理由判明?
「お嬢様、おはようございます。朝食の時間でございます。」
「ん、ああ、ありがとう。すぐに行くわ。」
「かしこまりました。」
いやー意外とぐっすりだったようで...とりあえず、ご飯を食べてきましょうかね。
「おはよう、レミ。お父様と朝から大変だったみたいだね。」
「おはようございます、お母様。お父様は忙しそうでしたが、私はそんなことなかったですよ。」
「そうなの?」
「はい、お父様が向かわれた後は睡眠を取りましたし。」
「そうなのね。ゆっくり寝られた?」
「はい、少し体を動かしたことも相まってかぐっすり寝ることができました。」
「そう、それはよかったわ。」
「おはようございます、お母様、レミ。」
「おはよう、ミラ。」
「おはようございます、シミラーお兄様。」
「...おはようございます、お母様、シミラーお兄様、レミーラお姉様。」
「「「おはよう、メロ。」」」
「では、みんな揃ったことですし、ご飯にしましょうか。」
「「「はい。」」」
「準備をお願い。」
「はい、かしこまりました。」
「ごちそうさまでした。」
「「「ごちそうさまでした。」」」
「では私は先に失礼いたします。」
「ええ、ミラ。今日も頑張ってね。」
「はい、ありがとうございます。」
「では、私も先に失礼いたします。」
「ええ、メロ。今日も頑張ってね。」
「はい、ありがとうございます。」
「では、私も失礼いたします。」
「あ、レミ...」
「?はい、なにかございますか?」
「あ、えっと...大丈夫だった?怪我していない?」
「はい、大丈夫でした。怪我も暴言も何もなかったですよ。」
「本当に?初めて一人で15分も相対したと聞いて...」
「お父様のものを見てやり方など何回も学びましたし、大丈夫でした。」
「そう...よかったわ。引き止めてしまってごめんなさいね。」
「いえ、とんでもございません。ご心配くださりありがとうございます。では、失礼いたします。」
母親としてか聞いて心配してくださったようですねえ。ですが私は別に初めてでもないのでそんなにご心配いただくことでもないのですけどね。まあでも、レミーラ・レクロとしては初めてでしたし、仕方ないことではありますか。そのように心配していただいて、愛していただけるのも両者生きているからできることですし。
今日は禁書庫の使用許可を待機しながら、魔法の練習・開発でもしましょうかねえ。
...ん?でもそんなの言っている間に王宮から鳩が来ましたね。
お!許可が!おりましたー!
相変わらず陛下はこんなに朝早くから仕事していらっしゃるのですねえ。まぁこちらとしてはありがたいことですけど、過労などでお倒れになるのは心臓に悪いのでやめてほしいもんです。
まあ許可もおりましたし、準備ができ次第すぐに向かいましょうかね。
「先ほど許可が降りました、レミーラ・レクロです。入室許可の確認をお願いします。」
「....ハイ、カクニンシマシタ。...ドウゾ。」
「ありがとう。」
禁書庫の確認作業は魔道具が行っております。人では買収や操られるなど起こりかねませんが、この魔道具は正式に継承した陛下のものでしか行動しませんのでそんな危険性もないのです。
魔道具はこの大陸には三個ほどあり、世界に13個あります。魔道具という名称なのですが、前世の世界でいう魔法石みたいなものでして、核となるものがあり、いかようにも姿形、機能などが変化します。どの国にあるものも、正式な手順を踏んで継承した王のような偉い立場の人間が使用・変更させることができるのですが、一度変えてしまうと一生ほかのものに変化しないので、今現在までに把握されている魔道具は全部形が変わってますね。13個全部、禁書庫などの秘密の部屋になって、監視、管理している物がいる感じですね。魔道具の発生条件などは把握されておらず、最近は発生がなく、今現在使われているものははるか昔からあるものです。王しか使えない上に機能の変更もできず、希少すぎることも重なり、研究もできず、量産などはされておりません。
とまあ説明はここまでにして、探していきましょうかねえ。
んー、困りましたね、これは。
真面目に報告書を作る必要がありますねえ、これは。あ!いやまあ常に真面目に作ってますけどね!
...てゆーか最近報告書多すぎる...まあ前世よりは仕事量が少ないのですけど、前世のパソコンと違って手書きなんですけど!しかも年圧倒的に幼いし!
まあとりあえず一度帰宅して報告書を仕上げますか。
「レミ。」
「あ、お父様。こんにちは、お疲れ様です。報告書、ご覧になりましたか?」
「ああ。やはりストーラ公爵の愛妾で使用人だったか。うちの調査に切り捨てられていたとは。」
「別にそんな探られるようなことはないのですが、私が王宮会議からの調査人であり、その調査内容の危険度が公開されないため動いたなんて...こちらもわからないことなので教えられることはないというのに。」
「まあ、そこさえも理解できなかったのだろうな。だが、動くことを報告していたのは偉いと思う。」
「ええ、五日前に休暇を使い、ストーラ公爵にわざわざ報告に行っていたなんてよくしますよね。」
「ああ。そこまで、ストーラ公爵に愛があったということなのだろうな。」
「ええ、そうでしょうね。それにしても、半年前から非常時ように潜り込んでいたなんてよくやりましたねえ。元々怪しまれていた者ではあるので、逃がしていたとも言えるわけですが。」
「レミの場合は興味がなかったが正しいような気もするが。」
「とんでもございませんわ。ところでカザリージャの処分はいかがするのでしょうか?」
「一番はストーラ公爵に返還することではあるが、認めないだろうし、レクロ領追放でいいのではないかと思っている。」
「そうなのですね。」
「レミは大丈夫だったか?初めて一人かつ15分しかなかったのに、こんなに聞けたのか?超えたとは聞いていないが。」
「はい、出発なさる前に申しましたとおり、以前からお父様のものをみておりましたし、大丈夫でした。」
「そうか。一応私が確認はするが...よくやった。」
「とんでもございません、少しでもお力に慣れていたら幸いでございます。」
「ところで王宮に行っていたらしいが、原因はわかったのか?」
「いえ、以前も起こったことは理解したのですが、いくら探しても原因はわかりませんでした。」
「そうか。ではあとでまとめたものを渡してくれ。それを今度の王宮会議に持っていこう。提案書はどうする?」
「原因はわかったとしても危険度が高い可能性が高いため、取り下げるつもりはありませんでした。現に危険度が高く、原因もわかりませんでしたので提出させていただきます。」
「そうか。ではそちらも頼んだ。」
「いえ、私のわがままですので、提案書に関しては頼まれるようなことではございません。」
「でも、世界のことを思ってのことだろう。この世界を生きるものとして感謝申し上げる。」
「あ、ありがとうございます。では、報告書と提案書を書きに行ってまいります。」
「ああ。」
「失礼いたします。」
いやー感謝言われるようなことでもないし、なんか拒否してしまいましたよねぇ。どうせなら前世の上司もこんな人が良かったですわ。仕事押し付けるだけじゃない、感謝を言える人がよかったです。
...おや?
「クロストお姉様。こんにちは。帰っていらしたのですね。」
「こんにちは、レミ。ええ、といっても先程帰宅したばかりだけどね。」
「そうなのですね、おかえりなさいませ。昨夜はお邪魔してしまい、申し訳ありませんでした。」
「いいえ、頭を上げて。大丈夫よ。いないことになってたなんて、教えてくれて対処してくれてありがとう。」
「とんでもございません、お姉様。元々怪しいとは思いながら泳がしていた私がいけないのですから。」
「害を及ぼしていない場合は泳がしておくしかないのだし、正しい判断よ。」
「そう言っていただけて幸いです。」
「いまレミは調査延長のものをやっているのよね。」
「はい。王国会議のための調査やっております。いかが致しましたか?」
「いいえ、お疲れ様と思って。じゃあまだまだやることはある感じなのね。頑張ってね。」
「ありがとうございます。」
「引き止めてしまってごめんなさいね。ではまた夜。」
「はい。また夜。」
お姉様も帰っていらっしゃいましたねえ。まあ私はとりあえず報告書と提案書を仕上げなければ。
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追加報告書
・880年前に同じような事象が起こっている。
〈当時の記録〉※禁書庫の本から引用。
・880年前のものは魔物増加率が約150%ほどになったのを皮切りに増加は止まった。
・真魔を討伐後に魔物の増加率が上がった。真魔を倒しても歪みは消えなかった。
・三日で1%ほど増加していたものが、真魔の討伐後は二日で1%増加した。
・当時は365日かけて150%増加になった(219日間三日で1%増加・146日間二日で1%増加)。これは具全音可能性あり。
・当時も当時では最先端の技術を用いて調査したものの原因はわからなかった。
・今現在起こっているモクケ大陸で起こっているものと似ているため、今回も同じことが起こる可能性あり。
・そのため、はじめの報告書どおり、王宮に私レミーラ・レクロ名義の提案書をお送りします。
調査・報告員:レミーラ・レクロ
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よしっ!報告書かんせーい!にしても、世界規模で隠していたのか、国規模で隠していたのかわかりませんが、なぜこれに関する情報が各家の書庫になく、歴史の授業で学ばないのでしょうねえ。
まあでも、もう少し情報があるのですが、さすがにそれは伏せておきましょうかね。我が身のみ可愛い馬鹿どもによる被害拡大を防ぐためにも。
ということで提案書いきますか〜!
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提案書
王宮・陛下宛
提案者:レミーラ・レクロ
内容:先に送った追加報告書の通り、モクケ大陸の調査員増員についての提案
提案理由:約880年前の話といえど当時の被害は大きく、当時より発展しているながら原因がわからないため、被害を少しでも小さく防ぐため、原因探求のため。
具体的な提案
・主な調査員は一定以上の魔力があり攻撃・防御魔法を使える者、一年生前半までの授業を終えた魔法学園の生徒。
・怪我人を出さないために、自分でも防御魔法を張ってもらうが、レミーラ・レクロも調査員に対して調査員が魔力切れで防御魔法が崩れるのを防ぐため、防御魔法をかける。
・調査員のやることは、魔物増加率の計算してを毎日正午に王宮に送ること、増加しすぎた魔物を調査員本人に危険のない程度に倒すこと。その他の時間は常駐調査員の仕事の邪魔以外、なにしても構わない。
・最低二人最高五人。複数人の理由は、一人では対処できない量の魔物が発生した場合、その場から逃げるための道を確保するため。
・この調査留学と称し、調査員としてモクケ大陸で過ごした期間も学園在籍期間として扱い、二年生を終えた年度に卒業を可能とし、留学生も終えるか、卒業生として調査するか選択可能。卒業しても続ける場合、その者を調査員一人として数えるため、増員なし。
・留学生は留学経験を生かし、就職先を選べるものとし、調査依頼を出したレミーラ・レクロが積極的に就職活動を支援する。(学園の就職支援もそのままありとする。)
・レミーラ・レクロは一ヶ月に一度、定期的に調査に向かい、映像に異変があれば時間を問わず、即刻モクケ大陸に向かい状況を確認する。(ただずっと映像を見ていられるわけではないための調査員。)
・絶対に危険が発生しないように防御は何重にも張り、解けるタイミングはレミーラ・レクロの死亡または調査が終わったときのみ。(調査員本人の願いとレミーラ・レクロの願いが重なったとき。)
・調査員には調査員としての給料を支払う。(日給などは要相談。できる限り調査員の要望に沿う。)
・調査員希望者がいない場合の推薦などはなし。依然として調査にはレミーラ・レクロが担当するが、被害が出ても一人でできることにはかぎりには限界があるため、責任は取らない。
希望:その者で構わないかと、レミーラ・レクロが応募した生徒の面談をさせてほしい。
理由:魔力の量、使える魔法などで虚偽の申告を行っていないか、万が一にも実力不足で命が危ぶまることはないか確かめるため。それは学園の申請も生徒の申請も疑うわけではないが、応募の申請を出した者としてそれ相応の責任を負うため。
この提案の責任者として、調査員をしている学園の生徒に少しでも怪我ができた場合はレミーラ・レクロが全責任を取り、謝罪、慰謝料、治癒、その他調査員の希望のことをできる限り行う。万が一完全回復しない怪我ができた場合は、レミーラ・レクロが死罪または大陸を追放。(その怪我の度合いによってソルメクナ王国国王が判断される)
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ふーこんなものかなあ。
まあでも少しでも楽したい生徒の申請があることは願うかなあ。
ずっと仕事するわけでもなく、少し見ていれば良く、少し計算し、魔物を倒しまくるだけで給料が発生するんですからねえ。まあいないとしても、仕方ないことではあるんですよね、未知なことなのでいかなる危険があるかわかりませんし。
でも、言いたいですよねえ!ここ北の大陸!モクケ大陸は西の大陸なのだから、一番近い中央の大陸の人たちが管理してくれればいいのに!と。まあでも、人口の差が〜とか発展の差が〜って北の大陸コクロス大陸にって世界会議で言い出して、じゃあどの国が対応しますか?って北の大陸の国で話し合いしたら、また人口の差が〜発展の差が〜って言って、気の弱く争いの嫌いな五代前の国王からソルメクナ王国が中心にモクケ大陸の調査・管理をすることになったんですよね...はあめんどい。
まあでもあとは報告書をお父様に渡して、提案書を王宮に送れば一時休憩ですねえ〜!