...いつの間に月が沈んでいったんでしょうか...

「ええ、起きているわ。」

「朝食はいかがなさいますか?」

「...いただくとするわ。」

「かしこまりました。準備ができましたら食堂にお越しくださいませ。」

「わかったわ。」

 いやーかなり久しぶりに寝ないで朝を迎えてしまいました...魔法の開発に熱中すると駄目ですねえ。朝食後に寝るとしますか。



 さすがに久しぶりの徹夜で身体が悲鳴あげているのか、朝食が全然食べられませんでしたねえ。

「おはよう、ジューヴァ。」

 部屋に戻っていたら目の前をジューヴァが歩いているではないですか。シミラーお兄様の部屋はこちらではないのに...どうしたのでしょうか。

「おはようございます、お嬢様。」

「ジューヴァ、今はどこに向かっているの?」

「本日は屋敷の倉庫の整理をするため、その荷物を取りに向かっております。」

「そうなのね。」

「お嬢様はどちらに向かっていらっしゃるのですか?」

「私は部屋よ。朝食が終わったところだからね。」

「そうでしたか、失礼いたしました。よろしければ、お部屋までお見送りいたしましょうか?」

「...ジューヴァの時間は大丈夫なの?」

「はい、整理開始までまだまだ時間がございますので大丈夫でございます。」

「そう。じゃあ頼もうかしら?」

「おまかせくださいませ。」


「..お嬢様。無礼を承知で一つお伺いしたいのですが、よろしいでしょうか?」

「ええ。構わないけれど、なにかあった?」

「お嬢様、昨晩きちんと睡眠は取られましたか?普段よりも少々空気が重く感じますが...」

「あら、ジューヴァよくわかったわね。少し作業を進めていたら朝になっていて今から寝るところなのよ。」

「お嬢様...」

「そんな目をしなくても、今からちゃんと寝るよ。」

「...お嬢様が眠りにつくまで私がそばで子守唄でも歌いましょうか?」

「もう子守唄なんて年じゃないけれど...大丈夫よ?部屋に入ったらすぐに寝るから。」

「前にそう言って二日間寝ないで倒れられたことを私はちゃんと覚えていますよ?」

 昔、魔法の開発に熱中して時間の経過を忘れ、生理現象がために立ったらそのままふらっと倒れて寝てしまって...その様子を昼食の確認にきた当時執事見習いをしていたジューヴァに見つかってしまい...その過去が根に持たれていますね...

「大丈夫!今はあの頃のように幼くないし、そうやらかさないから!」

「やらかす、ではなくてですねえ...あのときのお嬢様を見つけて私、息が止まりかけたんですよ?」

「そのときのことは謝ったしなあ...ジューヴァお兄様、私を信じて?」

「...仕方がないですねえ。でも、ちゃんと寝てくださいね?」

「うん!任せて!」

「では、昼食の時間は寝ていると思いますので、ご飯は食べないと共有しておきますね。お起きになりましたら、ご飯か軽食を厨房からいただいて下さいませ。」

「了解!」

「お返事が軽い...」

「そんなことないけど...じゃあ、その共有だけお願いね?」

「かしこまりました。お任せ下さい。では、おやすみなさいませ。」

「うん、おやすみ。」

 太陽が見えるのにおやすみ...すごく違和感があります。

 とりあえず約束通り、ネルダー様に手紙を出してからすぐに寝るとしましょうかね。




「ふぁあふ。」

 あー、太陽がもうあんなところに...どのくらい寝ていたんでしょうかねえ。

 太陽があそこで、屋敷が静か。昼食の30分後ぐらいですかね。


 さて、起きましたし、ネルダー様から返事を確認しますか。


 ...おや?ネルダー騎士爵家の紋章ではないですが、なんか鳩がいる...

 ...あ!ルートアからじゃないですか!

 学園でなにかありましたかねえ。


--------------------------------------------------------

レミーラ・レクロ様


 久しぶり、レミーラ。お見送り会をしてもらってから少し経ったけど、元気?

 俺は変わらず元気だけど、レミーラも元気だといいな。


 俺は今日、学園の入学式があって正式に学園の生徒となったよ。

 今回の手紙はその報告。


 書類とか色々書く機会があって、レミーラが選んでくれたペンが授業開始前なのにすごく重宝しているよ。

 明日からは授業が少しずつ始まるから、このペンが更に活躍するよ。


 さっきも書いた通り、明日から授業が始まっていくから、多分次に手紙を送れるのは先になってしまうかもしれなくて、この手紙を書いたんだ。


 レミーラたちの入学、同じ学園で一年間過ごせること、すごく楽しみだよ。

 じゃあ、またね。


           ルートア

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 もう入学式だったんですね。

 手紙を送れなくなってしまうとわざわざ教えてくれるあたり...ルートアですねえ。

 では私は返事を書いて、これの返事はいらないと記すとしましょうかね。



 おや、本日はネルダー様に時間があったのでしょうか。

 王宮騎士団に所属しているからこそ、返事がくるまで三日はかかる読みをしていたというのに、ルートアの返事を書いていたらネルダー様からの返事が来ていますよ。




 ふむ、構わない、ですか。

 ホーザの指導はまだ見れていないのか、剣技についての言及されていませんね。


 ホーザを連れて行く条件として、私の視界に必ず入れ、自由行動はさせない、防御魔法を必ず張ってほしい、魔物と戦わせるのは己の実力把握をまださせたくないためやめてほしい、日付が決まり次第ネルダー様に教えてほしい、私が危険だと判断したらすぐに逃げてほしい、ですか。

 自由行動は本人が自重してくれれば、大丈夫ですが...一応前もって、ネルダー様とそんな約束をした、守ってくれ、と伝えるようにしましょうか。


 にしても...自宅に帰れる回数は少なくても、きちんと愛を持っているのだと感じれていいですねえ。

 過保護というより、きちんとじっくりとホーザを強くしたいのでしょうね。失いたくないという思いと、絶望を味わわせるのには早すぎるという考えが感じられます。もちろんモクケ大陸には強い魔物以外もいますから、今のホーザで倒すことが可能な魔物もいますが、それはそれで慢心させたくないのでしょうねえ。


 まあでも、ホーザに気をつけてほしいことはありますが、防御魔法など私が行うものは容易ですね。

 少々早く感じますが、返事を書いて...今は昼食よりも、軽食のほうがいいですかね。

 厨房に行って軽食をいただくと行くとしましょうか。

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