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10/30

少しハプニング

 朝ですねえ。

 久しぶりですが、起きないといけないことは事実ですし、起きますか。多分始める前にお父様が起こしに来てくださいますし。


「おはようございます、我が主。」

「ん?ライグおはよう。どうかした?」

「ストーラ公爵の使いという者が緊急の用事なため、入れろと騒いでおります。いかがいたしましょうか。」

「あー、来たのか。...うん、20分外で待ってもらったあとに入れていいよ。中でどこの使いで要件はなにか使用人に言うこと、って言っておいて。」

「かしこまりました。では20分後に屋敷内に入れます。」

「うん、ありがとう。あと、人なり鳩なり、なにかは外に出た?」

「いえ、物体は出ておりません。」

「そう、ありがとう。じゃあ20分後に入れて、その後はもう人の出入りを禁じるのは解いていいよ。」

「かしこまりました。では、失礼いたします。」

「はーい。」

 ということは毎日連絡を外部で取っていたか、昨日動くことを伝えてきたかか。まあ聞いたらわかるかなあ。

「ミラ、起きているか。」

「はい、お父様。起きております。」

「では行くぞ。」

「わかりました。すぐに出ます。」

 ちょうどいいタイミングできてくれましたね。じゃあ、ちょうどいいぐらいかなあ、ストーラ公爵の使い。

「お待たせいたしました。」

「ああ。では、行くとしよう。」

「はい。」



「カザリージャは自室にいたため、奥の間に入れてある。」

「移動までやってくださったのですね。ありがとうございます。」

「ああ。」



「では私は着替えてくる。少し待っていてくれ。」

「はい。」

 さて、私は雑談でもして待ちましょうか。


「おはよう、カザリージャ。昨夜はよく寝れた?」

「ええ、ぐっすり寝ていたのに突然あいつに起こされて引きずられて連れてこられたわよ。」

「あら。あなた、それが素なの?」

「使用人なんて全員こんなものよ?なに?お子様は使用人にも夢を見ていたの?みんな謙虚でいいこだ〜って?」

「いいえ?みんな素は違うしそんなことは思っていないわ。私はあなたの素の姿を知ることができて嬉しいの。素どころか今後は誰とも話すことはなくなるかもしれないけどね?」

「あは!なに?殺す気?お嬢様が人なんて殺せるの?魔物は殺せても私は人よ?」

「レミ、待たせた。」

「とんでもございません、もうよろしいので」

「旦那様!」

「...わざわざこんなところまで来るのだから余程大事なことなのだろうな。」

「はい、大変申し訳ございませんが、緊急のこととと判断したため参りました。今ストーラ公爵の使いを名乗る者がきて、至急レクロ公爵、旦那様を連れて来るようにと言われたと。」

「...はあ、偶然なのか、それとも...この者のためなのか...要件はなんと言っている?」

「それがレクロ公爵しか対処できないため、連れてこいとしか言われていないらしく...」

「...そうか。」

「お父様、どういたしますか?」

「さすがに行かないわけにはいかないな...序列が我が家より上な存在かつ、行かないとどんな噂を流されるかわからんやつだ...」

「では、私がこの者に聞いておきますね。」

「いや、それは...まだ一人では早くないか?」

「お父様のものを何度も見て学んでおりますし、大丈夫かと。」

「うむ......。...では、15分でやめること、暴言など傷つく言葉を吐かれたらすぐにやめること。を、約束するのならば、今から一人でやっても構わない。」

「15分、ですか...」

「15分経っても出てこなかった場合には、あの者を入れて止めさせる。本格的なものは帰宅後または朝食後、私が行うから、何もしなくて構わないし、起こした後で申し訳ないが今から再び寝に行ってくれても構わない。」

「...わかりました。では、15分で聞けることのみ聞きます。」

「...わかった。では必ず約束を守ること。あの者に15分後のみ、入室の許可を与えておくからな。」

「かしこまりました。お気をつけていってらっしゃいませ。」

「ああ。レミも気をつけるように。」

「はい。」



「お父様、私一人でやったことあるんだけどなあ...まあ、じゃあ急いでやらないと。まさか時間指定くらうとは。...てことで場合によっては痛いことするけど、許してね。"スタート ウインドアーマー"」

「...あなたさっきも思ったけど、根っからのお嬢様じゃないのね。」

「ん?もちろん!さあて、やっていこっか!」


「まあまずは名前は聞いておこうか。あなた、本当の名前は?」

 "オープン メンタルステータス"

「はあ?これが本当の名前よ?カザリージャ。あなたも呼んでいたじゃない。」

「そっかそっか。本名で敵陣に潜り込んだんだね。そんなに頭が回らなかったのか、誰も教えてくれなかったのか。あ!両方か!ごめんね?あなた、誰からも大事にされてなかったんだね。」

「はあ?私は旦那様に大事にされてるわよ!ここに来るときも気を付けていってらっしゃいって言ってくれたし!」

「そっかそっか。最後の夜にいってらっしゃいって笑顔で言われたことをかあ...しかも行く三週間前に。面白いね、やっぱり馬鹿なのか、恋だからかなあ...恋は盲目ってことかなあ...」

「はあ!?あなた人を馬鹿にしないと気がすまないの!?」

「いやぁ馬鹿だなあって。馬鹿すぎて笑うことも話題にもならないよ。正式な愛人でもない、たくさんの不倫相手の一人で、よくここまで愛されてる!プンプン!ってできたね。じゃあまあ、ごめんね?名前も聞けたし時間も有限だし、はじめようか。」

「え?もう?もう少し話してもいいんじゃないかしら!?」

「え?いやだけど?そんなわざわざ助けを待つわけないじゃん。」



「ふー疲れた。"スタート ダークヒール"......うん!完治したね!おめでとう。じゃあ、あとの処遇はお父様次第ということで。ばいばーい。」

 ダークヒールは他のヒールよりも効果が高く、小さい傷もなくなりますから便利ですねえ。さて、時間ギリギリになっちゃいました。14分、めっちゃギリ。

「お待たせしました。出てきたので大丈夫ですよ、ジューヴァ。」

「あ、お嬢様。大丈夫でしたか?」

「ええ、もちろん。時間も少ししかないしね。」

「旦那様はそれだけお嬢様が大切なのですから。では、部屋まで送りますよ。」

「ありがとう。でも、大丈夫なの?予定は。」

「ええ、シミラー様が起きられるまで私に緊急の仕事はござません。他のことはあとでできますしね。」

「そう、ではお言葉に甘えて。」

 このとっても優しい顔をした垂れ目なイケメンことジューヴァはシミラーお兄様の側近です。幼少期からお兄様とともに過ごしていた所謂幼馴染で身分は平民です。そして、なんとなんと!?現在交際している方はいらっしゃらないそうです。そのため同年代の女性使用人からいつもアプローチを受けていますね。モテ男です。昔はお兄様といたため、ジューヴァお兄様と呼んでいたのですが、今は流石にやめましたねえ。...でも今は近くに人もおらず、二人きりなので久しぶりに呼んでもいいですかねえ...

「ジューヴァお兄様は最近どうですか?お兄様の補佐、大変ですか?」

 なんなんですかね!?この質問!?合コンですかね!?

「...。」

 ほらあ!久しぶりに呼ぶから目を開いて固まってしまったではないですか!どうするの!私!

「あ、えっと、そうですね、大変ですが楽しいですよ。すみません、久しぶりにお兄様呼びされたので、固まってしまいました...」

 なんですかねえ...普段かっこよくて、照れたらかわいいとか...無敵かよ!

「こちらこそごめんなさい。久しぶりに会話したので呼びたくなってしまって...今後はきちんとジューヴァって呼びますね。」

「あ、いえ、呼びたくなったら呼んでくだされば...!私も嬉しかったですから。」

 ふー...これが天然たらし?

「じゃあ、また呼びたくなったらジューヴァお兄様って呼ばさしていただきますね?」

「はい!ぜひ!あ、着きましたね。では、朝食までですが、ごゆっくりお過ごしくださいませ。」

「ええ、ありがとう。」

 はあ久しぶりのイケメンエネルギー摂取。お兄様もイケメンですが、毎日見ると感覚が麻痺しますからね。それに最近はルートアが学園に行ってしまって、一番大事なルートア(イケメン)エネルギーを摂取できてませんでしたし...

 ああ、あとはさっきのカザーリジャに対する質問でわかったことを紙にまとめて、お父様の側近に渡して、二度寝しましょうか。

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