なんで私が異世界に!?
いや!ガチャで先の人生決まってたまるかーーー!!!、ぁぁぁーーー
私の名前は未世礼。パワハラ上司は仕事を飛ばしてきて日々イライラと疲れが溜まっている、どこにでもいるしがない会社員です。毎日毎日人に使えないなどとこぼしてタバコを吸いに行ったまま一時間帰ってこない上司はタバコを何本吸っているのやら。将来が心配になりますね。
仕事が休みの土曜日にいろいろなところのガチャを回り、気に入ったものがあれば回してみて、欲しいキャラがいれば出るまで回して、昼は豪華にハンバーグ!と充実した休日を過ごしておりました。昼食を食べた後の午後からは行き当たりばったりのぶらぶらわくわくガチャガチャ探しの旅をしてたんです。久しぶりに休日出勤のない日だぁー!とそりゃもう道行く人が変な人を見る目でみてくるぐらいには楽しんでおりました。まあそりゃ20歳といい年こいた女がスキップしながら、我は自由だ〜とビブラートきかせて歌ってたらそんな目もしますよね。多分、いや絶対に私も見る側だったら引きます。通りすがる人にそんな目を向けられながらも楽しんでいたら、人気の通りに来てまして。その先に古びたお店があってガチャガチャが目の前にありました。ラインナップもなく、ただただ古びたお店に似合わない白くてぴかぴかのがちゃがちゃでした。500円玉二枚を重ねて入れろとのことだったので運試しに回してみたんですよ。今だからこそ言えることですが、やめとけ!回れ右!と言いたいですよ。まあしかし、その時の私に未来の私の声なんて届いておらず、わくわくで回してました。なにかななにかな!タオルとか?不明なキャラとかもありえるか。いや、ここはビリビリもあるのでは!?と、考えながら回してみると取り出し口には白色のカプセルが出てきました。手に持って開けようと立ち上がった瞬間、目の前に手の平サイズの白い羽の生えたぬいぐるみのようなものがでてきまして、「その中身はなんだろな。ラインナップはぁ?なんと!ワネクトの貴族!ワネクトの平民!ワネクトの獣人!コレットラの平民!コレットラの魔族!そしてそしてぇ!このままの人生を続ける地球での人間!」と歌って消えていきました。そこから先は、操られているようにカプセルを開けてしまい、中にはノートの切れ端に子どもがクレヨンでかいたような「ワネクトきぞく」と二つ折りにされた紙が。その紙を読んだ直後、目の前が眩しくなり目をつぶったら体は小さいわ、知らない人たちが目の前にいるわでパニックになりまして、12年ぶりぐらいですかね、泣き叫びました。その後はというと、「、ミ、!ミ!、ミーラ!レミーラ!!」
「ん?ああ、ごめんなさい、意識飛んでたわ。」
「全くもう。ちゃんと寝てるの?」
「寝てる寝てる!こないだなんて10時間も寝てたから!」
「寝る子は育つもんね。偉いよ。」
「10時間も寝ておきながらなんで人と話してる最中に寝られるんですか?レクロ嬢?」
「まあそうですねぇ。話がつまらなかったからじゃないですか?殿下。」
「あはは。ずいぶんと面白い御冗談をおっしゃいますね、レクロ嬢は。」
「事実ですが?」
「こら!すぐ喧嘩しないの!。」
「二人はいつも元気で仲いいねえ。」
「「仲良くはない!!」」
様子を見たらおわかりかと思いますが、はい。異世界の貴族令嬢になってるんですよね。では他己紹介していきましょうか。
「やっぱり二人は仲いいわねぇ。」
こちらの見目麗しく、言葉遣いも丁寧なおねーさんタイプな女の子。この子は、私と同い年の11歳にしてこの国の第二王女であらせられるロルーリ・リャン・ソルメクナ様です。そして!私の親友です!いいこすぎるんです、この子。なんとこの世界に転生したのも小さい子が車に轢かれそうになっているのを助けたら自分が巻き込まれたとか。一言で紹介するならいい子すぎる子です!
「ロル姉まで。仲良くないってば!」
この小さくて生意気な者はなんと!この国の第五王子なんです!しかも、王位継承権は幼いといえど持っております、ロクレラ・リャン・ソルメクナです。なんと最近巷では神童と呼ばれ、こやつ、んん!この者に王位を継いでほしい者が増えているとか。まあたしかに貧民街の具体的な支援方法を4歳の子が考えだしたら神童とも呼びますよね、とも思うけど。この可愛くないものが神童なわけないでしょうすぎますよね。大いにわかります!!まあでも、こんな小生意気なやつですが、前世は病死したとか。苦労してたんですね。
「あはははは。」
この爽やかに笑っているイケメンすぎ男は今生はルートアという平民です。このイケメンすぎ男、なにがイケメンかって全てなんです!当たり前ですが、顔だけじゃないんです!困ってる子にはさっと近づいて「どうしたの?」と膝を折って聞き、体調が悪いと「無理しちゃだめだよ。ときには休憩も大事!」とベッドに連行し、寝るまでそばいにてくれます!会って開口一番それですからね!これをイケメンといわずしてなんという。そんなに言葉のボキャブラリーのない自分には表せられません。なぜこの人は身分が王子ではないのか。それに何度頭を悩ましたことやら。まあ私にできることはないので、結論は出てないですが、身分まで王子だったら人が群がって仕方なかったと思うので身分だけは平民で良かったのかもとも思います。そして、なんとこの方!散歩好きと体にいい趣味を持っております。こっちの世界に来ても筋トレも続けてて体も引き締まってるし、ザ・イケメン!そんな彼は春から魔法学園一年生の12歳です。
「レミーラからもなんか言ってよ!」
「んー?当たり前じゃん。こんな雑魚王子と仲良くないわぁ。」
「は!?誰が雑魚だって?」
「え?雑魚じゃん。思春期発動して王妃様の母乳拒否して、王妃様悲しませたんだから。」
「うぐっ」
「まあまあ二人とも落ち着いて。」
「そうよ!ロクの思春期はこれでもマシになってるんだから!」
「ロル姉!そうだよね!過去持ち出してきて、いい大人が恥ずかしくないんですかぁ?」
「あぁ?記憶の彼方に忘れ去ろうとしてる過去を思い出させてあげたんだから逆に感謝してほしいぐらいよ。」
「まあまあ二人ともその辺にして。そろそろ解散の時間だから。」
「そういえば、そうだな。」
「時間が立つのは早いわね〜」
「じゃあ本日はここまでにしましょうか。本日もありがとうございました。楽しい時間を過ごせましたわ。」
「いいえ。こちらこそ、いつもお話し相手になってくれてありがとう。」
「僕も、ありがとうございました。次に参加できるのはいつになるかわかりませんが、参加できた日々、とても楽しかったです。」
「こちらこそ。そして、学園での勉学、今後も頑張ってくれ。友人として応援していよう。君の未来に幸あらんことを。」
「幸あらんことを。」
「ありがとうございます、王子殿下、王女殿下。」
「ただいま帰りました。」
「「「おかえりなさいませ、お嬢様。」」」
「今からやりたいことがあるため、自室の方の書斎に籠もります。」
「かしこまりました、お嬢様。お茶などはいかが致しますか?」
「すべて大丈夫よ。欲しくなったら貰いに行くわ。」
「かしこまりました、お嬢様。では失礼いたします。」
さあ私が転生の説明、どこまでしたかしら?ああ、泣き叫んだまでか。私が転生したのはワネクトという世界の北の大陸のコクロス大陸、そこの中の国の一つ、ソルメクナ王国のレクロ公爵家です。私の名前はレミーラ・レクロ。家族からはレミと呼ばれております。それこそ、乙女ゲームの世界だぁ!とかだったら楽しいんですが、別にそういうわけでもなく。ただ日本や地球と違う世界なんですよね。どうせガチャで決まるんだったら、もっと位が低かったら楽なのに、と常々思っています。しかも、うきうきで回したガチャなんかで転生先が決まるし。確かにね、ガチャガチャは好きですがガチャガチャに人生かけてるわけではないんですよ。まあ地獄の社畜生活からは脱せたし、今となっては楽しい充実した日々を送れてるから結果良ければ全て良しかもだけど、せめて引き継ぎとか、家族に最後の挨拶とかしたかった!まあそんなことは置いといて今からは私の転生先について説明していきますか!
ここは地球とはちがうどこか、ワネクトという世界の名称だけどここが地球と同じく星なのかとかは全て不明。調べたいんだけど、地球ほど技術が発展していないから、無理なのよね。ワネクトの時間は地球と同じで一年365日、一日24時間、一時間60分、一分60秒。時計の技術はあるから、時刻はいつでもわかるわ。そして、大陸について。大陸は5つ。中央に位置して人間のみが生活している、ヨスト大陸。東に位置して人間だけが生活している、マンラ大陸。西は人口の99%が魔物の、モクケ大陸。南は人間以外のみの鬼人や獣人が生活しているケルカ大陸。そしてあとはここソルメクナ王国のある、魔物以外のすべての人種が暮らす、北の大陸コクロス大陸。この世界は魔法もある世界で、魔力はどの人種でも誰でも持っていて大体の平均魔力は上級魔法を一回撃ったら三日寝込むほどらしい。それから、生まれ持ったスキルである「固定スキル」、日々鍛錬していくことで身につけていくスキル「習得スキル」の二種類のスキルを全員保有することが可能。固定スキルはこの世界の誰しもが一個以上は保持しているもので例えば語学発達とか否飢餓とかまあ本当に色々と。魔法は自分の属性の魔法を練習して習得することができる。属性は光・闇、雷・氷、炎・水・風、土の8種類で一人必ず一つ以上持っているものよ。下に下がるにつれ、属性の希少性は下がっていくわ。ちなみにこの身体であるレミーラ・レクロは希少性が高すぎるものを持っているのだけれど、それは今から説明するわ。
この身体、レミーラ・レクロは来年から魔法学園に通うことになっている12歳の公爵家次女。婚約者はいない。そしてここからがやばいのよ。属性は闇、氷、風、水、土の5属性持ち。ちなみに1人に5属性がつくのは世界で10人に満たないほど。まあでも全属性持ちが二人いるから5属性持ちがそんなにレアとも言えないのかも?魔力量は上級魔法を一日中寝ずに撃っても一割減らないぐらい。まあスキルもあるし明確な量はわからないわね。そして、固定スキルは瞬間記憶、魔法上達、天才頭脳、物理上達、魔力・体力回復、心身上達、魔剣使用、魔弓使用の8個。武具使用スキルはこの世界で数限られているスキルで、保有者が生存しているときは同じものを使えるものはいない。そして、保有者を殺せばスキルが手に入るわけでもなく、物に選ばれた者のみが保有することができる。種類は魔剣、魔斧、魔弓、魔槍、魔銃、そして色はホワイト、ブラック、レッド、ブルーの四色。でも、レッドとブルー、それから魔銃はここ120年ほど保有者がいない。それから、習得スキルは、薬物無効、以心伝心、無限発達、内外発達、精霊召喚、悪魔召喚の6個。精霊召喚のスキルによって雷の精霊「ライグ」と契約しており、悪魔召喚によって「サリー」と契約している。(精霊は名前が決まっているが、悪魔は名前が決まっていないため自分で名付けることができる。)このようなやばい量のスキル数なため、転生した私自身もバグで生まれた人間?と思っている。そんな私もあと少しで魔法学園に入学なんです!魔法学園は平民は通う権利、貴族は通う義務があるが、第五王子のロレクラ・リャン・ソルメクナの政策によってここ数年は魔法学園に通う平民も増えてきた。魔法学園は魔法の制御の仕方や初期魔法を学び、優れているものを魔法塔に勧誘する目的もある。12歳から社交界の始まる14歳までの二年間通う。こんこん。
「お嬢様。夕食の時刻ですが、夕食はどうなさいますか?」
ああ、もうそんな時間か。「ありがとう、すぐ行くわ。」
「かしこまりました。旦那様や奥様、全員揃うそうです。」
「わかったわ。ありがとう。」