表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/61

1.プロローグ

 


 ヴァルテンブルク国に留学を決めたのは、高等学院に入る少し前の冬だった。


 お母様が亡くなった後、元々淑女らしからぬ性格の私がさらに奇行を繰り返している、と父のローゼンハイン伯爵が心配したことがきっかけだった。


 父は、私が母を失い、動揺していると考えたらしい。


『奇行』といっても、暇を持て余して、ちょっと変装して屋敷を抜け出し遊びに行ってしまうだけなんだけど。


 特に私は男装が得意で、個人的にも非常に上手く出来ていると自負している。


 実は結構昔からやっていたのが、お目付け役のお母様が他界したのをきっかけに、ただ行動が悪化しただけなのを知らない父は、「違う国の風を浴びれば、少しは傷も癒えよう」と無駄なご配慮をしてくださり、私に留学話を持ちかけたのだ。


 ただ、これは私にとっては僥倖だった。


 だって若いうちに別の国に住めるなんて最高じゃない?

 ヴァルテンブルク国は発展した大国だし、親元を離れると面白いこともきっと沢山ある。


 幸いヴァルテンブルク国は母の祖国。

 幼少期から語学は叩き込まれていたし、母方の親族もいるので、緊急時に頼れる場所もある。


「行く! 凄い楽しそうじゃない!!」


 心配する父と弟を余所に、私は夢と希望に目をキラキラと光らせて留学の準備を進め、後ろ髪を引かれる事無く元気一杯に、祖国ブルクハウセンを後にしたのだった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ