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弟のパーティー

 さて、まあまあ離れましたし、いいですかね。

「"オン ウインドフライ"」

 今まで使っていた魔法の中に何個か私たちが開発した魔法があって、人前で使うのは少々憚られるものがあるので、緊急時を除いて知っている人の前以外では使わないようにしているんですよね。

 このウインドフライと前に使用したウインドテルは、私とロルーリのみ使うできます。両方、風属性の適正が絶対条件なので、風属性に適正のないルートアは使えないんですねえ。

 ちなみにウインドテルは風を操って、糸電話状にし、風の筒の中を振動させてるようなしくみです。かなり上空で繋いでいるので、基本的に人の行き来などの邪魔をすることはありません。...そういえば半年以上かかって開発したんですよねえ...二人でひーひー言いながら...


 さて、過去を振り返っている間に着きましたね。ではここから歩いて帰りますかあ。



 なんか、今日は人が多いですね。今日家を使う予定ありましたっけ?

「あ、レミーラお姉様。おかえりなさい。」

「こんにちは、メロ。朝食ぶりね。」

 そういえば今日でしたか。メロ主催のティーパーティー。頑張ってますねえ。私が入ってきた門をずっと視界に入れていたようで来るにも早かったですし。気を張って頑張ってますね。

「お姉様、よろしければですが皆様にご挨拶していかれますか?」

「いいえ、やめておくわ。今日はメロの同い年の方々が集まっているのでしょう?後に学園で会う同級生、水入らず楽しんで。」

「そうですか、わかりました。では、また夕飯で!」

「ええ、楽しんで。」

 いつもより少しテンションが高かったですね。友達と会えてテンションが上がっているようで姉として嬉しい限りです。


「あ!レミーラ様!」

 おや...まあ屋敷までの道を歩いているだけですし、わかりますか。

「こんにちは。あなたは...サクータ侯爵の、ヌサナ嬢であっているかしら?」

「あ!はい!名前まで!ありがとうございます!ヌサナ・サクータと申します!」

「ふふ、元気ね。ヌサナ嬢。わざわざ来て挨拶してくれたところ申し訳ないけれど、私は通りかかっただけだから気にしないで。」

「あ、そうなのですね...では...またいつかまで...会えないのですか...」

 うーん...そうもテンション下げられてしまうと申し訳なくなってしまいますね。

「ヌサナ嬢。そんなに気を落とさないで。王宮主催のティーパーティーなど、会う機会はまだまだありますので。」

「あ、はい...もちろんです...」

 うーん...王宮主催のティーパーティーでは気分が上がりませんか...

「私はヌサナ嬢よりも一足先の社交界のお披露目になりすが、ヌサナ嬢のお披露目もお待ちしておりますし、リスメロ主催のパーティーに出席すればこのように会うこともありますし、きっとこれから嫌というほど会うことになりますよ。」

 社交界に残るかなど将来のことをなにも決めていないので、できれば待っているみたいなことは言いたくないんですがね。ここまでしょぼんとされると口だけでも言ったほうがいいように見えてしまってつい言ってしまいました...

「あ!そうですね!そうですよね!ではまた会えますね!」

 うーん...?メロのことロックオンでもしましたかね?なんかメロに申し訳ないことした可能性がありますが...でも、同世代のパーティーなどでは年齢的に会えませんし、公の場所で会うことは厳しいんですよねえ。ヌサナ嬢のためにパーティーを開くとなると問題を起こさないために上級貴族の子供全員集める必要がありますし、集めるは集めるで上級貴族交流会の真似事が増えるうえ変な噂が広められますし、なによりめんどくさい!そんな社交界デビューしてない全員集めたパーティーなんて!準備する労力!

 まあでもヌサナ嬢もそのうち年上に対する憧れなんて消えますので真面目に考えるのはやめましょうかね。できれば明日にでもその憧れをなくしてくれると嬉しいんですけど。それにしても、なんかありますよねえ、小さい頃に大きい人に憧れるのって。その年になると別になんでもないっていう、なんなんでしょうかね、あれ。



「あら、レミーラ様でしょうか?」

 んー、人が多いですねえ。さすがに。

「ええ、レミーラ・レクロと申します。こんにちは。...サクータ婦人。」

「あら、覚えていただいているなんて、光栄でございます。どこかに向かうところだったのですか?」

「ええ、先程まで外に出ていたので家の中に戻る予定でした。婦人は何をしていらっしゃるのですか?」

「ああ、少々席を外しておりますの。」

「佐用でございましたか。先ほどヌサナ嬢ともお話させていただきましたが、お二人共お元気そうでよかったです。」

「あら、サナともお話してくださったのですね。ええ、家族皆元気に過ごさせていただいております。」

「それはよかったです。本日もお母様とリスメロのパーティーに参加してくださり、誠にありがとうございます。」

「いえいえ、こちらこそご招待いただきありがとうございます。...こちらから呼び止めたところ、大変申し訳ないのですが...」

「ああ。短かったですが、良い時間を過ごせました。ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。」

「私も良い時間を過ごすことができました。ありがとうございました。では。...おほほほほ。」

 いるからってそんな急いでいる中、わざわざ話しかけてくれなくて大丈夫なのですが...まあ避けられるよりは圧倒的にいいですもんね。そう捉えましょうか。




 ふー、サクータ婦人、ヌサナ嬢以外には話しかけられずに中に入ってこられましたね。やったー

「お嬢様おかえりなさいませ。」

 あぁ。令嬢.......

「ええ、ただいま。本当に朝は急に馬車を用意させてしまってごめんなさいね。」

「とんでもございません。お嬢様、昼食と午後のご予定はございますか?」

「昼食は部屋でいただくから、部屋の前に置いておいてくれるかしら。置いたら扉を軽く叩いてくれるとありがたいわ。午後は部屋に籠もるわ。夕食は時間になるまで食べるかわからないから、手間をかけてしまうけれど聞きに来てくれるかしら?」

「かしこまりました。では、厨房に伝えてまいります。」

「ええ、よろしくね。」

 午後は久しぶりに魔法の開発でもしましょうかね。最近ばたばたしていて魔法にまで手が伸びないのでね...いつぶりでしょうかね。

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