レクロ公爵の兄弟の交流
「お嬢様、夕食の時間となりましたが、いかがでしょうか?」
あ、もうそんな時間ですか...はやいですねえ。まあですが一段落はついたので。
「来てくれてありがとう、いただくことにするわ。」
「かしこまりました。では、準備してまいります。お嬢様は準備ができ次第、食堂にいらしてくださいませ。」
「わかったわ、ありがとう。」
「失礼いたします。」
今回は前回の続きをやったんですが...いささか難しいですねえ。少しは進んだ気はするのですが、結論から辿ったら序盤の方が近そうな...
まあでも切り替えて、準備していきますか。魔法ばかり使っていたので、服を着替えていかないとですし。
おや、一番ですか。まあ座って待つとしましょうかね。
「レミーラお姉様、こんばんは。先ほどぶりですね。」
「こんばんは、メロ。ええ、そうですね。先ほどぶりですね。楽しかったですか?パーティーは。」
「はい、おかげさまで楽しい時間を過ごすことができました。」
「そうですか、その笑顔を見ることができて姉として嬉しい限りですよ。」
「あ...えへ、顔に出てましたか。すみません。」
「謝ることではないですよ。楽しかったならよかったですし、メロが笑顔なら私も嬉しいですから。」
「あ...はい。」
思い出して笑顔になれるぐらい楽しかったなら、よかったですねえ。とても緊張して準備している姿を度々見かけていたので。
「あら、三番目なのね。今日は一番を取れたと思ったのに。」
「クロストお姉様、こんばんは。一番目は私がいただきましたわ。」
「クロストお姉様、こんばんは。二番目は私がいただきました。」
「こんばんは、レミ、メロ。なんのお話をしていたの?」
「本日メロが主催して行っていたティーパーティーの話です。」
「あぁ、今日だったものね。はじめての主催したパーティー楽しかった?」
「はい、とても楽しい時間を過ごすことができました。」
「そう、よかったわ。笑みが溢れるぐらい楽しかったのね。」
「あ、はい...」
「ふふ、よかったわね。さて、シミラーお兄様?いつまでそこで聞いているつもりですか?」
「え?シミラーお兄様?」
「はは、わかっていたか。姉弟の会話が微笑ましくて、私が汚しても良いものかとな。尻込みしていたよ。」
「シミラーお兄様、汚すも何もシミラーお兄様も兄弟ではありませんか。汚れるものもなにもないですよ?」
「それもそうなんだなあ...」
「シミラーお兄様、お気持ちはわかりますが、その状態では怪しい人でしたよ。」
「でもこの気持ちわかるよなあ、レミは。」
「まるで同類が如くの言い方ですねえ。まあ構いませんが、兄弟愛はお兄様には負けませんよ?」
「いや?うちで一番兄弟愛があるのはこの私さ!」
「はは。」
「なんだよ、その乾いた笑いは。」
「とんでもございませんわ。お兄様。」
「まぁたしょうもない争いはやめてくださいね、シミラーお兄様、レミ。」
「そうですよ、いくら公爵で金はあるといえど、修繕費を考えてくださいね。また半壊でもしたら、いくらかかるか...」
「うぐっ、もうあんな喧嘩はしないさ!」
「そうですわ、シミラーお兄様が譲ってくだされば喧嘩もなにも起こらないのですから。」
「いやだが、」
「「シミラーお兄様?」」
「はい......妹と弟に注意される兄...威厳がない...」
「あら、もうみんないたのね。」
「早いな。私たちが最後か。」
「「こんばんは、御母様、御父様。」」「「こんばんは、お父様、お母様。」」
「こんばんは。ミラ、ロス、レミ、メロ。」
「こんばんは。さてみんな揃っているならもう準備してもらおうか。」
「ふー...ミラ、今日はなにをした。」
「はい、本日は仕事をした後、領内の孤児院に行き手伝いをしてまいりました。」
「そうか、孤児院に変わりはなかったか。」
「はい、御父様。」
「そうか、それはよかった。」
すぐに切り替えができるあたり、さすがは次期公爵ですよねえ。そして、シミラーお兄様が幼い頃から行っている孤児院の支援も相変わらずなようで、よかったです。
「ロス、今日は何をした。」
「はい、本日は王宮にてスカーダ様とともに魔法の開発を行いました。」
「そうか。これからも頑張りなさい。」
「はい、御父様。」
相変わらずスカーダ・リャン・ソルメクナ様と仲がよろしいようで...嬉しいですねえ。
「レミ、今日は何をした。」
「はい、本日は私の弟子であります、ネルダー騎士爵家の次男、ホーザに出張の鍛錬を行ってまいりました。」
「そうか。ネルダー騎士爵との約束の範囲だろうな。」
「はい、当然です。魔法について個人的に少し気になることがあったので、助言してきたに過ぎません。」
「そうか。それはよかった。これからも頑張りなさい。」
「はい、お父様。」
基本的に魔力や知識の観点から、早くても学園在学中から魔法の開発をするのが当たり前という風潮があり、学園入学前から行い、学園入学前に完成品を提示してしまうと神童扱いも受けまして。まあ開発した魔法は公にしない、できないので言う必要もないですが。そんな感じで家族ですが、今までも話していないんですねえ。
「メロ、今日は何をした。」
「はい、本日は私主催のティーパーティーを行いました。」
「そうか、楽しかったか。」
「はい、とても楽しい時間を過ごすことができました。」
「そうか、それはよかった。疲れた後に課題を課すようで申し訳ないが、感想などを書ける分だけ書き、後日私に提出してくれ。」
「...かしこまりました。」
私もパーティーを主催する度に感想文提出を求められますが...最近は私たち主催のパーティーはないので、メロが不安気ですねえ。
「「「「「「ごちそうさまでした。」」」」」」
ふー、あとは明日ネルダー様に文を出さないとですね。
「レミーラお姉様。起きていらっしゃいますか?」
おや、私に聞きに来ましたか。
「ええ、起きているわよ。どうしたの?メロ。入っていらしゃい。」
「失礼します。夜分遅くにすみません。」
「全然構わないわよ。どうしたの?今日言われた感想文についてかしら?」
「はい。そうです。私だけその課題が課せられたのでしょうか?」
「いいえ。私も初めては不安になってクロストお姉様に聞きに行ったら、シミラーお兄様もクロストお姉様も課せられた課題だそうよ。」
「そうなのですね。なにかやらかしてしまったわけではないのですか。よかったです。」
「ええ、みんな主催する度に課せられてきたものよ。それからメロは私よりも上手に行っていたと思うわ。少し遅れた方がいらっしゃったのか、ずっと門を見ていたでしょう?その場その場に限らず、気を配っていてさすがだったわ。」
「あ、ありがとうございます。そうなのです、一名欠席の方がいらっしゃいまして、序列もあり門を見ていましたが...よくお気付きになられましたね。」
「私が入ってきたときすぐに駆けてきたからね。そのぐらいはわかるわよ。ところで、欠席の方ってどこのお家の方かしら?」
序列と言われれば、答えは一つですが。名前を聞くまで違っている可能性もありますからね。
「ストーラ公爵家のルコダ様です。」
「...そう、ありがとう。」
やっぱりストーラ公爵ですか...あいにく私の同い年の方はいらっしゃらないため、そのような態度は取られたことはございませんが、先日のカザリージャに続いて態度が明らかですねえ。シャートナ様はクロストお姉様と茶会を行う仲だというのに...
「では、ありがとうございました。その質問だけでしたので、失礼いたします。」
「ええ、頑張ってね。一つだけ助言する、というわけでもないけれど、欠席者について感想文に書いておいたほうがいいわよ。お父様のためになるから。」
「わかりました。夜分遅くに失礼しました。おやすみなさい。」
「ええ、おやすみなさい。メロ。」
少々気にしておきましょうかね、ストーラ公爵について。クロストお姉様とメロには同い年の方がいらっしゃいますから。
まあ、今は先程の続きの魔法の開発をもう少ししてから寝ましょうかねえ。