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陰謀

~貴族の屋敷~

 そこには先ほどの騎士6人と屋敷の主人が向き合って座っていた。


「ご苦労だったね。その鎧はこちらで処分しておくから後で屋敷の者に渡しといてくれ」

「いえそんな、こちらこそ無茶なお願いを聞き入れてくださりありがとうございました」

「それは言わない約束だ。お互いに得しかないのだからな」


 この主人、過去に女癖が悪く今の妻と結婚する前には火遊びを多々おこなってきた。そのうちの1人が妊娠し仕方なく家に招いたのだ。厄介な事に本妻が子を産むよりも前に生まれ長男になってしまった。血は繋がってはいるがやはり家督は本妻との間にできた子に継がせたい。長男の母である女は既に亡くなっているが、貴族としての器を大きく見せるために長男以外を指名出来なかったのだ。その分、本妻には責められたが本来の跡取りは甘やかし、長男は厳しい教育で心を挫こうと考えた。自分から跡取りを辞退させて弟に譲るように…弟の勉強はそれからでも遅くない。そう思ったのだが


「当主様は羨ましい!こんなにも叡智に長けた子を授かったとは…これは将来安泰ですな!」


 しかし意外にもこの長男は見た目は醜いが地頭はよく家庭教師もベタ褒め。立派な後継ぎで羨ましいとまで言われた。このままでは外堀を埋めてしまう。策を考えていた時に1枚の手紙が来た。それはかつて利用した冒険者からだった。

『1人の冒険者に灸を据えたい。本国でやるには足が付く可能性があるので協力してくれないか?』

とあった。すぐに返事を出し集合し作戦を練った。ギルドを通して隣国へ依頼し、青年を呼び出し邪魔な長男共々ダンジョン内の事故で消えてもらうことにしたのだ。


「で?遺体はあるのだろうね?」

「遺体…ですか?もう既にモンスターの腹の中でしょう」


 ここで食い違いがあった。主人の方は、しっかりトドメを刺し遺体をバラした物だと思った。しかし実際には冒険者達は苦しみながら死なそうとトドメを刺していない。あの身体では逃げれないと思ったからだ。もしここで確認を怠っていなければ今後は変わったかもしれない。

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